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懲戒処分の使い方

先日、懲戒処分になる事例が発生した会社がありました。内容は・・・なんというか、ここには書いちゃいけないレベルの恐ろしく呆れてしまう内容です。この記事を読まれている方は管理職や会社の運営しているトップ層か、そういった人たちにご縁のある方だと思いますが・・・口をそろえて言うことは「なんでそんなことが起きるんだ?普通ありえないだろう・・・」「よほど、経営者も管理職も部下を見ていないだな」「社長を辞められた方がいい」などの酷い内容です。

元々、社内風紀の良い会社ではありません。理由はシンプルで「誰も叱れない」会社なのです。叱れないのは「パワハラが起きなくていいのでは?」と感じると思いますが、「怒るのではなく、叱れない」のです。わかりやすく言えば「悪いことをしても、誰も注意しない」のです。

そんな中に起きた、不祥事・・・正直、起きるべくして起きたので事故とか事件というよりも「必然」だと思っています。

元々、オーナーからは「子会社の様子がおかしいから見てもらいたい」という流れで請け負ったのですが、予想以上で値上げしたかったレベルです(笑)

社長と管理職が親会社からの出向者なのですが、基本的には「自分は悪くない、悪いのはここに送り出した親会社とプロパー社員のせいだ」というスタンスで、部下からも見放されています
当然、そんなスタンスなので「なにもない」ことが出向者にとって一番いいことであり、トラブルなどは対応したくないのです。
① トラブルが起きても解決しようとせず放置
② 言いやすい人だけ叱責して憂さ晴らし
③ トラブルが起きても叱責されない事実が広まる

この①~③がループするのです。

結果、出来上がった風土は「何をしても怒られない」という雰囲気となったのです。

この状態から、「がんばって良くしてね!」と言われた日にはなかなか絶望感があります。しかし、ここで手を引いたらなんのためのアドバイザーか!!と、自信を奮い立たせて挑むのです。

そして、そんな中に冒頭の懲戒処分のトラブルが発生したのです。言葉は非常に悪いですが、私は「チャンスだ!」と感じました。

ここで、びしっと!!「起きたことを解決」して、「本人への反省を促させ」て、「全体に共有」することで緩んだ会社の空気を一掃できるとおもったのです。

さすがに、本人も「悪いことをした」という自覚があったようなので、公表することは可能でした。

が、まさかのまさか出向社長・管理職共に「始末書」の提出だけで終わらせてしまったのです。また、始末書を見ても何がダメだったのか書かれていないインターネットで書かれている内容をまるまる写してきた内容で・・・「始末書を受け取ったからいいだろう」と言ってきたのです(汗)
※この会社は、懲戒処分で始末書の提出を求めるようですが、顛末書程度の意識で提出を命じていました。

後々、オーナーに報告をしたときには怒るを通して呆れていました。

そのうえ、問題行動を起こした人間は「○○さんが怒っているので謝って回っているんです。」泣きながら、怒っている人や最初に不正を見つけた人に謝罪をせずになぜか周りに説明して回っていたそうで・・・せっかく、会社を良くしようと不正を正した人間が逆に顰蹙を買う結果で終わってしまったのです。

先程のここでやるべきことに対して
起きたことを解決
⇒とりあえず、飲みに行きたいから、問題は解決を翌日に見送り
本人への反省を促させ
⇒始末書を書かせるが、具体的に反省をさせず
全体に共有
⇒「私は悪くないんです。」というロビー活動を許した

結果、正義を通そうとした人が会社を去り、その人を慕っていた人も一緒に去り、私も最後の砦だと思っていた人物が去ったため、オーナーに「修復不可能」と診断結果を出して本件から手を引いたのです。

今回、この懲戒処分を発表していれば、大量の人員流失は避けれたと思います。「いいことは良い」「悪いことは悪い」という当たり前のことが出来ない会社はやはり続かないものですね。

「悪いことは悪い」と重箱の隅を楊枝でほじくるようなことをすれば、嫌がられますが、悪いことが明確な場合は「しっかり注意することで、抑止力」になるのです。(なお、最近はパワハラ問題もあるのでやりすぎは注意ですよ?必要以上に罰すると当然訴えられますのでさじ加減にはご注意ください。)

懲戒処分というのは、本来起きてはいけない事項です。しかし、起きてしまったのなら、有効活用すべきです。使いどころを弁えれば、会社を整えるきっかけにできるのです。それを何となくで処理してしまった結果、より組織が悪い方向に動いてしまったのが今回の事例です。起きてしまったことは仕方がないので、どう活かしていくか・・・そこを考えるのが組織の経営者には求められると思います。

(・・・オーナーに早い段階で、社長交代を提案したかったのですが、ほかにも裏事情があったのでそれが出来ないのが今回の辛かったです)

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