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ほったらかし温泉

寒い日と暑い日が入れ替わり訪れる季節。

また、雷が鳴ったかと思えば雹が降る不安定な季節でもある。

山の天気は変わりやすい。

わかっていた言葉だが、クルマの運転だけしていればあまり不便に感じる事もないであろう。

バイクはそうはいかない。

雨脚が強まれば運転方法とコース、雨装備を見直したりする必要があるので天候予想は結構大事。

そういう意味でバイクツーリングは昔の馬旅に似ているのかも。

なんでわざわざそんな不便な事を、という問いには、わざわざ不便なキャンプを好んでする人たちもいると答えさせていただければわかりやすいかもしれない。

便利が世の中を支配するとそれに反逆したくなる時がある。

不便を買って出ると楽しみになる。

奇妙な化学反応だが、人(触媒)によっても結果が異なるところも面白い。

乗ってみて二度とゴメンだと思う人もいるだろうし、初めから興味が無い人もいるだろう。

これも乗馬と例えればわかりやすいかも。


しかしながら、鉄の馬を乗りこなす楽しみは、乗った者だけしか味わう事ができない。

全ては選択。

前置きはこのくらいにして、今回は目的を定めてツーリングしてみた。

以前から思い描いていた日帰り温泉巡りだ。

これまではどちらかと言うとドライビングテクニックを上げるために乗車時間を稼ぐ事に集中してきた。

飛行機のパイロットと同じで、クルマやバイクも乗車時間とテクニックは比例するものと私は解釈している。

熟練パイロットほど飛行時間が長い様に、熟練ドライバーになればなるほど乗車時間は自ずと長くなる。

無骨な機械が、乗車時間が増すことで、やがては自分の手足の様に感じてくる瞬間が来るのだ。

免許を取得してからこの一年、ところ構わず走り回ってきた。

通勤からSSTRまで。

天候が許せば毎日乗ってきた。


そろそろドライバー(騎手)としてのバイク(乗馬)の経験値が一定水準に達したと考えて、今度は人馬一体で楽しんでいこうと思う。

手始めに選んだ場所はほったらかし温泉。

山梨県山梨市 ほったらかし温泉

山頂付近にあるので甲府盆地が見下ろせるロケーションと、ほぼ露天風呂という開放感は別世界。使い勝手がいいように程よく人工的に作られている。

全裸で太陽の下にいる違和感と富士山を臨む景色。
それほど湯温が熱くないのでゆっくりと入れるという意味では結構おすすめ。
夜の景色はいいかも。

あっちの湯とこっちの湯

露天風呂は2種類。あっちの湯とこっちの湯。

それぞれ入り口が異なり、別料金なので同時に二か所入るか別日にもう一度訪れるかは旅人次第。迷ったら看板の下にサイコロがあるのでそれを振れば教えてくれるという余興付き。

一度は行って損はないかなと思った。

ただし、こちらは休憩スペースがほぼないところがバイカーにとっては残念かも。
旅の疲れをゴロ寝で癒したいところだが、こちらには飲食スペースに机と椅子があるのみ。

休憩スペースの一例
休憩スペースの一例

ある意味看板に偽り無しのほったらかしぶり。飲食店もあったが訪問した日(2022年6月2日)はコロナの余波で全て休業していた。

バイクの駐輪スペースが車と別に用意されており、記念撮影できるスペースが設けられているなどバイカーに配慮している点が歓迎ムードで好印象。

駐輪場の記念撮影スペース

入浴料は大人800円。

インナープロテクター付きアウタージャケット(春夏タイプ着用)がすっぽり入るコインロッカー(要100円)があるので、ヘルメット以外は脱衣所へ持ち込みでいける。タオルは販売店でも200円で購入できるが、私は持ち込みした。シャンプーもシャワーソープもあるので、入浴にあたってタオル以外は何もいらない。

一つだけ内風呂があるが、ほぼ全てのスペースが露天風呂なので天候によっては印象が異なるかもしれない。


最後に、この場所にたどり着く際にフルーツラインからフルーツ公園駐車場を通り抜けて行くので、そこを間違えなければ迷うことなく行けると思う。富士屋ホテルの敷地横を通ることがミソ。一見私有地かと思ってしまうので進んで行くのは気がひけるかも。


入浴後の休憩にこだわりがなく、野外で解放されたい気分の時はオススメのバイカーズ日帰り温泉。


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