見出し画像

アニメから学ぶ表現方法

最近「86~エイティシックス~」というアニメの第二シーズンが始まっているので、視聴しているがその時に感じたことが一つある

同じ戦いの構図なのに作品によって印象ががらっと変わっているということである

今回見ていた話は、次の3つのポイントが主人公たちを苦しめている
超長距離射程から攻撃してくる敵
それを守るように大量の敵がいる
砲撃は届かず、ミサイルは精密誘導が出来ない上にかなりの数が迎撃される

これにおける、主人公の行動は次の通りである
「全軍を挙げて陽動を実施」
「防御網が薄くなったところへ、少数精鋭の浸透突撃」
「良くて相打ちの特攻作戦」
シンプルに生きて帰ってこれない作戦が立案されて実行させられるのである

今回のこの構図ですが、そんなに珍しいものではないです「機動戦艦ナデシコ」や「シュバルツェスマーケン(マブラヴ)」でも似たような構図はあります。しかし、3作品を比較しても全く別物の印象を受けます

「機動戦艦ナデシコ」
少しコメディタッチであり、タイムリミットと減っていく資源を仲間と共有し助け合いながら、敵に打ち勝つ少年漫画的な印象

「シュバルツェスマーケン(マブラヴ)」
自信満々な指揮官の鼓舞と盛り上がるBGM、誰一人心が折れず死地に飛び込もうとする気迫。勝ちが確定して安心して見てられる印象

「86~エイティシックス~」
落ち着いたBGM、命令を出す司令部も、命令を受けた直属の上司も、命令を下された自分たちも、その下についている仲間も「作戦に成功したら、多くの仲間は助かるけど、自分たちも死ぬな。そして、失敗しても多くの仲間ごと自分たちも死ぬな」と、視聴者ごと助からないという印象

3作品とも同じような問題に挑む構図なのに印象がまるで違う

何が大きく変えているかそれは「BGM」と「セリフ回し」そして「キャラクターの表情」の3点であると感じている。

【BGM】
ここが明かると、シーン全体の印象が明るくなり、深刻さが緩和される
また、急かされる様な慌ただしいBGMなら緊急性が高く、勇敢で勢いのある曲だと盛り上がり勝利を印象付ける。逆に、無音や物寂しいBGMだと暗い、上手くいかない印象が強くなる

【セリフ回し】
「作戦と関係のないコミカルなセリフ」
⇒脚本家が当てたいスポットが別のところにある感じられる
「自信満々の指揮官が堂々と作戦に挑むセリフ」
⇒これから、多いに盛り上げて勝利を確信させてくれる
「自分たちの生存よりも、犠牲者を減らす方法だけを話し合う」
⇒被害者が出ることがより強く印象付けられる

【キャラクターの表情】
・深刻な中でも笑いがあり軽い印象
・みんなが使命感に燃えており、大丈夫だという印象
・渋く、暗い表情でで重々しい印象

上記のように、BGM・セリフ回し・表情で、残る印象は全然違うものになる当然、これは日常においても印象操作を行う上で有効になってくる。例えば、夕方現場から帰ってきて会社の雰囲気で社長が次のような表情でしゃべっていたらどう印象を受けるだろうか

【ケース①】
「キーボードの操作音や書類をめくる音、打ち合わせの声が聞こえる中」「自信満々な表情」「今期はこのままでは赤字だ。けど、これから頑張れば業績の巻き返しは出来る!」という鼓舞

【ケース②】
「みんなが静かに作業」「暗いな表情」「今期はこのままでは赤字だ。今まで何やっていたんだ」という脅し

【ケース③】
笑い声が聞こえる」「明るい表情」「今期はこのままでは赤字だ」という誰も深刻に感じてない雰囲気

【ケース①】なら、みんな頑張っているし社長もやれると言っている。自分も頑張ろう。【ケース②】では、今期はみんな厳しいと思っていたんだ、社長も怒っているし、黙っていよう。【ケース③】においては、赤字ってまずい話なのになんで空気が軽いの?大丈夫なの?不安になるんだけど・・・

会社で置き換えると、【環境音】【言葉のトーン】【表情】となるでしょうか?同じシチュエーションなのに印象がごろりと変わってきます。

なので、上に立つ人は自分の言動どういうときにどんな風に言うか、言われた側のやる気に関わってくることを計算しないといけないと感じ取りました。

個人的に、シュバルツェスマーケンを見てほしい。特に、前半から中盤にかけてアイリスディーナの指揮リーダーシップを取る良い見本だと思う。
どんなに、絶望的な状況でも「私たちはやってきた」「絶対にやれる」「私についてこい」という強いメッセージを感じ取れる。そして、達成した場面は視聴者すらテンションが上がるというものです。

それだけ、リーダーシップを取る人間は注目されています。注目されているからこそ、表現方法が大切になるのです。だからこそ、学ぶ必要があるのです。

学ぶ媒体は何でもいいと思います。ビジネス書だろうが、社長塾だろうが、コンサルタントの言葉だろうが、映画だろうが、アニメだろうが・・・学び方に貧富はないと思っています。なので、物事にあたるときは何が吸収できるかを考えて挑戦することこそが重要だと感じています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?