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#10 葉酸は、気軽に始められる妊活の第一歩

春カルボナーラ(はるカルボナーラ)と申します。
私は普段、総合診療医として、予防医療(ヘルスメンテナンス)にかかわっています。

予防医療として、ワクチンやがん検診だけでなく、広く健康管理をしていくという意味で、プレコンセプションケアという将来の妊娠のための健康管理を促す取組みがあります。

プレコンセプションケア
女性やカップルを対象として、将来の妊娠のための健康管理を促す取組

厚生労働省.プレコンセプションケアを含む 性と健康の相談支援について.令和4年3月.

今日は、妊娠を考えている女性の皆さん、そして、そのパートナーの皆さんにお伝えしたい葉酸と妊娠についてお話しします。

皆さん、妊活、不妊治療と聞くと、どんなイメージでしょうか?

「専門のクリニックにいかないと行けない」、「基礎体温はつけているけれど、それ以外に自分でできることはあるの?」など、私自身も30歳頃より妊活を始めたときに悩んでいました。

そこで、妊活の第一歩としておすすめしたいのが、葉酸のサプリメントです。

では、いつから?どれくらいの量を飲めばいいのか?

まず、結論をお伝えします。

★ 今日のメッセージ ★
胎児の神経管障害予防のため、妊娠2-3か月前から妊娠後3か月頃まで葉酸400μg/日(サプリ)を摂取しよう!

なぜ葉酸が妊娠に必要なのか?

葉酸はビタミンの一種ですが、胎児の神経を作る上で欠かせない栄養素です。

葉酸は、「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすのに効果的といわれています。神経管閉鎖障害は、脳や脊椎をつくる神経管がふさがれることで受精卵の細胞分裂がうまくできなくなる疾患です。「無脳症」や「二分脊椎」など、赤ちゃんに重度な障害が残ることや、亡くなってしまう場合もあります。

https://www.dear-natura.com/yousan

お腹の赤ちゃんの神経系は、妊娠初期に形成されるため、妊娠する前から葉酸を体内に蓄えておく必要があります。

そのため、葉酸は、妊娠してから摂取するのではなく、妊娠の前から摂取しておくことがポイントです。

すぐに妊娠の予定はないけれど、という方も、内服の習慣化をするため、
将来妊娠を考えている方は、摂取しておいてもよいかと思います。
葉酸は、水溶性ビタミンであり、長期間内服しても問題ありません。

★ ポイント ★
Q. なぜ妊娠に葉酸が必要なのか?  A. 胎児の神経管障害予防のため。

いつから?どれくらいの量を飲めばいいのか?

葉酸は、食品から摂取することもできますが、妊婦さんの1日の葉酸摂取量は約230μgと言われており、食品から摂取するのは、キャベツ1/2個など結構な量になります。

おすすめとしては、十分な量を確実に摂取できるサプリメントを利用することです。

私が実際に使っていた、おすすめのサプリはこちら。

Dear-Natura Style 葉酸400μg+ビタミンB6、B12 60日分 615円

サプリメントは高いイメージですが、60日約600円、1日10円なので安価です。私は、いつも飲む花粉症の薬と一緒に置いておき、将来生まれてくる子どもに贈る、最初のプレゼントだと思って、飲み忘れないようにしていました。

摂取する期間は、妊娠の2-3か月前(最低限、妊娠1か月前)から、妊娠の3か月(妊娠12週)頃まで、量は400μg/日が推奨されています。

★ 葉酸摂取のポイント ★
いつから:妊娠する前(妊娠の2-3か月前、最低1か月前)
どれくらい:1日400μg
いつまで:妊娠して3か月(妊娠12週)頃まで
処方の必要:なし(サプリメントでOK)

医療系学生向けにおすすめの書籍 南山堂「お母さんを診よう」

もしこれを読まれている医療系の学生の方がいましたら、こちらの書籍がおすすめです。女性のケアや妊娠中・授乳中の薬などについて、よくまとまっています。

お母さんを診よう: プライマリ・ケアのためのエビデンスと経験に基づいた女性診療 南山堂; 改訂2版 (2022/4/27)

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妊娠中は鉄分も不足しやすいです。鉄剤や貧血についてもっと知りたいという方は、こちらの記事もどうぞご覧ください。

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2022年より不妊治療が保険適応となり、妊活を取り巻く環境も変化してきていると思います。「葉酸、飲んでる?」という話題が気軽にできる世の中になればいいなと思います。

それでは、また次のnoteでお会いしましょう。

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