見出し画像

FC東京編⑥(2016年~2017年)

はじめに

2004年にFC東京を観戦しはじめてから
今までの印象的だった試合をいくつか振り返りながら
備忘録的な記事を書こうと思っています。
そのため、戦術などより、感想・イメージを多く書きますので、主観的な視点になることをご容赦ください。
今回は2016年から2017年まで振り返ります

2016年(城福浩→篠田善之)

J1 1st 9位(6勝5分6敗)
J1 2nd 9位(9勝2分6敗)
総合J1 9位
ルヴァンカップ:ベスト4 天皇杯:ベスト8 ACL2016:ベスト16
主な移籍・加入
IN 室屋、ハ・デソン、柳、ユ・インス、阿部拓馬、秋元、水沼、駒野(途中)ムリキ
OUT 権田、太田、三田、カニーニ、奈良、ブラダ、松田陸(途中)ハ・デソン、サンダサ、駒野

PICKUP MATCH

AFCチャンピオンズリーグ2016 ラウンド16 第1戦
VS上海上港 @東京スタジアム
2-1
得点
(東京)水沼、水沼
(上海)ウー・レイ

2016年、フィッカデンティ監督と別れを告げ、迎え入れたのは城福監督
2009年のナビスコカップをとったことを始め、ムービングフットボールはサポーターの心に残り続け、どこか再び指揮をとってくれることを想っているような空気感がありました。
あと1点を取り切れない昨年の流れの中での主体的なポゼッションサッカーを求めている節が多分にありました。

前年4位という成績を収め、ACLのプレーオフ出場を決めたチームは
権田、太田の抜けた穴を秋元と駒野の加入でしっかりカバーしつつも
韓国の実力者であるハ・デソン、阿部拓馬、そして城福監督秘蔵っ子でもある水沼を迎え入れ選手層に厚みを加えました。
プレーオフではタイのチョンブリFCを9-0という大差で下し、幸先よく本戦へと駒を進めました。

全北には2試合敗北するも、ベスト16に進出。
エウケソン、ウー・レイ、ダリオ・コンカといった強烈な選手を擁した
上海上港を相手に前回を越える戦いを挑みました。
ホーム東京スタジアムで迎えた1stレグ
試合は水沼のFKで先制。
ウー・レイに押し込まれて同点に追いかれるも、
徳永の左からのクロスにまたも水沼が合わせて決勝点。
見事な勝利を収めました。

この試合の一番印象的だったことは
「スタンドの雰囲気」でした。
火曜日のナイトゲーム、観客は9,052人(FC東京HPより)
決して人数も多くはないなかでしたが
チャントを歌っていても、
熱気というか、絶対勝たせるという迫力が凄まじく
まさにゴール裏が選手を後押ししているという感覚を一番感じられたのがこのゲームでした。

当時のツイートを引っ張り出してもこのリアクション。
今でもこの試合を越えるようなゴール裏には出会えていないこと少し寂しくもあり、反省することもあり、複雑な気持ちです。

結局2ndレグで力負けしてしまいますが、ACLは特別なのだと改めて感じました。。


J1 2nd 第6節
VSアルビレックス新潟 @デンカビックスワンスタジアム
0-1
得点
(東京)東

ACLでは熱気のある戦いは見せつつも、
プレーオフのある2月には公式戦を行えるようなコンディションに整えなければならないという状況が大きく尾を引き
リーグ戦ではなかなか結果がでない。負け方もかなり印象の悪いものが続きました。
福岡戦の敗戦後の城福監督の「受け入れがたい」というフレーズにも苦しさが現れていました。
そして7/23の川崎戦に敗戦。3連敗となったところで城福監督は解任。
篠田コーチが昇格し監督を務めることなりました。

篠田監督の初戦。Awayでの新潟戦となりました。
夏の熱いコンディションの中でなんとかもぎ取った東の得点を守り切り勝利。
スタジアムに行っていた私は、久しぶりの勝利の嬉しさ、ホッとした安堵さ、そしてサポーターの待つゴール裏にまで挨拶をしにきた篠田監督の熱さと、様々な思いを感じることができました

当時のツイートを振り返ってみても、悲壮感が現れています。

よき兄貴分となり、様々なやるべきことを整理した篠田東京は
シーズン後半戦は持ち直し
采配した12試合を8勝2分2敗という好成績で乗り越えました。

2017年(篠田善之→安間貴義)

J1 13位(10勝10分14敗)
ルヴァンカップ:ベスト8 天皇杯:2回戦敗退 
主な移籍・加入
IN 大久保択生、太田、髙萩、大久保嘉人、永井、内田、岡崎、林彰洋、波多野(途中)ピーター・ウタカ、チャン・ヒョンス、平川、久保
OUT ムリキ、榎本、林容平、水沼(途中)ネイサン・バーンズ、河野、中島翔哉、阿部拓馬

PICKUP MATCH

J1 第4節
VS川崎フロンターレ @味の素スタジアム
3-0
得点
(東京)OG、ピーター・ウタカ、大久保

2017年は昨年の勢いをそのままに篠田監督が続投となりました。
悲願のリーグ優勝に向けて、
オランダから太田の復帰をはじめ
韓国でも経験を積みボランチの能力も高めた髙萩
大久保嘉人、永井、そして早い時期からピーター・ウタカをレンタルで獲得し、
ユース世代で大きな結果を残したアカデミーからも内田、岡崎、波多野が昇格。
林彰洋、大久保拓生も含めて実力派が集結。
特にFWは前田、ウタカ、大久保と得点王経験者が3人揃う布陣となりました。

その中で迎えたシーズン
第3節ガンバ大阪戦では完敗。
大久保嘉人がユニホームを蹴って物議をかもすなど、
影を落としながら迎えたのがこの試合でした。
得点王大久保が古巣川崎と対峙する特殊な雰囲気のクラシコとなりました。

ただこの試合の印象は内容ではなく
完全プライベートについて。
実はこの試合は初めて試合途中でスタジアムを後にしました。
というのも、家に残った家族から
「父親が救急車で運ばれた」という一報が入ったから
急いで帰路につきました。
前の「FC東京編①」でも書いた通り
父親がチケットをとってくれたところから始まった東京サポーターへの道
共に付き添うように父親もスタジアムに足を運ぶようになりました。
しかし連日の激務。しかし東京への熱量は高まり貴重な休みはホームにもアウェイにも飛び回る日々。
内心「なんとか定年まで持ちこたえてくれ」と願うしかなかったのが実情でした。
どこにでも飛び回るのに、クラシコの大一番を観にこないという違和感は最悪な形で的中してしまいました。

急いで病院へ向かうと
心臓にちょっと異常があったとのこと
普通に会話もして私たちは家に帰りました。
しかし夜に事態は急変。
そこから数ヶ月の闘病はあったものの、本人は病院をでることすらありませんでした。

願っていたリーグ優勝を見ることを父親は果たせなかった。
その願いを私は背負い2人分の優勝を見るのが新しい夢になりました。

この試合は前半は猛烈に攻め立てられるところから始まりました。
そして得点が入る前に後にするという1番しんどいところだけ見ることとなりました…。

J1 第34節
VSガンバ大阪 @味の素スタジアム
0-0

篠田東京は思うように結果を残すことはできませんでした。
中島翔哉と大久保の連携が不安定であったり
永井が自身の勝負したい最前線ではなくサイドで働いていたりと
チームとしてまとまりをつけることはできなかったように思います。
篠田監督の兄貴肌は昨年のように失った自信や
熱量を高めるには最適でしたが、
この年のように実力者が多数揃い
(というよりもかなりダブつき)ながらの
戦術の整理や最適解を探しつつ、各選手の落としどころを見つけるのは難しかったかもしれません。

戦術に信念がある安間監督に交代しても
結果は変わりませんでした。
チームとしての求心力、熱量が下がり、戦術の整理もままならなかったのかもしれません。

私自身、この年は郊外へ転勤、寮生活をしながら
先述したとおり父親の病院と行き来
その後も実家の整理と
やはりサポーターである母親と共に、このシーズンはほぼ観戦に行くことは叶いませんでした。
私も心身のバランスを崩しさまざまな不調をきたしていました。

なので、このシーズンのつまづきの本当のところは分からないのが現実です。
いまでもこの2017年は何も残らなかった1年だったと思っています。
というより何の記憶も残っていないのが本当のところです。

そんな中でこの試合を選んだ理由は
石川直宏と徳永悠平という2人の素晴らしい功労者のラストゲームであったから

石川直宏は私が好きになった04年にはすでに人気選手
つねに攻撃を引っ張ってくれました。
大怪我も経ながら、09年の大活躍。その後も何度も怪我と戦いました。
2017シーズンはやはり怪我と向き合いながら
この試合の直前駒沢で行われたJ3の試合に出場。
そこから最終節のスタメンを勝ち取りました。
結果こそ0-0でしたが最後の勇姿を味の素スタジアムで見せられたのは大きいと思います。
サイドを駆け上がるスピードが魅力のウイングの石川
絶妙なタイミングで抜け出しワンタッチ、一振りでゴールを陥れるセカンドストライカーとしての石川
どちらもよい思い出です。
今後ともCCとしてお世話になるでしょう。

徳永も03年の初出場から
東京への正式な入団を経て、常にピッチに立ち続けた鉄人。
本職右SBだけでなく、左SB、サイドハーフ、ボランチと言われた場所で黙々と自らの仕事をやりきる職人でもありました。
守備の安定感は抜群。ロンドン五輪でもOAで活躍しました。
このシーズンは退団した羽生の「22」を背負い
「2」を後任の室屋成に渡します。
最後まで熱い気持ちをみせて
彼は故郷長崎へと移籍をしました。

少し東京の昔話というよりは
自分の昔話になってしまいましたが、今週だけはお許しを
それでは!また来週。