布留川勝
鳥の目 虫の目 魚の目
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鳥の目 虫の目 魚の目

布留川勝

私のもう一つの仕事のリゾートプロデュースのリサーチもあり、4日前から台風4号が去ったばかりの沖縄に来てプールサイドでこのブログを書いています。
iPhoneで写真を撮り、Siriでブログを書いてアップできるのはほんとに便利です。

前回のブログで、「良い偶然起こす」ためには、自分のできること(Able)を大きくすることを起点にするという考え方、について述べました。

今回は、自分のできること(Able)を何にするか、何に集中して自分の時間とエネルギーを注ぎ込むのかの判断の役割を担う、f(フォーサイト)についてできるだけわかりやすく解説します。

わかりやすく言えば、フォーサイトとは人生の羅針盤のことです。

高度経済成長期であれば、与えられた仕事をただひたすら身に付けていけば、60歳の定年まで、何とかその知識やスキルで仕事人生を全うすることができました。
そして、いわゆる老後、年金生活を送ることができたのです。多くの人々は、人生とはそういうものだと、多くの老後を送る人々を身近に見ながら生きてきました。

例えば、私の両親は、60歳のときには、完璧な年金生活で、毎日テレビで歌舞伎や相撲を見て、数ヶ月に一回は旅行に出かけ、幸せな人生を送っていました。

そんな時代であれば、精度の高い羅針盤でなくても十分に機能していました。
良い大学に入り、安定した企業に就職し、そして真面目に一生懸命働く人生が1つのモデルであり理想だったのです。

ただ2020年を過ぎた頃から、状況が大きく変わってきたのを人々が認識し始めたのです。
その証拠に、いまや昼のワイドショーでさえ、人生100年時代やGAFAが日本企業に与える影響がテーマになり、下流老人やベーシックインカムについて議論されるようになってきたのです。
日本人の多くは、自分の将来に不安を抱き始めています。その結果、貯蓄が増え、消費は低迷しています。

2022年の時点で、もしあなたが40代であれば、100歳まで生きる可能性は非常に高くなってきています。
少子高齢化で財源が枯渇し、楽観的に考えても、年金は20年間しか支給されません。

今の平均的な40代は、医療改革の恩恵を受けて、間違いなく90歳から100歳まで生きることになるでしょう。100歳まで生きることになれば、年金支給は100 – 20年になります。と言う事は、80歳までなんらかの形で、文化的な生活を送るだけの十分な貯蓄か稼ぎがなければならないことになります。

それも社会が求める知識やスキルが大きく変化する中で、かなり頻繁にリスキリング(職業能力の再開発、再教育)を繰り返す必要があるのです。
すなわち今の6070代の人生とは、全く異なったマインドセットと時間の使い方を持つ必要が出てきたのです。

これからの人生における幸せとは、前々回のブログに書かせていただいたHAM<自分で本物の仕事をしている感覚を持ち(Honmono)、その仕事が周囲から高く評価され感謝されている(Appreciate)、そして自分が納得できる収入を得ている(Money)>な自分でいることだと私は考えています。

HAMの尺度はそれぞれです。自分のHAMと友人のHAMはきっと異なるでしょう。「画一的な幸せな人生」ではなく、一人ひとり異なる幸せな人生を個人が追求する必要があります。
そこで必要になるのが人生の羅針盤です。

それではここで、自分がどの方向に進むべきかを示す、人生の羅針盤の機能について入っていきましょう。

この羅針盤には、3つの機能が付いています。
あえてここでは、わかりやすくするために「鳥の目、虫の目、魚の目」と表現します。

鳥の目とは、大空をゆったりと徘徊しながら、高い視座で、今世の中は一体どんなことが起きているのか、そしてその世の中で自分はどんな形で貢献できるのかを見る価値観と内省の目です。
自分が本当に人生をかけて貢献してみたい分野が何なのかを考える時間を持ち、実践していきます。

世の中の動きと自分の価値観、能力を俯瞰して見て、どの分野に自分は属しているのかを内省するのです。
自分は教育の分野なのか、技術革新の分野なのか、社会福祉の分野なのか、大きくまず自分の進むべき方向性を決めていくのです。

私がお勧めしている具体的な方法は、SDGs17の目標を参考にして、その中で自分がどの分野を目指すのかをじっくりと考えることです。

鳥のように大空を徘徊しながら、地上に置いてあるSDGs17の目標のカードから、1つあるいはいくつかピックアップするイメージです。

この作業は焦る必要はありませんが、このステップをスキップしてしまうと後々大きな後悔をする可能性があります。

なぜなら4050代になったときに、大きくしたAble(できること)が、全く自分の価値観と合わなかったり、能力的に向いていなかったりすると、後戻りが難しくなるからです。

多くの人がここで燃え尽き症候群を起こします。
ただ、現在の仕事に見切りをつけるのは現実的ではありません。今自分がやっている仕事とのすり合わせともう一度ゼロベースで考える2つの側面で、柔軟性を持ちつつ、結論を出していく必要があります。

そして次が、虫の目です。

虫がカバーする範囲は、草むらの中と地上3メーター位のイメージです。

会社組織においては、「現場」のことです。
現場には自分にとっては協力者もいますし敵もいます。
そんなリアルな現場の中で、自分自身の生きる直感力を磨いていく必要があります。

この直感力のことを、人によっては地頭が良いと表現することもあります。
いくら本を読んでも、YouTubeで知識を学んでも、この現場で協働し戦う自分を経験しないと、直感力は磨けません。

この直感力なしには、鳥の目で選んだ自分の社会貢献すべき仕事において、質の高さを得ることができないのです。

そして3番目は、魚の目です。

魚の目は、魚が水中から空を見上げたときに見える180度の光景です。

そこに見えてくる現代社会は、GAD(グローバル・アジャイル・デジタル)な世界です。

キャリアを考えるときの大きな落とし穴は、どんな世界を生きているかを自分と「同期」しないことです。同期というとわかりにくいかもしれませんので、言い換えると、水中から見上げた時に見える世界が、昭和の高度経済成長期だとすると、そこから歯車が狂ってしまうのです。
高度経済成長期の昭和の水に生きている意識では、有効なリスキリングはできないのです。 

 今、日本企業に求められている人材は、「GAD(Global•Agile•Degital)人材」なのです。

GAD人材とは、グローバル化とデジタル化の渦中に存在すると自分を意識し、俊敏な思考と行動力(アジャイル)を兼ね備えている人のことです。

魚の目の機能は、高度経済成長期ではなく、GADな水質、水流にいる自分を受け入れ、日々意識することなのです。

私は、この3つの目(鳥・虫・魚)を私は次のように表現しています。

鳥:Purpose(人生の目的) 
虫:Intuition(直感力・現場力)
魚:GAD(動体認識力/グローバル化、デジタル化、俊敏さの渦中にいる自分)

私は自分の中で、この3つの頭文字をとってPIGと記憶して、自分自身の人生にブレが起きないように、『PIGしてる?』と自問自答するのです。

この3つの目をメタ認知的に日々柔軟に使いながら、自分自身のリーダーシップ・フォロワーシップ・マネジメントのスキルとマインドセットを磨いていく羅針盤(フォーサイト)の機能は人生にとても重要なのです。


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布留川勝
グローバル・エデュケーション創業者 ThinkG代表取締役 GetBackerS代表 「パーソナル・グローバリゼーション(幻冬舎MC刊)著者。日本を強くするためのグローバル人材育成がライフワーク。GetBackerSとは、日本を取り戻す(get back) 仲間を作る活動