ダイバーシティーと真珠
「真珠貝は貝殻の内側にはいった砂くずが痛いため、それを包む成分を出しているうちに真珠を作り、詩人は自分の心の痛みをもととして詩を作るという。
貝にとっては、砂くずは異物である。それが貝にとっては違和感なのであろう。しかしそれがもととなって美しい真珠が貝殻の内側に形成されるのである。人の心もおなじだ。」
これは、渡部昇一氏(英語学者、評論家)の言葉である。
これを読んだとき、私は国内におけるダイバーシティに関しての議論にヒントを得た。
「美しい真珠が貝殻の内側に形成される」という表現はどう解釈するべきなのか?
美しいという言葉は、文学的なので、私はあえて「幸せな人生」と置き換えて文章を作ってみた。
「人は価値観の違う人と同じ目的を持って協働する時に、相手に違和感を持つことがある。しかし、目的を達成するためには、その違和感を受け入れることも必要だ。拒否せず、受け入れることによって、相手との間に共感性が生まれる。
その寛容性が、自分の視座を高め、器を大きくする。それが、自分を成長させる糧となり、周囲からリスペクトされ、良い偶然が継続して起きるようになり、幸せな人生が形成されるのである。」
以前のブログで、私は「幸せな人生」とは、「HAMな状態」であると述べさせていただいた。
HAMとは
H Honmono(本物)の仕事を持っているのH→自らの才能を最大限ひきだしている
A 自分の仕事が高く評価され感謝されている、Appreciation(評価/感謝)のA
M 自分が納得できるお金を得ている、MoneyのM
の状態のことで、この3つが高い状態であれば、かなり幸福度は高いはずである。
この3つが高い状態であることと、ダイバーシティー力が高いことは関連がある。
なぜなら、本物の仕事を得るためには、自分と価値観の違う優秀な人々との協働と切磋琢磨が必要である。
それに加え、その自分と価値観や物の見方が違う人々に感謝し、リスペクトすることによって、相手との共感性が生まれる。
質の高い仕事を違う価値観の人とチームワークでイノベーションを起こせる人は価値があり、その価値に見合うだけの収入が得られるからだ。
昨今、企業経営の中で「ダイバーシティー」の重要度が高まっているが、究極的には、幸せに働く社員が多い組織とやらされ感と不満を持ちながら、不幸せに生きる社員が多い組織では生産性が違ってくる。
それでは、今回述べさせていただいている「ダイバーシティー」は、このことにどのように関わっているのか。
日本の企業が取り組んでいるダイバーシティー推進
まずは概略を理解しておきたいのでChat GPTに「日本企業におけるダイバーシティー力とは?」と聞いてみた。
答:
企業におけるダイバーシティー力とは、様々なバックグラウンド、文化、人種、性別、年齢、性的指向、障がいの有無などの違いを持つ個人が、職場で共存し、協力して働くことができる力を指します。企業がダイバーシティーを積極的に取り入れ、その力を最大限に発揮できるようになると、以下のようなメリットが得られます。
企業のイメージアップ:
ダイバーシティを取り入れることで、企業のイメージアップが図れます。特定の人種や性別に偏りがある企業よりも、多様な背景を持つ人材が揃っている企業の方が、より親しみやすく、信頼される傾向があります。
イノベーションの促進:
異なるバックグラウンドを持つ人材が共同で働くことで、新しいアイデアが生まれることがあります。企業がダイバーシティを活かし、アイデアを生み出す力を高めることで、イノベーションの促進につながる可能性があります。
社会的責任の履行:
企業がダイバーシティを推進することで、社会的責任を果たすことができます。ダイバーシティを尊重する企業は、社会に対して積極的なメッセージを発信し、企業価値を高めることができます。
多様な人材の採用:
ダイバーシティを推進する企業は、多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用する傾向があります。これにより、企業には多様な人材が集まり、競争力を高めることができます。
以上のように、ダイバーシティーは、企業が競争力を維持し、社会的責任を果たす上で重要な要素だという考え方があり、私も同感である。
ここでは、4つのポイントが挙げられている。
1 企業のイメージアップ
2 イノベーションの促進
3 社会的責任の履行
4 多様な人材の採用
すなわち、ダイバーシティーを促進することによって、企業として競争力が高まり、多様な価値観を持つ社員が社会貢献をしながら幸せに働けるということなのである。
ダイバーシティー力の定義
現時点の私のダイバーシティー力の定義が以下である。
「美しい真珠ができるプロセスを模倣して、価値観の違う人々を受け入れ、リスペクトし、協働し、切磋琢磨していくことが、結果として自らを成長させ、幸せな人生を導く道の1つであることを認識でき実践する能力」
違う専門性の人材をタレントマネジメント的に融合させ、イノベーションを起こすダイバーシティーの側面については、またどこかの機会で書かせていただきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?