見出し画像

脳膿瘍

感染経路
・近接部位の感染巣からの直接波及(60%)⇒乳突蜂巣炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周囲炎、脳外科術後など
・血流感染(20%)⇒肺動静脈瘻、感染性心内膜炎

起炎菌
・嫌気性菌(最多)Streptococcus/Bacteroides/Prevotella/Propionbacterium/Fusobacterium
・好気性菌:viridans streptococcus/S.aureus
・免疫抑制:Toxoplasma gondii/Listeria/Nocardia/Aspergillus
・寄生虫:Taenia solium

合併症
・脳ヘルニア
・膿瘍破裂(abscess rupture) 脳室穿破は特に致死率が高く重篤
・水頭症
・痙攣発作 抗てんかん薬の予防的な使用を推奨する根拠には乏しい ただ高率に合併

画像所見MRI

治療
抗菌薬治療+ドレナージ
抗菌薬選択:セフトリアキソン+メトロニダゾールが基本
*移植患者やHIV患者ではカバーする対象が異なるため注意が必要です
・セフトリアキソン:細菌性髄膜炎と同じ理由です。
・メトロニダゾール:細菌性髄膜炎と異なり脳膿瘍の場合は嫌気性菌の関与も考慮するため、嫌気性菌カバーかつ髄液移行性の優れているメトロニダゾールを使用。

治療期間
一般的に静注で6-8週間
膿瘍がきちんと消失するまで治療は継続する必要があり個々の症例での判断が重要
定期的な画像フォローが必要

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?