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憧れと初めての欲しいもの


中学生のとき、修学旅行で京都に行った。ずいぶん昔のことだ。USJにも行ったし、清水寺にも行った。生八つ橋も買ったし、じゃがりこのたこ焼き味も買った。細かいことはあんまり覚えてないけれど、自分の中で印象に残っていることがある。

がま口財布を買ったことだ。がま口は可愛い。ライトな気持ちでがま口が好きだ。お花の柄も好み。小銭がたくさん入る。

自分は寒色キャラだった。なんじゃそのキャラは。と今では容易く突っぱねられるが、中学生の自分はなぜだかそれが難しかった。自分の中の決め事に雁字搦めだった当時、多分とても大きな葛藤と決断をしてそれでもと手に取ったのが花ゆうぜんのがま口だった。赤くて華やかで温かくて可愛らしい柄を気に入ったのだ。それまでぼやぼやしていた気に入ったという感覚にはっきりと輪郭ができた気がして、それを突っぱねずに受け入れた自分に恍惚とした。初めての土地で一人でお小遣いで自分にとって高価な買い物をしたという高揚感もあったと思うが、大切なものとして今まで保管されていた。不意に引き出しや袋からそのがま口が目に入るとニヤリとしてしまう。そんな宝物を今日箱から出した。何年この箱に入っていただろう。流石に開けて触った事はあるが合計でも1分ないくらいだ。全く色褪せていない。それを今日開けた。小銭を入れた。使い始めたのだ。今日この日に。とても素晴らしい日だ。記念すべき日になるだろう。落ち着いて興奮している。このnoteを書くくらいにはるんるんだ。

がま口を意識したきっかけは姉が一足先に行った修学旅行で、京都に住んでいるという知らない親戚の人に生八つ橋やがま口をもらったことにある。たまたま親がその親戚と連絡していたため姉にプレゼントしたのだが、自分はそれを羨ましく感じていた。自分が京都に行ったら、自分は多分がま口を買うだろうなとは思っていた。個人的な旅行の予定として頭の中にあった。

このがま口を使えるほど成長したのだろうか。そう考えるとなんだか嬉しい。

意外と覚えていた修学旅行の出来事。
・タクシーで一人寝てる子がいて、横にいた子が呼吸が浅いから噓寝だと言ったこと。
・たくさん乗れるからという自称USJのプロの指導の下、殆どのアトラクションにおひとり様で乗ったこと。
・旅館ででた朝ごはんの生卵を鉄板の上で目玉焼きが作れなくてスクランブルエッグに路線変更したこと。

それじゃあバッタとカマキリとナメクジとゴキブリに失礼。

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