詩「ヘクソカズラ」

何ということでしょう。


あなた方はいつも、いつも勝手になすってございます。

こちらもただ単に言いなりになって佇んでばかりじゃあありません。


よくもよくもみっともない

恥ずかしくお思いになられないのですか。

その性根が浅ましい。


かと言ってあなた様方が目いっぱい悪いとは申しません。

素敵な想い、不屈の意志、輝く才能と芸術。

そういったものはもちろん好きでございます。

特に歌なんてのはめっぽう気持ちのすくものです。


でもなんですか。

根も葉もないっていうのに、あなた様方といったら。

あんな呼び名をつけておいて得意になって。

それこそ恥や無情、どんな言葉でも足りません。

あぁもっとこの気持ちをあらわす沢山の言葉が欲しいといったらありゃしない。


罵り言葉は好きじゃあありません。でももっと、こう、胸のすくような。

そんな言葉をかけて下さいな。


せめてもの情けでございます。

たまに見て思い出してくださるだけで良いのです。


私は路傍の花

ヘクソカズラと呼ばれております。

夏には小さい、白と紅の花弁を咲かせます。