鶏の鳴きまねだけ上手だった男の恩返し
こんにちは。どっしりリーダーシップ研究会講師のこうめいです。よろしくお願いします。
人一人の小さな小さな特技。そんなもの何の役に立つんだよ!!という特技までも認め、そのおかげで命が助かった偉人孟嘗君について今日は話してみたいなと思います。
D・カーネギー『人を動かす』人を変える9原則のわずかなことでも褒める。の事例になります。
孟嘗君(もうしょうくん)は中国の戦国時代の斉という国の人。……ここまででもう、頭が痛くなる人いるかと思いますが、まぁお付き合いください。
難しいことはごそっと省くんですが、彼は斉の国のナンバー2といえる立場にいました。そんな彼は、「何か一つだけでもこれは負けない!というのがある人を雇う」ということをしていたんですね。
普通だったら、武芸とか、政治とか、軍略とか、当時の時代に使えそうな人材だけを集めるものなんですが、彼は「鶏の鳴きまねがうまい」「盗みがうまい」というだけの人まで雇い入れていました
そんなつまらない才能の人間まで雇うことはないと反対を述べる人たちもいましたが、それでもその小さな才能を評価して彼は人を受け入れたようです。
そんな彼がピンチに追い込まれる事件が起こります。
ほかの国に呼ばれた孟嘗君は、その国で囚われて殺されそうになってしまいました。
これはまずいと、いろんな手を探るんですがなかなか逃げ出すことができません。ようやく協力をしてくれると言ってくれた相手からは、既に王様にプレゼントした宝が欲しいという無理難題を言われます。
このままでは殺されてしまうと思っていたときに、盗みの達人が孟嘗君を助けるために立ち上がります。
プレゼントした宝を盗み出し、協力者にその宝を送ることができるようにしました。
そのおかげで窮地を脱した孟嘗君ですが、それに気が付いたその国の王様は孟嘗君を自分の国にいる間に殺さないといけないと兵を送り込みます。
孟嘗君も必死に逃げ最後の国境の門までたどり着くんですが、この門が朝鶏が鳴きだすまで開けられないルールになっていたため、足止めされてしまったんです。
このままでは追ってくる兵士に捕まってしまう。そんな時に立ち上がったのが「鶏の鳴きまね」が得意な達人でした。
彼が鶏の鳴きまねをすると、一斉にほかの鶏が鳴きだし、その声を聴いた門番は首をかしげながらもルールだからと門を開け孟嘗君を通過させました。
これによって孟嘗君は自分の国に逃れることができたんですね。
これが『鶏鳴狗盗』の語源になったお話なんですが、どうだったでしょうか?ちなみに鶏鳴は鶏の鳴きまねの達人。狗盗は犬のようにすばしっこい盗人という意味です。
この2人、普通の人だったら雇うことは考えないでしょう。
というのも、自分に利益を返してくれるとはどう考えても思えないからです。
でも、孟嘗君は誰もが馬鹿にする小さな才能を評価して受け入れました。
その結果、命がけでこの2人は孟嘗君を助けてくれたんですよね。
わずかなことでも褒める。評価するというのは、ほかの人に評価されていない部分を評価されることにもつながるので、そうしてもらえた側は非常に強い恩義を感じます。
誰もが評価してくれる価値しかない人は、ほかのところに行っても褒めてもらえるので忠義を尽くさなくてもいいわけです。
もちろん短期の目線であれば、誰もが評価する人間だけを受け入れていった方がチームは強くなる気がしますよね。
でも、いざというときに、追い込まれたときに、あなたを本当に救ってくれるのは「ほかの人に評価されない部分を評価してくれた恩義」を感じている人たちだと私は思います。
だからこそ、人の小さな小さな才能に気がつける。そんなアンテナを張っていきましょうね。
ということで今日はここまで。
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