JONAGOLD 1st Photobook ”loose”と同じテーマでエッセイを書いてみる#10
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「お風呂」
小学2年生まで家に内風呂がなくて、隣の家の風呂を使わせてもらっていた。
隣の家には当時中学生の娘さんがいた。
私と年は離れていたがよく遊んでもらっていて、お姉さんのような存在だった。
ある日、ちょうど私たちが帰るころにそのお姉さんが二階の部屋から下りてきた。
「ちゃんと温まった?」
バスタオルやパジャマを持っていたから、これから風呂に入るのだろう。
私が100まで数えたよと言うと、
「すごいねえ。今度一緒にお風呂に入ろうか?」
と予想もしていないことを言ってきた。
(あまりに衝撃すぎて、そのあと全く記憶がない。)
隣の家は10年ほど前におばさん(お姉さんの母)が亡くなって空き家になり、解体されて、敷地は私の父が買い取った。
数年前に、お姉さんが孫を連れてやってきて、昔自分が住んでいた場所だと孫に教えていたそうだ。
あの日、どういうつもりであんなことを言ったのか?
きっとそんなこと忘れているだろうけど。
【本文と関係ない写真】
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