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「下半身の筋力不足」が、老化・病気・寝たきりの引き金になる

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本当は怖い「足腰の衰え」

人間が老いを自覚するのは、足腰の衰えを感じたときではないでしょうか。

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歩く、立つというのは、一日に何度も繰り返す動きなので、私たちはちょっとした違和感も敏感に察知します。「いつもと何かが違う」。そんな体の不具合は、足腰の衰えに端を発していることが多いのです。

実際、加齢による筋力の低下は、上半身よりも下半身のほうが顕著です。一般的に、筋肉量は20代をピークに減少し始めますが、大腿四頭筋の老化は特に深刻で、70歳までに約3分の1の筋肉が失われてしまいます

では、下半身の筋力が低下すると、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。

・動悸、息切れ
・冷え
・むくみ
・心臓病
・糖尿病
・骨粗鬆症

ざっと挙げただけでもこれだけあります。

下半身の筋力が低下するということは、単純に「歩くと疲れる」「つまずきやすくなる」だけではなく、全身にさまざまな影響が及ぶのです。

下半身には、重力の影響で約70%の血液が集まっています。そのため、下半身の筋肉には、血液を心臓へ戻すポンプ機能が備わっています。筋肉が収縮・弛緩を繰り返すことによって、まるで乳搾りのごとく、血液を上半身にスムーズに押し上げることができるのです。

ところが、下半身の筋力が低下すると、充分な血液を心臓へ送ることができなくなります。そのため、心臓自身が、下半身のポンプ機能を補うために圧力を上げます。その結果、心臓の働きが低下して、動悸や息切れ、冷えやむくみなど全身に悪影響が及びます

また、筋肉量が減ると体内の糖が消費されにくくなるため、血糖値が上がりやすくなります。脂肪が蓄積し、血管の老化も進むため、糖尿病や心臓病のリスクも高まります

さらに、筋肉と骨の関係も見過ごすことはできません。

骨は、筋肉を使うほど刺激されて強くなります。中でも、太ももの筋肉は特に関係が密接で、太ももの筋肉量が多い人ほど骨の強度も高いことがわかっています。逆に、筋肉量が少ない場合は、骨へ与える刺激が減り、骨が弱くなって、骨粗鬆症になりやすくなってしまうのです。

健康で長生きするために

下半身の筋力低下がQOL(生活の質)へ与える影響も決して小さくはありません。

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足腰が弱まれば、少しの距離を歩くだけでも疲れますし、立ったり座ったりするのも大変です。きっと、朝起きて「よっこらしょ」と立ち上がった瞬間に、自分が年老いたことを思い知らされてフットワークが重くなり、どんどん「年寄りらしい生活」を強いられていくことでしょう。

寝たきりになるきっかけとして最も多いのは、脳梗塞・脳出血などの脳血管障害ですが、その次に多いのは、実は骨折です。高齢者の筋肉は1週間寝たきりでいると20%、5週間で96%も落ちてしまうため、骨折の療養を機に、自力で歩けなくなるケースが多く見られます。

特に次のような人は、下半身の筋力が衰え始めている恐れがあるので注意が必要です。

・歩くのが億劫になった
・ちょっとした段差につまずきやすい
・歩くのが遅くなった
・歩幅がせまくなった
・家にいるときは、横たわっていることが多い

下半身の筋力が低下すると、歩く機会が減り、それによってさらに筋力が低下するという悪循環に陥ります。友達と旅行をしたり、孫と遊んだり、趣味を楽しんだり、QOLを維持するためには、自由に動ける丈夫な足腰は不可欠だと言えます。




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