誠実な会話

カッコつけて文章を書くと、大抵居た堪れなくなって投げ出してしまう。丁寧に書こうと思うと、考え込んで立ち止まってしまう。頭の中で饒舌に演説していても、いざ外に出そうとすると何も思い出せない。私は出力が苦手だと思う。頭の中ではスムーズに会話できているのに、実際は吃って慌てて全く思ってもないことを口走ってしまう。ああ間違えた。と思った時にはもう遅い。他人は私の言葉を聞く。間違って外に出た言葉たちが私だと認識されてしまう。そしてそれに付随する態度や行動、雰囲気を加味してその言葉をジャッジする。伝わらなすぎて「そうではなくて」「というよりも」を連呼していると、相手の顔が段々と曇っていくのがわかる。何度も否定されるとそりゃあいい気持ちにはならないだろう。家族に呆れられ、先生に面倒くさがられ、友人に遠のかれ、他人に訝しがられ、全く違うように伝わっても、それでもいいやとついそのままにしてしまう。

素直になれと言われることがある。私ももっとわかりやすく伝えたいと思っている。どの言葉を使ったら伝わるのか。考える。難しい。考える。

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