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ガイドにとって大切なこと

ガイドにとって大切なことは色々とありますが、一番大切なことは「お客様の目線になって、お客さんに喜んで頂けることを考え続け、実践すること」です。

これはどんな仕事にも共通する当たり前のことではありますが、意外と忘れがちで、実際には難しかったりします。「お客様目線」であったつもりが、どうしても「自分がお客さんだったらこう思う」という自分目線の延長になってしまうことが多いです。人は、自分の経験や知識をもとに物事を見るので、完全にお客様目線になるのは正直難しいです。しかし、そのことを理解した上で、自分とは違う考えや価値観を持っている人がいるかもしれないし、自分と同じようなことを考えるかもしれない。そういうことを想像しながらお客様をしっかりと「観察」することが何よりも大切です。そして、お客様はどういうことを望んでいるのか?そのニーズをしっかりと考え、そのニーズを満たすために全力を尽くす必要があります。

ここでは、お客様目線になって、お客様のニーズを探り、何をするべきかを考える練習として、次の問いについて考えてみてください。

どこに旅行に行きたいですか?
それはなぜですか?

もし、お金も時間もノウハウも、何もかも自由にいくらでも使えて、コロナの影響もなく、どこへでも好きな場所へ行けるとしたら、あなたはどこへ旅行に行きたいですか? 何をしたいですか? それはなぜですか? ちょっと考えてみてください。

これは人によって千差万別でしょう。ある人は、海外へ行き一度は見てみたかったあの有名な場所を訪れてみたいと思うでしょう。ある人は、癒しを求めて温泉やのんびりできる場所へ行きたいかもしれません。ある人は、自分の趣味である歴史や芸術、アウトドアなどの聖地へ。ある人は、おいしいものを食べるために名物が食べられるあの土地へ。ある人は、会いたかったあの人を訪ねるために懐かしい場所へ。ある人は、家族に喜んでもらいたくて旅行に出かけるかもしれません。

お客様のニーズは本当に様々です。しかし、その中でジオパークを楽しみたい、地層を見てみたいと思った人がどれくらいいるでしょうか? これを読んでいるジオパークの関係者ですら「ジオを楽しみたい」を思った人は少ないかもしれません。ジオパーク地域を訪れた人がみんなジオに興味を持っているとは限りません。むしろ少ない。そんな状況の中で、地形や地質の説明ばかりするジオツアーがあっても喜んでもらえないかもしれません。
一方、「○○地域まち歩き」や「○○地域ガイドツアー」というプログラムに参加して、やたら地形・地質の話ばかりされたら、どうでしょう? お客様はきっとウンザリするに違いありません。

では、どうしたら良いのでしょうか?

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