選挙なんてみんな見てるとこ違ってええやん

オタクなので明日の参院選に関して注目しているポイントは自民党比例候補山田太郎氏の去就である。

山田太郎とは

ドカベンのあの人のことではない。山田太郎氏というとオタク界隈では超有名人なわけだが、何者なのかという点はまあWikipediaあたりを見てくださればいいかなと思う(公式ページでも可)。政党遍歴が結構ごちゃっとしていて、2010年にみんなの党から初出馬→落選(後に党内から衆院選絡みの辞職が出て繰り上げ当選)→みんな解散後は新会派「日本を元気にする会」を結成→2016年元気を離党しておおさか維新へ移籍→2016年参院選では候補者としての擁立戦略で折り合わず維新を離党(実際は除名処分)→新党改革から比例出馬し29万票を獲得するも党自体が議席を獲得出来ず落選→2019年3月自民党から比例候補として出馬することに。というような感じでここ9年で5つの党を渡り歩いていたりする。
政治家として有名な理由は彼の行っている表現規制に対する活動である。「表現の自由を守る会」を結成しており、落選中で自身は議員では無いものの国会議員との連携を行って表現の自由を守る活動をしてくれている。コミックマーケットの時に海浜幕張駅前で毎回演説してる。わかりやすく言ってしまえばオタクの味方。あとあまり有名じゃ無いけどスギ花粉症対策の活動もしてる。
因みに今回落選すると政治家引退という背水の陣で臨んでおり、居なくなられるととても困る。

自民党からの出馬について

まあぶっちゃけ色々言われてるのはこの点であって、野党系支持者の方はかなり難色を示している……程度で済むならいいのだけれども、山田太郎支持者に対してやたらめったら攻撃的になっている方もちらほら見られるのがなんとも悩ましい。実際自民党は全体としては表現規制派の嫌いがあるため、そこから反規制で活動する山田太郎氏が出馬するというのははっきり言って驚きだった。ここでオタク票を取り込みに行くという清濁併せのむ判断が出来るから自民党は与党なのだろうなあとも感じる。じゃあ山田太郎氏への投票行動を取りやめるかというと、知名度的な面も含めて今回の参院選候補者の中で最も信頼出来る反規制候補であるわけで、むしろ自民党に中からストップをかける意味で自民党に送り込むくらいの心持ちで行きたいと思う。勿論ここは多くの考え方があり得るポイントであり、やはり自民党は支持出来ないという人が居ても良いと思う。
「例え山田太郎を自民で当選させても自民の中では何も出来ない」というような声もある。まあ言いたいことは分かる。当選させてそうなったなら、まあきっと僕は彼に対して失望するだろうとは思う。次は別の候補に投票することになるだろう。でもそれだけなのである。ぶっちゃけ山田太郎氏が落選することのデメリットは結構あるのだけれど、山田太郎氏が自民党議員として当選した際には、①反規制派議員としてきちんと仕事を果たす(プラス) か ②自民に取り込まれちゃって骨抜きにされる(つまり現状の自民多数派の参院と特に状況変わらない) のいずれかで、ぶっちゃけ悪くて現状と大差ないゼロで、うまくすればプラスなのである。特に損する局面で無い以上、裏切られたらその時はその時ってノリで山田太郎氏に託してしまえばいいかなと思ってしまう。いかがだろうか。因みに山田太郎氏の29万票が自民に行ったとして前回の参院選の結果を再計算したとしても議席数は変わらないというざっくりとした計算も出ています。ぶっちゃけ1人の候補で政党間の議席配分みたいな大局が変わる話では無いんですが、将来見据えた話としてここの票田をとりに(orお試しに)行くという姿勢なんでしょうね。

社会的弱者の人権を天秤に乗せられるかの勝負ともいえる

山田太郎候補は前回の参院選で色々あって特定の政党の支援ほぼ無しで29万票を獲得している。まあこれが自民という山を動かした理由になっているのは疑いなかろう。しかし前回は落選しているのである。今回の選挙で山田太郎氏を当選せしめるだけでなく、より多くの票を獲得せしめ、そこでようやくオタクが政治的に勘案すべき集団であるということを示せるのである。オタクは社会的に被差別対象だし、なにかと事件があれば漫画やアニメの所為にされるし、有り体に言って社会的弱者以外の何物でも無い。そこが票田になるかどうか、試されている。
一定の票数が安定的に動く集団として、自分たちの意見の代弁者を送り込んでくる。政治において自分たちの集団を守る方法として最もシンプルな方法であると言える。山田太郎氏は今回序盤から「53万票」というのを目標に掲げていた。まあ53万っていうと「私の戦闘力は」の人を思い浮かべるわけだが、前回の29万票に自民党という大政党の支援を考えると無理とも言い切れないラインだ。それくらいの得票を背負っての当選ともなれば党内でもある程度発言力を持てるのではなかろうか。
勿論自民党を支持出来ないからということで、立憲民主の川田龍平氏や石川大我氏へ投票するという流れもあるのだろうし、それはそれでアリなのだろうけれども、わかりやすく可視化されて票の集中を行う上で格好の条件が揃っているのはなんといっても山田太郎氏だろう。投票が集中してインパクトのある当選をすれば、それは今後の政治に必ず効いてくる。
ここが正念場だろうと思う。インターネットを活用した選挙活動、オタクの投票行動、従来なかった流れが生まれつつあるこの令話元年という新時代の選挙一発目で、我々の人権を天秤に乗せられるかどうか、それが問われているのだと思う。

全ては明日

全ては明日だ。かくいう私も期日前投票はしていない。
因みに参議院選挙の比例代表は非拘束名簿方式で行われる。政党全体の得票数で各政党がとれる議席数が決まり、党内の得票数順位で上から議席が配られるという仕組みだ(因みに得票数に関係なく優先的に議席を割り振る「特定枠」が各党2名まである)。なので、比例代表の方は「自民党」ではなく「山田太郎」と書いて投票しないと山田太郎氏の後押しにはならないので注意が必要だ。因みに「山田」だけでも「太郎」だけでも重複する候補が居るから0.5票分ずつとかでしかカウントされない。自分の推しメンを推す時はきちんと個人名で推そう。ここばかりは箱推し不可だ。

「国政選挙やぞ? 国のことを考えろや」と言われるかもしれないけれど、国のことをいちオタクとして考えた結果表現規制を投票基準にするというだけの話である。出来るかどうかも分からない聞き心地の良いことを声高に叫ぶような政党もあるし、選挙の焦点なんて我々有権者一人一人で違って当たり前なのだ。仮に自分より立場の弱い人に焦点を当てた政策を叫ぶ人間が居たとして、その人を助ける投票をするか、自分を助ける投票をするかは、私の自由だ。私はオタクであり社会的な弱者であるので、自分を助けることになると信じて投票をするつもりだ。


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