人の言うことを聞けない人は、代表取締役になるしかない

2021年の7月に株式会社を設立し、2022年8月現在でちょうど丸一年を終えた。そこそこ上手くいっているので、なんでゲスナーが会社を作ったのか記す。

創業社長は大体おかしい人間が多い

結論から言えば、人の言うことをゲスナーは聞けないので、全権限を持った代表取締役になるしかなかった。創業社長はだいたいおかしい人が多い。ゲスナーと同じである。

もっといい方法があると思うなら自分で会社を作るとうまくいく

さて、仕事というのはたいていの場合、やるべき内容は、自分ではない他人が決める。自分がやりたいかどうかは別である。言われたことをやる必要がある。

が、おかしな人間というのは、それに対して『やる意味があるのか?』『他の方法の方がいいんじゃないか?』と考える。しかし、それを考えるのは自分の役割ではない。言われたことをやるのが仕事である。

他の方法の方がうまくいくんじゃないか?

本当にそう思うなら、会社を自分で作って実行するとよい。

ので、会社を作った。

会社設立までの詳細経緯

『こうした方がうまくいくんじゃないか?』の具体的な内容について説明した方が面白い気がするので、する。

まず、自分はプログラマーで、会社の事業もプログラマー集団で開発するビジネスをやっている。SESのように人を派遣するのではなく、自社の開発メンバーだけで依頼されたプロダクトを開発している。

長くプログラマーをやっているわけではなく、おそらく今6年目である。会社を作る前はフリーランスのプログラマーとして5年ほど活動していた。プログラマーを始めた時からなぜかフリーランスだった。珍しいかも。

経営者以外の人間の権限は限定的である

代表取締役ではない場合、入った現場の技術やルールに従うしかないし、一緒に働くメンバーも選ぶこともできない。その中でベストを尽くすのが仕事である。

しかし、ベストを尽くそうとすると、最終的には、最適な技術を選択し、優秀な開発メンバーを集める、という結論になってしまう。いくら自分一人が頑張っても、与えられる影響は小さい。

しかし、その権限は自分にはない。

自分に与えられた権限の範囲で採用、技術選定をしたらうまくいった

もちろんある程度までの権限はあった。具体的には、自分の職務領域の全権限はあったので、その範囲においては技術を選択する権限と、採用の権限があった。その範囲というのは全体の半分、つまりサッカーでいうとオフェンスチームの指揮官である。

なので、自分の知り合いの優秀なプログラマーをかき集め採用した。技術的にもその当時のベストのものを選択した。

そうするとかなり快適に、かなり効率よく開発が進むことがわかった。非常にいい方法だと思った。

それでもさらなるベストがある

が、自分の職務領域以外の部分については、そうはいかない。いかないし、その部分がボトムネックになり、全体の開発がうまく進まない。

そもそも論でいえば、全体の仕切りがあまりよくないと思っていた。仕切りが悪ければ、各セクションがいくら頑張っても限界がある。

全体の指揮権と、技術的決定権、採用権を持てば、もっと楽に効率よく開発ができると思うようになっていた。

全権限を取りに行く模索時期

そういう思いを持ちながら、方向を模索した。いろいろな知り合いに連絡し、開発する仕事がないか聞いた。起業したい経営者から相談を受け、試験的開発を請け負ったりもした。しかし、なかなかうまくいかなかった。結論から言えば、金があるクライアントを見つけられなかった。開発にはとにかく金がかかる。それを支払えるクライアントを見つけることができなかった。

金持ってるやつが見つかる

しかし、一年ほど経った頃、ちょうどいい話が舞い込んだ。全権限を渡すので、開発チームを作って指揮をしてほしいという依頼である。その会社は馬鹿でかく金を持った会社の子会社で、親会社の開発組織だったため、無限に予算があるとのことだった。あるところには仕事はあるのである。

正直にいえば、その全てをこなす自信はなかった。当然だが、自分はサッカーで言えばオフェンスの専門家であり、ディフェンスの経験はほぼゼロに近かった。技術的に可能ということと、実際に仕事としてやったという経験には、大きな隔たりがある。

そういった懸念事項も正直に話したところ、『今頼んでいる開発会社も、そんなにしっかりできていないので、大丈夫。ベストを尽くしてくれれば問題ない。』と言ってもらえたので受けさせていただくことにした。

開発開始

まずは大学時代からの先輩であった友人と二人で開発をスタートさせた。(この先輩に、無職で金が絶望的になかった時代のゲスナーは声をかけてもらい、一行もプログラミングをしたことのなかった状態から、職業エンジニアになることとなった。)

優秀な若者を金にモノをいわせて引き抜く

並行して、以前から一緒に仕事をしていた優秀な若者にうちに入ってもらえないか交渉をした。結論から言えば、今の2倍払うのできて欲しいと言ったところ快諾してくれた。2倍というとすごい額に聞こえるかもしれないが、彼の能力的に適正な額だと思っていた。若いというだけで給料が低過ぎる人が結構いる。

そうして3人で開発を続けた。

うまいこと進む開発

予定していた通り、開発はかなり快適で、クライアントからも高い評価を得た。

その結果、もっとプログラマーを増やしてくれと言われる。

そこで、経験者の採用と、未経験者の採用の採用育成を始めた。

採用と新人育成

経験者の採用はうまくいかなかった。技術者としては能力がある人が一人入ってくれたが、俺のことが嫌いらしく、辞めてしまった。人間、嫌いな人間の下で働くのは難しい。俺のことが嫌いじゃない人を今後は取ろうと思った。(半分冗談だけど、働き口はたくさんあるので、あえて気に食わない人の下で働くことはないと思う。人それぞれ合うところが必ずある。)

採用についてはあまり偉そうなことは言いたくない。一方的にこちらが選ぶという非対称性のある権威的立場から、偉そうなことを言いたくない。(ということは、そういうことを言っている人のことを、偉そうな人だなと思っているというゲスナーの性格の悪さが、この文章から汲み取れる)

未経験者は、エデン周りから三人採用した。二人は5年くらい付き合いがあったので、いけると思った。一人はエデン周りからの紹介。

代表取締役の主な仕事、政治

正直三人には、こちらの都合で半年間仕事をアサインすることができなかった。仕事がアサインできるタイミングがすぐにはこないことは説明していたとはいえ、申し訳なかったと思う。それぞれ別のバイトなりがあり生活には問題がなかったものの。

この、新しい人材をうまく仕事にアサインするタイミングが、とにかく一番難しかった。

正直にいえばプログラマーというのは、3年目くらいまではほぼお荷物である。単なるコストである。それはクライアント側もわかっている。それでもなんとか理由をつけて入れてもらう。これが一番難しい。しかし、若手を育てないことには戦力は増えない。これも、もちろんクライアントはわかっている。新兵は戦場に出さないと一人前の軍人にはならない。いくら模擬戦を繰り返しても難しい。

微妙な力関係の中で、損を取ってもらい、長期的な得だと思ってもらう。そういう交渉というか、仕事が、一番難しい。はっきりいって開発はそんなには難しくない。プログラマーなのだから、ベストを尽くせばそれでいい。不確定な要素はほぼない。不確定な要素がある中での交渉、つまり政治が一番難しい。

メロスには政治がわからぬらしいが、代表取締役はわからないと困る。本人は困らないかもしれないが、社員が困る。政治というのは結局のところ、利害関係の調整である。利害関係というのは単純な金銭だけではない。むしろ、そうではない要素の方が大きい。

というと何かすごい崇高なことをやっているように思わせようとしている気がしてきた。たんに相手に気に入られること。これが政治である。他の会社に頼むよりも、ここに頼んだ方が気持ちがいいな、楽だな、いいな、と思ってもらう。これが政治である。

そのために一番大事なのは、一軍の開発者の我々が圧倒的パフォーマンスを出すことが基本である。いくら口で上手いことを言っても、肝心の開発の質が低ければ、仕事はこない。一軍がベストを尽くすことで、二軍を差し込めるのである。

まともな未経験を育てた方が早い

そんな感じで二軍も開発に差し込め、彼らに加えて、エンジニアはさらに三人増えた。

どこまで拡大できるかわからないが、とりあえずは人数を増やそうと思っている。

未経験者を育てさせてもらってわかったのは、結構すぐにできるようになる、ということである。これだったら気難しいクソオタクの経験者プログラマーを採用するよりも、まともな人間にプログラミングを叩き込んだ方が早いなと思った。

プログラマーのことは尊敬しているが、プログラマー業界に蔓延る、なんというか気持ち悪い雰囲気は好きではない。みんながアニメを見ていると思うなよ!わけのわからないアニメを発表資料に混ぜ込んで笑いを取ろうとするな!!

2022年には人間凶器こと130kg級格闘技のチャンピオンが入社した。

武力の面でもバキバキに社会を脅かしていきたい。

終わり

ということでゲスナーが会社を作ったのは、人の言うことを聞けず、自分がベストだと思える方法で組織を作って金儲けをしたかったから、である。

ということで社会に納得できない人は、会社を作るといい!!

以上です!

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