夢を見る。時々。(6)
親しい友人が、私には不思議に思える人生に身を置こうとする。で、その人生の合間合間に連絡をよこす。中途半端に世捨て人。のような生活に見えるのだが、本人はおそらく、今までで1番生きてる事を実感しているようだ。
連絡をもらった内容や言動が私には、違和感と不安があったので、口を出した事がある。だけど、その人の大切かもしれないものに口を出すならば、私も誠意を伝えたいと思い、それを続けるならば、友人関係を切るよ。と言った。
友人との思い出は私にとって、支えだ。思い出すと笑える、とても素敵な思い出が、私に自分を肯定する力を与えてくれていた。
だから、連絡をした時、本心を伝えた時、すごくドキドキした。自分の大切なものを差し出しているのだから、当然だ。それに、友人は応えてくれた。
と、感じていたけれど、今回送られてきた連絡内容は、どうしてそんな事をするのか?というところが、更にエスカレートしていて、私が友人関係を切る。と言ったその内容を行動に移しました。との報告だった。
とても不思議だった。
何でそんなこと?と本人に聞いてみると、引かせただの、伝えるのに時間が必要だっただの、チューニングがどうだのと、自分の行為自体というより、こちらの準備の問題だったような言い方をし始めた。まるで子供に言い聞かせるような語り口で、あなたがそれについて理解していない、その無知さが問題だよ。と言うような様子。
ぐるぐる考えて、そうなのか?無知であるから理解できないのか?と悩んでみたが、だとしてそれに何の問題があるのか今度はそれがわからなくなった。
なので、聞いた。その上で、私は違う考えだからその行動が理解出来ないんだと、伝えた。
すると返事は来なかった。
理解を示すふりをして、本心は別のものだと、誰かに話す事は簡単だけど、本人に向かって、それを伝える事は私も誰彼構わずする訳じゃない。
理解し合っているのは、理解し合おうとした積み重ねの結果だった。
もうそれが出来なくなるかも。と覚悟しての質問だったから、もしこれで、これ以上ご一緒には進めませんね。となっても、仕方ない。
普通に会話して、笑って、くだらない事でも傷付いたり、それを美味しいご飯と一緒に飲み込んだり、排泄したり、その自由を楽しく感じていたのは私だけだったのだろうか。
自分たちを思い出に閉じ込めておく事も出来ないので手放す。
ぐるぐると頭は整理できぬままでも、朝は来る。
早朝から仕事だったので、車を運転していると、昔、好きになった歌を口ずさんでいて、気がつくと無性に聴きたくなっていたので、流してみた。
この曲に出会った感動も、私は友人に話した。で、その頃、曲を作っていた私は、それを歌詞にした。
神様、なぜこんな気持ち私に与えたの?と質問するやつ。
私が歌う姿を、友人は良く観に来てくれた。いつも応援してくれていた。
その後をどんな歌詞にしたのか、薄ぼんやりとしか覚えていなくて、それがネットにあったりしないかと探してみたが、出てこなかった。
他に好きだった曲もいくつか聴いていたら、何でか途中から説教臭く感じ始めて、こりゃだめだ。と音楽を消して景色を眺める事にした。
あなたが好きだけど、だからって全ては肯定できないってだけなのか?
私の作った曲の題名をぐるぐる考えていたら、夜明け前だったと思い出す。
夜明け前まで話した事は何も結局覚えていない。どんな事をしたのかも、うすらぼんやりしていて。何故全部、どこかに書いておかなかったのだろう。という位、大切だったのが今わかる。
そのままで良かないけど、そのままでも居たかった。どう頑張ればいいのかもわからなくて苦しかった。
結局、当時の私は、理解して欲しかっただけで、理解しようなんて考えてもいなかったんだろう。
その頃なろうとしていた自分達とは、私達は全然別の人生を生きている。そりゃそうだ。まず自分の聞きたい話しか聞こえなかった。
私の欲や寂しさや不安を、SEXで紛らわして、大人になった気でいたのだから、情けなくて恥ずかしい。
結局紛らわしきれてないなくて、もう生き恥だ。
だから、そんな私に言える事は全然無いし、聞こえなくともごもっとも。
違う形で会話が成り立っているってこと?いやいやとこれも事実無根。また良いように解釈して、どこまで遠ざかるつもりなのか。私。
会話は成り立っていないらしい。これが伺い知った事実。受け止めるも、出来ることは、残念ながら、今のところ思い浮かばない。
あぁ。情けない。神様になぜとか、聞いてる場合じゃない。受け止めて寄り添って、とても大事にして、消化しろ。馬鹿者。
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