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地球科学のオンライン学会を楽しむ

毎日リモートワークで人と会う機会が激減してますね.私は職場の仲良い人たちと定期的にオンラインミーティング(という名のちょっとした近況報告,要は雑談)の時間を作るようにはしているのですが,物足りなさは感じますね.じゃあその分仕事が進んでいるかというと,もにょもにょ.
それはそれとして,5月以降は各種国際学会が始まりますね.始まるんですよ,オンラインで.国際学会と言えば海外出張して現地の食を楽しみつつ学問を深める機会でもあるわけですが,家に居ながらにして色々な学会を楽しめるなら,覗いてみたいと思うわけで.今日は目についた学会についてまとめてみようかなと思います(主に自分用).

EGU General Assembly 2020

https://www.egu2020.eu/

期間:5月4日(月)~8日(金)(公開期間:4月1日~5月31日)
参加費:無料
参加登録:不要(コメントする場合は学会システムCopernicusのアカウントは必要・無料)
主な内容:スライド等のアップロード,期間中のテキストチャットによる意見交換,公開期間中のスライドに対するコメント
関連行事:各種ショートコース,フォトコン,ジオサイエンスゲームナイト

毎年4月or5月にウィーンで行われる国際学会です.3月上旬に,ヨーロッパでのCOVID-19の感染拡大を受けてオンライン開催への移行を決定しました.
口頭・ポスター全ての発表が「掲示(display)」という形式に統一されて,スライド・ポスター・ビデオ等50MB以内のプレゼン素材を学会のシステムにアップロード,公開期間中は誰でもそれを見られるという形式です.
5月4日~8日の期間はEGU2020: Sharing Geoscience Onlineと呼ばれ,この期間はセッションごとに決められた枠で,テキストチャットが開かれます.その時間帯にウェブサイトを覗けば,セッションの関係者と色々リアルタイムでやりとり出来るわけですね.
プレゼン資料の掲示自体は5月いっぱい行われており,期間中はコメントを付けることが出来るため,時差などでセッションのチャットに参加出来なくてもわちゃわちゃ出来る仕組みです.
因みに既に(4月25日現在)プレゼンテーションを上げている方がおられます.見る方は簡単.上記のEGU2020のウェブサイトで,プログラムのリストを開き,興味のあるセッションを探します.発表リストの講演番号の隣に下の図の様な「画面を見てるっぽい人」のアイコンが表示されてれば,プレゼンがアップ済みです.講演タイトルをクリックすると要旨が展開されて,下の方にこのアイコンの大きいのが表示されるので,それをクリックするとファイルがDL開始です.

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因みにEGUのオンライン発表に関しては Creative Commons Attribution 4.0 License (CC BY 4.0) のライセンスで保護・公開されることが学会より明言されています.著者は「© Authors. All rights reserved」などで著作権を明示しておくことを推奨されていますのでその点ご注意を.

Goldschmidt 2020

https://goldschmidt.info/2020/

期間:6月21日(日)~26日(金)(21日はIceBreakerのみ.時差を考慮すると全体講演会・科学セッションは日本では6/23火曜AM5時スタート
参加費:関連学会会員100USD,学生25USD,非会員は+70USDで2年間の地球化学会会員権付与
参加登録:必要
主な内容:パワポ・Keynoteのプレゼン録画mp4ファイルやPDFのアップロード,セッション時間中のテキストチャットによる意見交換,セッションで行われた議論の録音・記録の30日間の公開
関連行事:若手向けセミナー,受賞講演,ワークショップなど

地球科学の合コンことGoldschmidt Conference.地球化学に関する話題を扱う大きな学会で,今年はハワイで開催予定でした.
元々のポスター・口頭の予定は忘れて,全発表にビデオ的なプレゼンを想定しているらしく,PowerpointをMP4ビデオに変換する方式をメインの発表手段として考えているみたいですが,詳細については今(4/25現在)準備中で,発表者に対しては後日改めて詳細の連絡をするみたいです.質疑に関しては各セッション1時間程度ディスカッションタイムが設けられて,セッションで発表した人は参加する事になる,かつ質問はテキストで送られた物を学会のスタッフが中継して発表者に送られるという形になるみたいです.詳細は後日という感じで書かれていますね.
セッションに関しては全体講演会がハワイ10時台(日本は朝5時台),午前セッション(ハワイ11時~15時=日本では翌日の朝6時~10時)と午後セッション(ハワイ18時~22時=日本では翌日の13時~17時)の2枠があります.日本時間だと1日遅れて早朝スタート,マジで注意!! 初日のIcebreakerはやることになってるけど何するんでしょうね.オンライン飲み会?
そして,今なお申し込み可能! 本来の発表申し込みは2月頭に締め切られましたが,今回の変更を受けて5月4日まで発表申し込みを再開・延長しております.ハワイに行くのは諦めていた人,他の学会の予定がぽしゃった人,今がチャンス!!!

JpGU-AGU 2020

http://www.jpgu.org/meeting_j2020/

期間:7月12日(日)~16日(木)
参加費:一般14300円,大学院生7700円,学部以下無料
参加登録:参加費があるので恐らく必要(早期・通常の料金区別が無いので学会当日まで登録可能か?)
主な内容:詳細未発表
関連行事:学生優秀発表賞審査は無いがそれの代替企画があるらしい.その他は不明

毎年幕張メッセで5月末(今年は5/24-28)に行われる日本地球惑星科学連合大会ですが,今年はAGUとの合同開催で大盛り上がり!になるはずっだったのにこんなことに…….5月末の予定を7月中旬にリスケしてオンライン開催予定です.参加費に関しては早期登録の1日券相当の金額が設定されています.
発表形態等については未発表.リスケした分も含めて後ろ倒しで色々調整しているようです.大会本部からの連絡事項に「オンライン大会開催に向け十分に準備を行い,マニュアルも丁寧に整備し,予行演習も行い,参加者の満足度を高める努力を致します」とあるので,もう少ししたら(6月くらい?)色々なインストラクションが出てくるのではないでしょうか.次回連絡は連休前とアナウンスされているので来週(4/27~の週)のどこかですかね.
発表については締め切り済みです.今から後追いで発表することは出来ません.

AOGS 2020

http://www.asiaoceania.org/aogs2020/
因みに,同じような規模の国際学会として知られるAOGS(Asia Oceania Geoscience Society)の2020年大会(韓国で6月28日-7月4日開催予定)はキャンセルになり,オンライン開催はありません.

PACROFI

https://cms.eas.ualberta.ca/pacrofi/home-page/pacrofi-2020/
5月16日~18日にカナダのCalgaryで開催予定だった環太平洋流体・メルト包有物研究会(PACROFI)についてはとりあえず延期発表がされている状態で,それ以上の情報はないです.

とりあえずこんなとこですかね

夏頃までに開催予定の主な国際学会について,オンライン開催の情報を分かる範囲でまとめました.とりあえずGW後半で始まるEGUのオンライン学会は無料で最先端の研究発表を勉強出来るいい機会ですね.あと学部生以下ならJpGU-AGU2020も無料で色々勉強出来るいい機会でしょうね.気が滅入る様なコロナ禍の中ですが,活かせる物は活かして行きたいものですね.
3つ比較してみると,EGUは一番直近で開催だったのでなるべくトラブルが少ない形態でやって,かつ参加費も無料にして「とにかくやる」姿勢が強く見えてる一方で,リスケした上で参加費も他学会と比べて割と良いお値段とる某国内学会……とかなるのは許されますかね.幕張メッセのキャンセル料を考えると仕方ないのかしらん.
国内の中小規模学会に関しては,9月開催が多いので現在偉い人が議論をしている真っ最中なのだと思います.自分の所属している学会のことを考えても,オンラインでやるキャパがあるのかというと……うーん,疑問? どうなるんでしょうね.連絡事項には注意を払っておきたい物ですね.

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