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#1 発表!「減塩」したい人が注意すべき食品、ベスト20

心疾患、脳卒中、腎結石、骨粗しょう症、胃がん……重大な病気を招く原因にもなる「塩分」。世界で推奨されている1日あたりの塩分量が5グラムなのに対し、日本の平均的なビジネスパーソンは、ゆうに15グラムを超えるそうです。東京慈恵会医科大学附属病院栄養部の監修による『はじめての減塩』は、美味しく、簡単に塩分を減らすための知恵と工夫が満載の一冊。その中から、ぜひ覚えておきたい基礎知識をいくつかご紹介します。

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1位はあの「国民食」

調味料の次に、減塩のために気をつけたい加工食品について解説しましょう。

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平成24年の国民健康・栄養調査の解析によると(次図参照)、1位はカップめんで1日あたりの食塩摂取量は5・5グラム。成人男性の場合、1日の目標量の約7割、成人女性の場合は約8割を摂っていることになります。

2位はインスタントラーメンで、食塩摂取量はカップめんより若干少ない5・4グラム。3位の梅干しの3倍に当たりますから、いかにインスタント食品に塩分が多く含まれているかが実感できます。

3位から5位は梅干し、高菜の漬け物、きゅうりの漬け物と、漬け物で占められています。以降も、白菜の漬け物、大根の漬け物、かぶの漬け物、福神漬、キムチなど漬け物が軒並みランクインしています。したがって、漬け物も塩分摂取の大きな要因になっているということです。

それ以外には、辛子めんたいこやたらこなどの魚卵の加工品に、塩さばやまあじの開き干し、塩ざけなどの干物や塩蔵魚があがっています。それに塩昆布や昆布などの海藻加工品、練り製品のさつま揚げもあります。こうして見ると、魚介加工品がランキングの大半を占めています。

さて、このなかにあなたの好きなものや、よく食べているものはありましたか。そうだとしたら、さらに注意が必要です。

この統計では食べられている総量を摂食者の数で割っているので、どうしても1日あたりの食品摂取量は均される傾向にあるからです。たとえば辛子めんたいこの摂取量は20グラムとなっていますが、これはだいたい一腹の1/5の量です。

辛子めんたいこが好きな人が、1/5だけ食べてやめられるでしょうか。おそらくは半分、一腹と食べているのではないかと思います。そうだとすると、食塩摂取量は「1・1グラム×5倍」で5・5グラムになります。カップめんをほとんど食べていなくても、ごはんのお供にいつも辛子めんたいこを一腹食べていたら、同じだけ塩分を摂ってしまっていることに変わりはありません。

とはいえ、減塩するには好きなものを食べてはいけないのかと、がっかりしないでください。ここに挙げたものは絶対に食べてはいけないわけではありません。食べ方に気をつける必要があるということです。

あくまで「イエローカード」

こうして見ると、減塩教室のときに「塩分を減らすために避けましょう」とお話ししている食品と、こちらの食塩摂取源の上位にランクインした食品はほぼ重なります。

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しかし、先にも言ったようにこれらは絶対に食べてはいけないものではありません

「これは塩分が多い」「あれも食べてはいけない」と思うと、食事を心から楽しめなくなります。しかもこの本を読んでいる方はまだ予防の段階だと思いますから、あまりに厳しい減塩を自分に課してしまうと、反動で食べすぎてしまうことだってなきにしもあらずです。

覚えてもらいたいのは、これらは減塩にとって「×」の食品ではなく、「△」の食品だということです。

たとえるならサッカーのイエローカードです。イエローカードが2枚になると出場停止になりますよね。それと同じで、「△」の食品を二つ以上食べると、減塩としては「×」ということです。食べたら即いけない「レッドカード」ではなく、複数食べるとよくない「イエローカード」だと考えてください。

朝食にハムやソーセージを食べたら、夕食に干物は食べない。あるいは夕食に、かまぼこやちくわなどの練り製品と、漬け物などを一緒に出さない。カップラーメンが好きな人は、スナック菓子は控えるといった具合です。

どのような食品に塩分が多いかを知って、たくさん食べてしまったときは、ほかで少し塩分を摂らないように調節する。そんなふうに1日のなかでやりくりできるようになることが大切です。


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