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社会課題解決をボランティアではなく“事業”としてやる理由

「高齢者の認知症」をテーマに扱っているAIベンチャーである弊社、ジョージ・アンド・ショーン(George & Shaun 以下G&S)ですが、今回は「なぜ社会課題解決を事業としてやるのか」について、代表の井上からお話したいと思います。

「なぜ社会課題解決を事業としてやるのか」

結論から言うと、目の前にいる人たちの社会問題を解決するだけならばボランティアやNPOという形でも良いと思います。しかし、社会課題を根本から構造ごと再構築して、その課題自体が発生しないようにするならば、きちんと事業として成り立たせる必要があると考えているからです。

ちなみにここでは、「社会問題」は正に今問題になっていることを、「社会課題」はより規模が大きく社会全体で取り組まないと解決が図れないものと定義してお話します。

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先月、横浜国立大学でアントレプレナーシップの外部講師としてお話をさせていただく機会がありました。過去にも何回か講義をしているのですが、毎度のごとく聞かれるのが、「社会課題の解決って事業になるんですか?」という話と、「なぜお金を取らないといけないんですか?」という質問です。

社会課題の解決は事業になるのか?
なぜお金を取らないといけないのか?

まず、目の前の人たちを手助けするという観点で達成感を得たいなら、ボランティアとかNPOという形でいいと思う。目の前の人たちの課題を解決するって大変だし、すごく意義があるし、ボランティアとかNPOの活動って素晴らしいからそれを否定しているわけではありません。ただ、社会課題の解決というのは社会構造を何がしか変えないと解決しないわけだから、その社会構造を作っている構成要素を根本から変えにいかないとならないのです。

例えば、体が痛いなと思ってマッサージに通っても、そもそも骨が曲がっていたら、そこを治療しないかぎり、いつまで経っても根本的には治らないですよね。それと一緒で、目の前の問題をボランティアとして解決することはできても、それは根本的には社会解決にはならない。

おそらく多くの社会課題というのは、たくさんの事業会社や、加えて事業会社の政治的な理由とかが、折り重なっているというケースが大半で、それを構成している事業会社の人たちにとっての利益も含めて変えにいってあげないと、構造自体が変わらないというケースの方がほとんどだと思います。

ちなみに、僕らの会社G&Sが取り扱っているテーマとしては、“高齢化社会”であったり、認知症、徘徊というテーマであって、もちろんそれに困っている人たちからもお金をもらって、サービスを提供しています。

それに対して、いや困っている人たちなんだから、ボランティアでやってあげなさいよっていう意見があるかもしれないけれど、そもそも利用している人たちも、お金を払ってでも使いたいと思って、お金以上の価値があると思って、サービスを利用してくれているならば、お金をとるということが悪という発想は個人的にはおかしいと思います。

一方で企業としてしなくてはいけないと思うのは、社会的弱者の人たちが利用したいと思っているけれど、それに使うお金に制限があるのであれば、利用する費用をどれだけ下げてあげられるか努力すること。
別にこれはサービスの単価を下げて利益率を下げましょうという話ではなくて、同じ提供単価であってもそのお金をもらう相手をいくつか分配すれば結果的にサービス単価自体を変えずに、ただ利用者の利用ハードルが下がるという構造を作れると思うのです。

具体的に、G&Sが取り扱う社会課題としての一つである、認知症を例にとるならば、その認知症のケアに伴う介護リスクが発生する介護事業者さんや、徘徊を不安に感じるご家族の方、もしくは、認知症ケアに関わる国費というレベルでは国や自治体もその課題に対しての負担を強いられているわけで、ですから解決にはそういった人たち全体で取り組む必要があるわけです。

取り組みたいのは、社会問題? or  社会課題?

改めてここまでのお話を総括させて頂くと、社会課題というのは関係人口が多い、ということです。
それゆえに、課題解決を図るために関わってもらわないといけない人たちみんなにとってのメリットや事業性も考えながら解決策を考える必要がでてきます。要するにたくさん仲間を作って、一緒に解決を図らないといけない、ということです。
そうなると関係者にとっては当然事業性も考えないといけない、そのため、「営業」や「利益」、「コスト削減」という概念も社会課題解決には発生してきます。
結論、周辺の関係者にとっての事業を担保するためには、自社も事業としてそれを進めていないと、仲間の人たちへのフィードバックもすることができない、というのが、社会課題解決を事業としてやっている理由となります。。

なので、今日の話としては、目にいる人たちの社会問題を解決してあげたいと思うのならば、ボランティアとかNPOという形が良いと思うし、社会課題の構造を再構成して、その課題自体が発生しないようにしようとするならば、事業として仲間を作りながら再構築を図る方が良い。

僕は自分自身の家族との体験から、もうこんなことが起きないような、減っていくようなことができたらと思って、それに命を懸けて取り組もうと思ったので、それが発生しないように根本構造から変える必要があると思いました、ですのでG&Sは事業会社としてこの高齢者認知症の社会課題解決に取り組んでいます。

収益モデルについてはまた次回お話します。







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