廣瀨涼「タイパの経済学」幻冬舎新書,2023.9
著者はZ世代の消費を研究してきた廣瀨涼さん。
本書からお手軽な「タイパの定義」が得られるわけではない。様々な社会論・消費論を背景に「タイパ」とは何かを論じている書である。広くタイパの背景を考えるのに役立つと感じた。
著者オリジナルと思われる主張としては次の事が書かれていた。
「タイパの目的は、消費者が希望する状態になること」
例えば、「痩せた状態になる事」が目的で、そこに到る道のり(サプリやジムなど)は問わず、手軽で短時間であることをタイパが良いとする。他にも「ある領域でオタクと目される状態になる事」などもあげられるだろう(Z世代のオタクはその前の世代のオタクとは異なるとは著者の弁)。
その他、著者が引用している書籍・研究社を列挙しておく。これらにも興味が持てる。SNSやファスト映画など時事的な情報も消費論ならではだ。
ぜひ、著者の出世作である「あの新入社員はなぜ歓迎会に来ない?」も読んでみたい。Z世代を知る上で重要な一冊。
引用されていた書籍や研究社
Z世代とは?
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