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「勝手に推し本、紹介します」 vol.5

この連載では、電子書籍事業部メンバーが毎日触れている幻冬舎の本の中から、独断と偏見のみで勝手に推している本を語っていきます📖

こんにちは。部員・M子です。
食欲の秋を引きずり、お正月には、わんぱくなまでに暴食したことで
身体が重いな~と感じている今日この頃。冬は脂肪を蓄える季節なんだから。と意味不明な言い訳をしているけど、春はもうそこまで来ていますよね;
そんな話はさておき、
第5回となる今回は、食をテーマにした本をピックアップしたいと思います。

京都で日本料理店「草喰(そうじき)なかひがし」を営む中東久雄さんによる著書を紹介します。

◇ ◇ ◇

「おいしい、とは体の叫び」

02 おいしいとはどういうことか

『おいしいとはどういうことか』
 著者:中東久雄

今回はこの人が勝手に推し本
越冬のため食欲増進中 メガネ部員 M子

6_たぬき


★この本への想い
生まれも育ちも東京の私が、大学院進学を機に初めて一人暮らしをしたのが北海道のとある町。家に帰れば当たり前のようにある母の手料理からの卒業の時でもありました。限られた食費の中で、工夫しながらおいしいご飯を作ろうと自炊生活を始めた当時、私の中で食の存在感が変わり、料理が好きになったように思います。本書はそんな時代を思い出させてくれる一冊。
「高級食材だから」とか「ミシュランの星付きだから」という価値観とは一味違った “おいしいということ”を教えてくれる本です。

「ええ野菜だけ持って帰ったら、ええ料理ができるに決まってるやないか」

本書の書き出しは、この言葉から始まります。
著者の中東さんが料理店を始めたころ、京都の農家さんに言われたという一言。本当の料理人とは、どんな食材でもおいしく食べられるようにできる人。そんなお話から始まります。
強烈であり、納得してしまう言葉でした。
中東さんは、京都府の美山町という場所で宿坊を営むご両親のもとに生まれた方。小さいころからお母さんが地元の食材を使って作った手料理を食べて育ったそうです。

京都美山


ちなみに美山はこんなところ。私も一度訪れたことがありますが、かやぶきの里がシンボリックな自然豊かで素敵な場所です。

この本のここが好き!
1. 命を頂く。を教えてくれる
2. 「草喰なかひがし」ができるまでの努力
3. ちゃんとご飯を食べよう!と思える

この本では、中東さんが自身のお店を開くまでの経験や、出会った人たちとのエピソードを交えて「おいしいということ」が味だけではない、体が喜ぶことだと伝えてくれています。
ちょっぴりおかしくて、ほっこりする中東さんならではの文章も推しポイントの一つ。

中東さんにはお会いしたことがないのに、読み進めるうちに不思議と、かやぶき屋根の家で囲炉裏を囲みながらお話を聞いているような気分になるんです。すると、あぁ、今日のご飯何にしようかな。って考えてたり(笑


余談ですが、私の北海道時代のお話をちょこっと。
当時、私は野生動物の研究をしていたので、広大な森の中にポツンとある研究室にいました。
そんな環境ゆえ、日々の楽しみは学生仲間や大学職員さんたちと四季折々の食材を使ったパーティーをすることでした。
春:山菜採りをして天ぷらパーティー(私はコシアブラ派)
夏:船を出してカレイ釣り(80匹も釣れて捌くのが大変だった)
秋:キノコ狩りをして天ぷらパーティー(熊に注意)
冬:猟師さんが獲った鹿でお肉パーティー(ワイン煮込みが絶品)

こんな、ある意味貴重な経験ができたことは、今の私の食に対する考え方の土台になったと思います。

本書は、当時の自分を思い出させてくれる存在でもあります。
いつか近い将来、『草喰なかひがし』で中東さんの料理を食してみたいと思います。

◇ ◇ ◇

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