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JpGU-AGU2020:Virtual 完全に理解した


7/10 ポータルサイトオープンに伴って各所更新しました.
7/12 初日の阿鼻叫喚を経てDFSの有志まとめ等について加筆しました
iPoster上でのチャットの使い方やSlack活用など議論方法に関する記事はこちら

地球惑星科学連合.大仰な名前だけど別に白い悪魔を要して公国と戦争したりとかそういうことは無い,ただの地球惑星科学系学会の集合体としての団体です.その年会が,毎年5月末に幕張メッセで行われていまして,ナノスケールの鉱物学から宇宙規模の話まで,様々な分野の研究者が一堂に会する賑やかなイベントです.今年はコロナ禍でなかったけど.その地球惑星科学連合(略称JpGU)の年会,通称「連合大会」が,来週からオンライン学会として開催されます.今年はコロナ禍のため春先から各所でオンライン学会が開催されていますが,なにぶんどこも初めてのことで,色々な試みをやったりやらなかったり,手探りで少しでも充実した学会を実施しようと必死なわけです.事務局内部の方やセッション世話人など中心部に近いところにおられる方にはほとほと頭が下がる思いですね.

本記事は,自分用の備忘録も兼ねて今年の連合大会 JpGU-AGU 2020 Virtualでは何があるのか,どこを見れば面白そうか,をまとめておくものです.なお,記事内容は公開情報を私の理解の範囲で整理しているものであるため,間違いがあっても責任は取れません.
JpGUが公式にFAQのスプレッドシートを公開しているのでそっちも見ましょう.
週末からいよいよ本番というタイミングで各所の様子を見ている限りぐだぐだになることは容易に予想されるので,各自自衛と最大限利益を引き出すための努力をしつつ学会を楽しみたいですね.

学会の全体像

今年の連合大会はアメリカ地球物理学連合(American Geophysical Union, AGU)との共催大会になっていて,元々国際学会として運営している連合大会の中でも特に国際色が強い年となるはずでした.それはさておき,バーチャル大会のウェブサイトを見てみると,色々な情報が手に入ります.例えば予稿が公開されたとか.とりあえず,大事なのは下記の「ポータルサイト」へ行こう,ということです.
さて,今回の学会では一体どんなイベント(?)があるのかを整理してみたいと思います.

レギュラーセッション iPoster形式で実施,zoomでDFSを実施
企業展示等 iPoster形式で実施
一般向けセッション zoomでの口頭セッション(+iPoster)
スペシャルレクチャーなど zoomで実施,詳細はリンク先

学会ポータルサイトについて

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始めにポータルサイトについて理解をしておきましょう.7月10日にJpGU-AGU2020のポータルサイトが公開されました(アスペクト比狂ってない?).ポータルサイトにJpGUのIDとPWでログインしなければ,iPosterギャラリーやDFSのzoomミーティングなど各種バーチャル学会の「実際の会場」へのアクセスできません.学会当日,ポスター見るにもDFS見るにもとりあえずここに来ましょう.
因みにポータルサイトへのログインは1箇所からしかできないっぽいので,別のPCやブラウザからログインすると元々ログインしていた方は自動でログアウトされます.
原因不明なんですがChromeでログインするといきなりzoomの一覧に飛ばされて上記のメニューが出ない時があります.そういうときは一度ログアウトして再ログインすれば大丈夫っぽいです.またはURL末尾の「mypage」を「portal_menu」に変えるのでも可.

レギュラーセッション【iPoster制作者編】

7月12日現在,iPosterギャラリーは動いていますが,作成済みiPosterのデータが消えているケースは引き続き起きているようです.aMuze!に直接問い合わせて復旧させるのが丸いらしいです(リンク先参照).iPosterのURLについてはリダイレクト設定が適切に修正されたので今は新旧アドレスどっちも繋がります.あと,iPosterギャラリーでサムネイルがログイン画面になっている人が居るんですけど,ポスターの中身は普通に見られます
発表は基本的にaMuze!が提供するiPosterという形式で行われます.iPosterというのは,テンプレートの決まったホームページのようなもので,画像とテキストを貼り込めるのは当然として,youtubeなどにUPした動画の埋め込みなども出来るツールです.丁寧に作り込めば,インタラクティブなウェブサイトのような形で非常に見応えのある発表ポスターを作ることが出来るのかな,と思います.下記は私のiPoster

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更にiPosterにはチャット機能もついており,発表者がチャットを開けている間は見に来た人はリアルタイムでチャット議論が出来る様になっています.でも発表者がチャットを開けている間しか書き込み出来ないので,発表者野方は個人コアタイムを設定して質疑受付をすることが求められているのですね.また,個人コアタイム以外の時間に質問をしたければiPosterの機能を使ってメールを送ってね,ということのようです.チャットのコアタイム設定は日本時間にはならないから中欧時間でやってね!!! だそうです.マジかよ…….因みにチャットはそもそも不使用に設定することも出来ます.

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因みにiPosterはURLを貼れば連合大会参加者以外でも見ることが出来るんですが,発表者以外が許可無くSNS等にURLを貼ることは禁止だそうです(本人はOK).取り扱いポリシーに「ポスターセッション参加に伴ってポスター閲覧時にダウンロードされたポスター紙面や動画,音声その他の発表資料類は,個人的な保存保有をさまたげない.ただし著者の許可なく,これを他の参加者や非参加者に開示・配布してはならない.」とあることによるらしいのですけど,iPosterを見られるURLがこの規約に縛られるのは割と謎です.JpGU中の人の関係者によると一旦SNS等にURLを公開することは,第三者へのURLの再配布等の許可と見做されるそうなので,SNSに公開されているiPosterはガンガン拡散してってOKってことですね.

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個人的に,iPosterとどう付き合うかを考えたのですが,チャットのコアタイムは正直面倒では? という感じが…….Goldschmidtでは各プレゼンの所に「いつでも書き込める」Q&Aコーナーがあったので,質問者も発表者もかなり気楽に質疑が出来たのですが,今回はそれがない.メールでも良いんですが,第三者も見られる形での質疑が学会の華かなとも思うので今ひとつピンとこないです.そこで,私は自分のポスター用にslackを立てました.期間中そこに書き込まれたことに対してはなるべく反応します,という感じで.Slack議論に興味がある方はご自由にご参加ください.またこのSlackワークスペース内に自分のiPoster用のチャンネルを立ててくださっても構わないです.

レギュラーセッション【iPoster閲覧者編】

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ポータルサイトからiPoster Gelleryに入ると,publishされているiPosterを見ることが出来ます.とは言っても全部一気に出されても……てなりますよね.そこで一応検索機能が用意されています.検索に使えるのは 

①発表者(共著者名はダメ.発表者が第一著者以外の場合は発表者としてエントリーされている人
②タイトル 
③セッション番号(ハイフン無し.S-MP38なら「SMP38」,パブリックセッションやユニオンセッションなら「U01」など)

特に③のセッション番号で検索するのが,セッションごとに見ていく方法になるのかなと思います(上の画像は変成岩セッションに絞ったモノ).
因みにこのウェブサイト,めちゃくちゃ重いので,学会当日まともに機能する可能性は未知数(初日午後は落ちた).余裕があるときに見ておいた方が良さそうですね!
あとLOADINGから先に進まない時は遠慮無くF5を押した方が良いと思います.ほんとよくわかんない理由で無限にロードし続けるときがあるので.

因みに,ポータルサイトが落ちた時の為にiPosterギャラリーだけブックマークしておこうかなって思ったんですけど,iPosterのギャラリーに入る為にはポータルサイトにログイン済みかどうかを参照されてます.ポータル未ログイン状態でアクセス仕様とすると下のように弾かれますのでご注意を.

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レギュラーセッション【DFS編】

DFSとは各セッションに対して45分ないし90分,zoomのミーティングを割り当てて,顔をつきあわせた議論等を行える場です.何をやるかはセッション毎に自由裁量なのですが,聞いた範囲だと下記の様な予定が組まれているとか(地殻-マントル以外はコンビーナからの連絡欄を使用して告知アリ)

有志の方(Twitterの@KanoYasuyukiさん)が,宣伝のある範囲(?)のDFSの情報まとめを作成してくださっています!!!
https://docs.google.com/document/d/1h2qjoGbQPds7Xa1KJXulmEsT0tCE2yf2dpeuax24alQ/edit?usp=sharing

S-MP38 変形岩と変成岩セッションでは希望者が3分程度発表の概要説明(+質疑?)をするフラッシュトーク(木曜9時~)
M-GI39 データ駆動地球惑星科学セッションでは招待講演者3名の20分ずつの講演+希望者のフラッシュトーク(月曜9時~,詳細はリンク先)
S-CG64 地殻-マントルコネクションズセッションは希望者のフラッシュトーク(火曜10:45~)
S-CG56 ICDPオマーン掘削プロジェクトセッションは3件の口頭講演(15分ずつ)+フラッシュトーク(水曜9時~)
M-IS11 地球掘削科学セッションは25分×3の基調講演(日曜9時~,詳細はJ-DESCウェブサイトにて
A-CG59 海洋-大気間生物地球化学セッションではDFSでフラッシュトーク(月曜9時~),更に午後に独自にzoomで口頭発表セッションを1時間半実施

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DFSや口頭発表に参加する際には,JpGUの大会ポータルサイトのZoom Liveにいきましょう.今やってるzoomセッションが一覧になっています.会場は基本的に15分前開場で,開始直前はポータルが落ちるのが常態化してるので,聞きたいセッションについてはあらかじめ一覧を開いて置いて15分前からなるべく早めに入った方が安全ですね.Goldschmidt 2020ではポータルサイトが落ちてウェビナーに入れないという事があったので,.Goldschmidt 2020ではポータルサイトが落ちてウェビナーに入れないという事があったので,かもしれません.初日は9時に落ちました.2日目は9時と10:45に落ちました.

また,今回最大の問題点なのですが,このzoomセッション,zoomのアプリは使わない.ポータルサイトにログインした人しか参加出来ないようにする為に,ログイン情報をブラウザ内で管理してブラウザ版のZoom Webクライアントで実行するようです.注意事項にGoogle Chromeを使えと書かれているのもどうやらこの為らしい? iPadで参加するとか考えてる人,基本的に死にます.今からでも遅くないので普通にミーティングIDとPWを配る方式に変えて欲しい.学会期間中にCh.28は常時練習用に開いてるらしいので,気になる人は試してみてもいいでしょうね.だけどCh.28は常に開いているからzoomのウェブ版に余計なキャッシュが貯め込まれて画面共有出来なくなるエラーが起きたりもする.頑張っても画面共有失敗するときはAdminに再立ち上げを要求しましょう.君は悪くない.

因みにzoomの公式案内を見てみましょう.Chrome以外で繋げたとき,機能制限がかかります.オーディオ参加の所に注意がついていますが,これは多分大丈夫.ただ,Safariの人は画面共有が出来ません!! IEの人は家に帰って歯を磨いて寝ましょう.

それから主に座長向けなんですけど,WEB版zoomでは他人の挙手等のリアクションが見えないようです.座長として挙手を使うつもりだった方は要注意.→見づらいだけで画面を右にスクロールしたら出てるそうですそれと,DFSの注意と言うよりはzoomの使用上の注意の話なのですが,学会としてはzoomに参加する際に,名前表記を英文表記で「名前(所属)」とすることを要請しています(Taro Rengo (JpGU)のような感じ).WEB版zoomでは,参加者タブから自分の名前にマウスを合わせると名前の変更が出来るようになっています.授業やセミナーと違って様々な所属機関の方が参加されるので,所属機関の表記は忘れない様にしたいですね.それから,聴衆参加はマイクとビデオはオフ.これも忘れない様にしたいですね.

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企業展示等

企業の方の展示等もiPosterで行われるそうです.
プログラムとしてどう表示されるのか,或いは7/8から公開されるギャラリー上で適当に見ていくことになるのか.詳細は不明ですので,蓋を開けてのお楽しみですかね.

一般向けセッションなど

口頭発表はないんでしょ?と油断してたら,そんなことはなかったというお話.
日曜日の教育系セッションやジオパークセッション,社会的関心が高い「新型コロナ状況下におけるダイバーシティ」セッションなどは,普通に口頭発表のセッションが組まれているので,興味がある方は覗きに行きましょう.
口頭発表セッションも他のDFSと同様zoomミーティングでやるようです.

大会までに何をやっておけばいい?

発表者:iPosterのギャラリーが開場しましたけど,iPosterは仕上げましt? 消えた人は急いで作り直しましょう.また,チャットの設定なんかを行いつつどうやって議論するのが良いかを考えておくのがよさそうです.因みにiPosterは大会期間中いつでも修正出来ます.いつまで閲覧可能かは不明.
DFSでフラッシュトークをやるセッションの人は3分程度の発表はきっちり練習しておきましょう.フラッシュトークでだらだら時間延長するのは死ぬほどダサいパブリックエネミー.

世話人:DFSで何をやるのかをセッションの「コンビーナからの連絡」欄に書いておいて貰えると,発表者以外でも情報を集められるので助かります!!!!(切実)

聴衆:予稿公開サイトに行って,アカウント登録をしたうえで気になる予稿をチェック,そして7/9木曜日からはiPosterも閲覧可能になるので気になるポスターをチェックしてコアタイム等に備えるのがベストだと思います.発表無しで聴講だけというケースでも参加登録はしないとDFSのzoomセッションやiPosterのギャラリーへ入れないので,納税しましょう.

学部生:学部生は無料なのがJpGUの最大の利点.今からでも遅くないのでJpGUに準会員として入会して,興味があるとこをつまみ食いするのが良いと思います.今年は旅費もかからないから参加したいけど来年以降現地行くかわからない,と言う人は終了後にサクッと退会しておけば修士に進学して年会費を払うこともなくなります.必要になったらまた入会すればOKです.

リンクのまとめ

公式サイトの整備が追いついていない気がするので,参照すると便利なURLをまとめておきます.
最後に一言.あらゆる面でぐだぐだになりつつある現状,正直「もーちょっとなんとかならなかったのか」と思わずには居られません.

Kano YasuyukiさんのDFS情報まとめ
JpGU-AGU 2020 ポータルサイト ←NEW!!!
confitのプログラム・予稿
iPosterの編集サイト
FAQスプレッドシート
セッションコンビーナからの情報検索ページ
発表情報の取り扱いポリシー
JpGU-AGU2020:VIrtualウェブサイト(ポータルサイトでは無い)
学会が出してるDFSの利用ガイドライン
有志Slack

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