映画ミッシング


娘が失踪した母親の話です。
もともと石原さとみさんが好きだったのもあるのですが、「僕らの時代」に出ていた時の石原さんの映画に対する気持ちにすごく惹かれたので、映画館で観ようと決めました。

吉田恵輔監督はヒメアノ〜ルしか観たことがなくて、ミッシングを観る前にこの監督の作品が全体的にどのような雰囲気のものなのか知るために、空白と、神は見返りを求めるを観ました。
全てよく出来ていて、人間の良い所と悪い所とどちらでもない所が上手く描かれて、伝わりました。どこかで本当にある話のようなリアリティさがあって、フィクションと分かっていても現実で起こっていることなのではと、錯覚するような映画ばかりですごいなと思いました。 

今作は、非常に観ていて辛い作品で、報われなくて何度も目を逸らしたくなりました。私には子供が居ないので本当の気持ちは分かるわけがないけれど、私がもし主人公であるさおりと同じ立場に立ったらと考えると、何度も苦しくなり涙が込み上げて来ました。
今この瞬間にも毎日どん底の思いをして、世間に忘れられ子供が見つからずに探し続けている親御さんは居る。という当たり前のことを私は映画を観る前まで忘れていて、行方不明事件があってもニュースの話題はすぐ入れ替わり、日が経てば忘れていました。映画を観た後、忘れていたというか考えるべきだった所を思い出させてくれて勉強になりましたし、この映画を観て自分の思考範囲を少し広げることが出来たと思います。

個人的な思いなのですが、中村倫也さんは私が1番好きな俳優でどんな役割なのか全く知らないまま観ましたが、思っていた以上に素晴らしくいい役を演じられていて勝手に嬉しかったです。
出てくる人たちの気持ちが皆、理解できるし共感できるから、さまざまな視点に立って考えることが出来て、映画館で見て本当に良かったです。

優しくしなやかな人間でありたいです。

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