マガジンのカバー画像

流浪の食微録

51
知られざる美味の探求と出逢いを求めて彷徨う、ロンリー・ミニマリストの食紀行。
運営しているクリエイター

2021年9月の記事一覧

ナポカツスペシャルの舌を巻く破壊力。

ナポカツスペシャルの舌を巻く破壊力。

「めりめろ」

2021年8月21日(土)

最後の力を振り絞るような午後の日差し。

力強いのに、どこか儚く物憂げな光。
時折吹きつける強い風に身を預けた。
それは、どこへでも導いてくれる。
意を介するわけもなく、ただ気まぐれに。

見る見る都心を擦り抜けて導いてゆく。
それは、不意に訪れた緑の園だ。
外からは中を伺うことはできない。
手がかりは、壁一面の大きな看板だった。
さあ、メルヘンチック

もっとみる
大衆天ぷらの多彩、かすぞばの斬新。

大衆天ぷらの多彩、かすぞばの斬新。

2021年8月22日(日)

天候のめまぐるしい変化によって昼食を逸した。

外に出歩くのが面倒な日は水道水で凌ぐこともしばしばだが、
入退院を繰り返した体にはさすがに心細い。
といって、冷蔵庫や食品を購入し、身近に置くことに抵抗感を覚えていた。
おそらく購入したからとて、料理もしなけえば冷蔵庫を使いもしないのは、
性分として分かりきっている。

意を決して外に出た。
横殴りの風は正面からも背後か

もっとみる
レモンサワーが奏でる喧騒、遠い思い出。

レモンサワーが奏でる喧騒、遠い思い出。

「焼肉ホルモンジンギスカン酒場 れもん」

2021年8月25日(水)

寂しげな影を投げかける霧の雨。
鉛色の空から雲の分子が落ちてくる。
悲哀に満ちた目で街を見る。

殺風景な秋の街に濡れた夜。
鮮やかな黄色の灯火が煌めいている。
それは新鮮な顔をした焼肉店だった。
雨がやみつつあるというのに雨宿り。

人が少ないというのに騒々しい。
若者たち、しかも20代であろう。
溢れるばかりの活力と相塗

もっとみる