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「gALf(VUCA&100年ライフ時代のキャリア開発」をオンライン開催

先日大手通信企業の現地法人マネージャー40名を午前と午後の2回に分けて、私が最近開発した「gALf(VUCA&100年ライフ時代のキャリア開発」をオンラインで開催。
ご参加者は、日本人の駐在員が中心で、日本からの参加も含め、赴任地はフランス、ドイツ、ロシア、中国、韓国、インドネシア、タイ、ベトナム、インドなどで、時差の関係もあり夜中の受講者も多かった。

今回のご参加者は30代から50代後半までと幅広い世代だった。3時間半のセッションの中に8回のブレイクアウト(参加者間のディスカッション)を入れた。

gALfは、一言で言うと、L(好きなことLike)を探して仕事にするのではなく、A(できることAble)を大きくしていく過程で、Likeとの出会いがあるのだ、という考え方がベースにある。

40代から50代で好きなことを仕事にしている人は輝いていて憧れの対象だ。
若い人から見れば、こんな人になりたいと思い好きなことを仕事にしようと考えるのは当然のことだ。

しかし、表面的なことだけを見ていると真実が見えない。
そういった成功者は、辛い局面や耐えなければならない時期も経て、そこにたどり着いているのであって、例外を除けば、好きなことだけをやり続けた結果そうなったわけではない。

この考え方は、いかにも「努力は報われる」的な精神論に見える。
その結果、「好きなことを仕事にしなさい」的なキャリア理論に比べると受け入れたくない人が多くなるのは仕方がないことかもしれない。

ただ人生の成功、キャリアの成功を得るには、本質的な考え方やデータを参考にすることも大事だ。

「成功者はどのようにそこにたどり着いたのか?」を研究する学者や専門家たちのリサーチによれば、成功者は人生の中の偶然を磨きながら、幸運を引き寄せてきた結果そうなっていると語る人が多い。

学術的に学びたい方には、スタンフォード大学のクランボルツ教授の「計画的偶発性理論(プランドハップンスタンスセオリー)がオススメだ。

概要は、以下の通り。

①キャリアの大部分は偶然の出来事によって成り立っている。
②キャリアに満足している人は、偶然を積極的に作り出すことにより、自分の可能性を広げ続けている。
③ますます複雑化する時代に、不安を抱きすぎても意味はない。
④好奇心・持続性・楽観性・柔軟性・冒険心、5つの行動指針を持つことにより自分がコミットするべきキャリアに偶然に出会う

これは私の65年間の人生に当てはめても、ほとんど違和感がない理論である。

gALfのコアコンセプトは、前述の通り、Able(できること)を大きくしていく過程で、Likeとの出会いがあるという考え方だ。
それは、計画的偶発性理論における偶然の出来事に可能性を見つける積極的な姿勢だ。
そして、Able(できること)を大きくしていく過程で起きてくるさまざまな試練に対しては、ペンシルベニア大学のアンジェラ・ダックワース教授の提唱しているGRITを磨き乗り越えていくのだ。

GRITとは、「やり抜く力」または「粘る力」であり、成功者に共通する以下の4つの要素とされている。

・度胸(Guts):困難に挑み、逆境にたじろがない勇気
・復元力(Resilience):挫折から立ち直る力
・自発性(Initiative):率先して物事に取り組む力
・執念(Tenacity):どんなことがあっても物事に集中しつづける能力

さらに、昨今のVUCAと100年ライフの変数に適応するために、未来を読む先見力(foresight)が、人生の羅針盤的な役割を担う構造となっている。

全豪オープンで優勝した大坂なおみさんは、インタビューでこんなふうに答えている。

「優勝するためには、こんなにハードワークをこなさなければいけないのか、と理解できた。最初の2度の優勝(全米、全豪)のときは、このことに関しては、ただ子どもだったと思う。何をしているか本当に分からなかった。試合に勝っていたけれど、その瞬間や、大会、この位置にたどり着くことがどれだけ大変なことかということに対して感謝の気持ちがなかった。キャリアで浮き沈みがあって多くのことに気がついた」

多くの人は、彼女の強さを見て、彼女の才能にばかり目がいってしまう。
ただ本質的には、「才能のある人が、とてつもない努力をしてこの結果が出た」と言うことに尽きる。
アスリートやアーティストなどは、子供の頃からLikeが強烈に見えている人もいるが、Ableを粘り強く磨いていかなかった人たちは大成しないだろう。

私が「gALf」の開発に力を注いだ理由は、あまりにも多くの人たちが、「好きなことを仕事にしなさい」と言う言葉に惑わされ、あるいはその言葉の本当の意味を誤解し、大事な20代から30代を「自分探し」に費やし、「Ableを大きくすること」を中途半端にしてしまったことで後戻りが困難になっている。その結果、40代50代で人生/キャリアの泥沼にはまってしまった人を多く見てきたからである。

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グローバル・エデュケーション創業者 ThinkG代表取締役  「パーソナル・グローバリゼーション(幻冬舎MC刊)著者。日本を強くするためのグローバル人材育成がライフワーク。GetBackerSとは、日本を取り戻す(get back) 仲間を作る活動