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【腸閉塞からの】備忘録#7 敗血症と2回目の緊急手術

昨夜の40℃を超す発熱は抗生剤やらの点滴により治まってはいたが、まだ解熱はしておらずの4月25日朝。
2度目の流動食からの再度の嘔吐、再挿入のイレウスチューブ予定が控えてあっての、ここで予定していない造影剤を入れてのCT検査をすることになり、検査室に一緒に行くのだと担当医Zが病室にいた。
起き上がるのも立ち上がるのもしんどい上に「今からCT検査室でイレウスチューブを挿れられるんだ・・・・」という恐怖しかなくて、チューブ再挿入の処置が嫌!涙に鼻水吐瀉物に便でお気に入りのブランケットが汚れるのは絶対に嫌!と強く思っていたので、「汚れたら嫌だから、ブランケットは持って行かない」と言って、看護師が準備してくれた車椅子にガタガタ震えながら乗り込み、数枚のタオルを体に掛けてCT検査室へと向かった。
外来開始前の時間なので、看護師に車椅子を押されて裏から検査室に入ると何故か検査技師さんがふたりいて、検査室内に、技師さん2人・担当医・看護師・患者の私がいて、無駄にひとが多いなとひっそり思っていた。
寒くて震え続けてる状態でどうにか検査台に横たわり、造影剤を入れたあと「息を止めて」と言われて息を止めるも頭上に置いた両腕はガタガタと揺れていて(ここでも笑えないコメディ感が半端ない)、造影剤なしありで上腹部と骨盤の2枚、CT撮影が”普通に”無事終わった。
病室に戻って恐怖に駆られていた処置がなかったことに取り敢えず安堵していたら、突然、手術をすると言われた。
(これは、また、緊急手術ってこと・・・・?)
ザラ紙に印刷した資料を持って来た担当医Zに、起き上がって資料をちゃんと見て説明を聞いて同意書にサインをして、と言われた。起き上がるのもしんどいのにどうにか起き上がって資料を眺めたけども、腸の画像はイレウスチューブ挿入前にしか見てないし比較画像もないし熱でぼんやりして頭が回ってない腸閉塞初心者に読ませないでくれ!と思いはしたがその説明内容について思ったどうのこうのはもはや憶えてもおらず、先日の件があったからわざわざ説明してくれたのかそうじゃないのかも確認する気力はなく不明のままとなった。そのあとに麻酔医の説明もあって、こちらも同意書に署名。
自覚している以上に朦朧としていたらしく、いつ着替えたのか自分で着替えたのか着替えさせて貰ったのか手術着を着ている自分にビックリしてたら、追加の同意書があり至急サインをと言われたが起き上がれなくて看護師に代筆をお願いしたりとばたばたした後、手術の開始時刻が13時半だと知らされた。そこから手術迄の数時間は特段やることもなく多少持て余しつつも、気付けばぼんやりしてしまい案外難なく予定時刻が訪れることになった。
手術室には副担当医Fと日勤の看護師NHと一緒に向かい、副担当医Fが「(手術時間は)数時間で夕方には終わってるよ」「僕も手術に入りますよ」と教えてくれて、手術後は看護師NHが迎えに来てくれて今のこの病室に戻って来るのだと聞いて、ああ良かった、と安心したのは言うまでもない。

手術室にはベッドに横たわり運ばれるイメージだったが、歩ける患者は歩いて手術室に行くらしく、歩いて行くのが困難な状態の私は車椅子で手術室へ行くことになった。
2回目の手術。またしても緊急手術。
1回目はどこからかいつからなのか丸っと意識がなく目が醒めたら手術はとうに終わっていて何も憶えていない(担当医がしたらしい術後説明も憶えてない)ので、いわゆる手術室に入るのは人生で初めての体験である。
迎えに来てくれた副担当医Fと看護師NHと手術室の階でエレベーターを降りて、手術室の自動ドアが開いて中に入ると、医師ではない関係者3人と対面。それぞれの紹介を受けて手術室内を移動して、奥の別の場所へ到着。
病室も寒かったけれど、手術室はただただ広くてもっとずっと寒くて。
手術室というのは、いわゆる手術室、といったハコを想像していたのだけれどなんだか思っていたのとは全然違う気がしつつ、ここで手術するの?と思いながら高い位置にある台に横たわった。
戸惑っているのは、またしても、患者である私だけ。
手術着を脱がされて更にぶるぶる震える中、背中を触られて、「痩せすぎだからオイルを塗ります」と言われ、「これくらい痩せてると絶対に塗らないとダメ」とかとか研修的なやりとりが聞こえつつオイルを塗られた。
手術後、仙骨あたりに大きなガーゼをべったり貼られてて「これは何?」と看護師に訊いたらカルテを確認してくれて、これも褥瘡防止の処置だった(1回目の手術時はない)。
まな板の鯛で成すがままの中、術前説明で麻酔医に「前回と違う痛み止めを使えるかもしれない」ということで同意書にサインをしたのを思い出して、頭上の見えないところにいるらしい麻酔医に「カテーテルの痛み止めは使えることになりましたか?今からカテーテルするんですか?」と訊いてみた。すると、「敗血症っぽいから(痛み止めの)カテーテルは出来ないことになりました」と言われた。
(敗血症・・・・?WHAT・・・・?)
疑問符が出てる状態で鼻と口を覆うマスクを装着されて、ゆっくり呼吸をして十分に吸い込むように言われながら、左腕に注射をされた。
この注射が、注射を打たれて痛いと言ったことのないこの私が、痛いと口に出してしまう程に余りに痛くて痛くて、「痛い痛い痛い痛い痛いーっ」と叫んでる内に意識がなくなってしまった。フェードアウト。

目を開けたら手術後で、どうやら手術室から病棟へ向かう途中の様だった。
ぼんやりした視界の中に副担当医Fと看護師NHがいて、ベッドを移動させているらしく、そんな中痛くて痛くて痛みに堪えられない私が「痛いんだけど、ねぇ、痛み止め入れてよ」と言うと、看護師NHに「19時迄は入れられない」と言われた。言われてる内容は理解してるのに「なんで!?痛み止め入れてよ、すごい痛いんだけど」と、病室に戻る迄も戻ってからもしつこく言い続けていた。
1回目の手術の後に何度か入れられた看護師曰く「良く眠れる様に痛み止めと一緒に入れておくね」の眠り薬、あれは絶対に入れないでって絶対言わなきゃ!と思い出して、痛み止めを入れて欲しいと訴える合間に「今回も処方されてたら睡眠薬みたいなのは入れないで!あの薬、私と合わないから!要らないから!」と、全力で拒否を伝えた相手が看護師NHだったのは幸いだったと思う。睡眠導入剤ですら効き過ぎる傾向があるので、この薬の所為で、ところどころ記憶喪失みたいに憶えてないことがあるんじゃないかと思えてならなかったのだ。
痛いんだけどー!と言うと「開腹してるからそりゃあ痛いでしょうね」と返してくれた看護師NHはかなり優秀で、そして、なんやかんやとても優しくもありました。

発熱した日も2回目の手術の日も看護師運が良くて、本当に本当に私はラッキーだったのだろう。そもそも緊急手術になってる時点でって話なのかも。

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