春が来たなら 雪もとけて 〜吉澤嘉代子 六花ツアー名古屋感想レポ〜
ライブ中に、吉澤嘉代子はこう話した。
「このツアーのテーマは、『別れ』です。」
※アメブロに書こうと思ったのですが、ログイン出来なかったのでnoteに書きます。麻雀の話は一切出てこないので、ご了承ください。
※個人の感想ですので、解釈違いはご容赦ください。
この日はツアー初日。ハプニングもあった。
「忘れ物をしちゃった!!」
と前奏を途中で止めて、舞台から消えていった吉澤嘉代子。
残されたメンバーは、「…今日何時に起きた(笑)?」と、極限までゆるいトークで場をつなぐ。
こういう面白いハプニングがあるのも、ライブのいいところだ。
息を切らして帰ってきた吉澤嘉代子とともに、再びイントロが始まった。曲は『手品』。
この曲で、ハンカチーフがないのはそりゃまずい。
グッズの、
ハンカチが客席でなびいていた。
イントロが始まった瞬間に、ゾクッとしたのは『うそつき』。
私はこの曲が、大激戦の『私的、吉澤嘉代子で好きな曲ランキング』でトップ3に入るくらい好きだ。
しかし、タイミングが合わず、この日までライブで聞いたことがなかった。
制服を着て歌い上げる「吉澤嘉代子の発表会(子供編)」のライブDVDを何度再生したことか。
この日は、白を貴重にした衣装。
この衣装が、ライトの色をくっきり映し出していたため、ステージで吉澤嘉代子が非常に映えるのだ。
白と薄い緑のライトを纏って歌う『うそつき』はとても幻想的だった。
そう、この六花ツアーは、照明が素敵だったことも印象的だ。
音源で聴くより、はるかに躍動感であふれていた『魔法はまだ』。
“草萌青葉の騒めきは 衣衣の胸に咲き乱れ”を、濃い緑色の光を全身に浴びながら歌っていた『オートバイ』。
『うそつき』も合わせて、この3曲は、歌声だけでなく演出も含めて、ライブならではの高いクオリティを感じるパフォーマンスであった。
パフォーマンスといえば、バンドメンバーも常に素晴らしいのが、吉澤嘉代子のライブの特徴でもある。
このツアーも、
ゴンドウトモヒコ(Bandmaster,Horns, Sequence)
伊澤一葉(Keyboard)
伊賀航(Bass)
武嶋聡(Sax, Flute, Clarinet)
君島大空(Guitar)
という顔ぶれ。いや、豪華過ぎでしょw
このメンバーなら、伊澤さんとの「アボカド」が来るかな?でも、六花っぽくないかな?と思っていたら、
なんと、『ゆりかご feat.岡崎体育』を君島大空さんと歌い上げるという嬉しいサプライズ。
私は君島さんのギターが大好きなのだが、歌声での掛け合いも最高だった。
カバーとして歌った『木綿のハンカチーフ』も含めて、こういう「そのツアー限りの」演奏を楽しませてくれるのも嬉しい。
さて、冒頭でも述べたが、このツアーのテーマは「別れ」。
たしかに、“うその魔法で 消してあげる”で終わる『手品』(いやはやこれは本当に怖い)。
“記憶の色が透きとおってゆく”『ゼリーの恋人』。
そして、アルバムの曲を見ても、この世ならざる場所の歌『涙の国』を始めとして、卒業を表現した『ゆとり』など、別れの曲が並んでいる。
「大切なものとお別れするのは、つらいことなんだけれど…」
と、言葉を丁寧に選びながら話したあとで、歌った『一角獣』。
今まで聞いたなかで、最も魂がこもっていると感じた『一角獣』だった。気づければ、私は涙を流していた。
最後の曲である『雪』もそうだった。文字通り、万感の想いを全身に滲ませて、吉澤嘉代子は歌っていた。
「別れ」という過去を振り返りながらも、こんなにソウルフルに、こんなにパワフルに歌い上げるライブは、なかなか無いのではないか。
六花とは雪の別称。
アルバム名が発表されたときから、ツアーがあるなら、アンコール最後の曲は『雪』だという確信めいた思いがあった。
“春が来たなら雪もとけて ここは涙の川になる”
EP六花で『涙の国』を作り上げ、六花ツアーセットリストの締めくくりを『雪』にしたのは、想いを昇華させて別れを告げるためなのだろう。私はそう思っている。
季節は必ず巡る。
「今年はたくさんライブをしたいと思っています。」
と、前を向いて彼女は語っていた。
アーティスト吉澤嘉代子にとっての春が、これからまた、やってくる。
セットリスト
1.みどりの月
2.キルキルキルミ
3.恋愛倶楽部
4.ねぇ中学生
5.手品
6.ラブラブ
7.鏡
8.うそつき
9.魔法はまだ
10.すずらん
11.木綿のハンカチーフ
12.オートバイ
13.ゆりかご
14ゼリーの恋人
15.一角獣
16.涙の国
17.ゆとり
アンコール
1.抱きしめたいの
2.雪
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