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ジオパーク・オンライン&ガイド勉強会 #002 南紀熊野GPの報告

この報告レポートは無料で読めます。
オンラインツアーの動画は最下部にあります(有料)。日本ジオツーリズム協会メンバーの方は無料で見られます(※2022年4月以前にご入会の方のみ)。

2021年8月22日
第1部のオンラインツアーを視聴後、それをもとにガイドにとって大切な4つの要素(TORE)について考える、2回目の勉強会を実施しました。それぞれの内容を簡単に報告します。


第1部

「千年前の景色に、そのまま触れられる不思議とは?」という題名のオンラインツアー でした。

日本列島ができた頃の巨大噴火が作った那智の滝や様々な奇岩が、信仰の場となった熊野。1000年前の平安時代には上皇様たちが、熊野詣のためのルートとして熊野川の舟下りを使われていたそうです。今回はジオガイドの福辻さんが、当時を再現したツアーを通して、見られる風景と歴史をリンクさせながら紹介してくれました。

ツアー中はチャットで「30分で滝が10個も見られる」という話で盛りあがりました!
「水の色を何と表現しますか?」という福辻さんの質問には「森の色」「バスクリン」など様々な意見が出ていました。これについては福辻さんが「勾玉のような翡翠(ひすい)色」という美しい表現でまとめてくれ、みんな納得しました!
ドローンで撮った舟のスピードが速いのも話題になり、火祭りの写真や、篠笛の演奏などの素敵な演出にも、大いに盛り上がりました!
「ガイドさんの声がとっても聴きやすいし、笑顔が素敵で、本当に一緒に舟下りしているみたい」「あっという間の素敵な時間でした。」などのコメントに、楽しい舟旅を体験された方が、多かったことが伺えました。


第2部

毎回のツアーを、インタープリテーションにとって大切な4つの要素「Tテーマ(メッセージ)がある、O構成されている、R参加者と関連がある、E楽しめる)」に分けて考え、ガイドにとって大切なことを学び合おう!というのが第2部の勉強会です。
この回から、T(テーマ)についても意見を聞くことにしました。
以下、グループワークで皆さんから出た意見と「まとめ」です。


①テーマ(メッセージ)

熊野の大地のストーリーを
1000年前の風景
タイムマシンのアイデア
熊野の川と歴史

まとめ
この回は、テーマについても話し合う時間を作りましたが、「テーマとは何か?」ということ自体が難しく、出た意見はややバラバラだった気がします。これについては、次回以降の課題になりました。


②構成はどうだったか?

川を下るストーリーで構成されていた。
歴史を軸にジオや地域の特性が入っていた。
地図が掲示されていてわかりやすかった。
時々1000年前に引き戻す工夫があった。(昔の話とリンクしていた)
ボリュームちょうど良い。
場面が飛んだ時の理由づけがややわかりにくい。

まとめ
川舟下りというアクティビティに沿って、全体が組み立てられているので、わかりやすかったようです。ガイドがたくさん削って努力した結果、リハーサル時よりとてもわかりやすくなりました。いっぱい盛り込みすぎず「伝えたいこと」に沿って削る努力、大変だけれど大切なことだと思いました。


③参加者と関連があるか?

専門用語の分量が最低限で良かった。
「皆さんのところはどうですか?」などの問いかけがあった。
ガイドの災害体験の話が、自分の体験と同じだと思った(災害の話をどう捉えて良いかわからなかった、という意見もあった)。
上皇様気分にさせてくれた(上皇様気分になるための工夫がもう少し欲しかった、という意見もあった)。

まとめ
今回も「わからない言葉がない=努力しなくてもわかる」ということや、参加者への問いかけなどで、身を入れて聞いてもらえたと思います。ガイドが2度床上浸水を体験した時の話を最初に聞かせてくれましたが、同じような体験をしている人は、その話を身近に感じ話に聞き入るきっかけにもなるようです。ただ、参加者の体験や知識によって身近感は異なり、すべての人に身近に感じてもらうためには、災害の話や上皇様の話を、全体の流れのどこに位置付けるのかなど、より丁寧な組み立てがいるようでした。


④楽しめる

表情が良い、語り口が良いなどガイドの素の魅力。
ガイド自身が楽しそう、ガイドの熊野愛を感じたなど。
演出、仕掛けが良かった。
篠笛の演奏が良かった。
オーバーアクションが良かった。
タイムマシンのアイデアが良かった(川の音が聞きたかった、動画がもっと欲しかったなどの意見もあり)。

まとめ
圧倒的に多かったのが、ガイドのキャラクターの魅力を、楽しさの理由に挙げる意見でした。楽しさの作り方には様々な方法がありますが、声の抑揚やトーンなどの話し方、笑顔、アクションなどが、より魅力的なガイドをするための大切な要素になることを学びました。篠笛など音を楽しむ工夫も高評価でした。


今回で2回目の勉強会。こうやって4つの要素に分けて考えていくと、ガイドの個性は違うのに、大切なことは同じであると感じます。この先の色々なオンラインツアーを通して、ツアーを楽しみながら自分の糧にしていきたいですね!

日本ジオツーリズム協会メンバーの方は、以下のページで見逃し配信(アーカイブ)が見られます(※2022年4月以前にご入会の方のみ)。

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