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気象予報士試験 専門科目 3つの雨量指数

🔴土壌雨量指数(H20.5.28〜)
🔴流域雨量指数(H20.5.28〜)
🔴表面雨量指数(H29年度出水期〜) ※旧浸水雨量指数

平成29年度出水期以前の状況
大雨警報(土砂災害)・・・・・・・・・・・・・土壌雨量指数を使用
洪水警報・注意報(長さ15km以上の河川)・・・流域雨量指数を使用
大雨警報(浸水害)・・・・・・・・・・・・・・雨量を使用
洪水警報・注意報(長さ15km未満)・・・・・・雨量を使用

平成29年度出水期以降の状況
大雨警報(土砂災害)・・・・・・・・・・・・土壌雨量指数(変化なし)
洪水警報・注意報(長さ15km以上の河川)・・流域雨量指数(変化なし)
大雨警報(浸水害)・・・・・・・・・・・・・表面雨量指数に変更
洪水警報・注意報(長さ15km未満)・・・・・流域雨量指数に変更

よって、少なくとも平成29年以前の過去問を解く際には、大雨警報(浸水害)の発表基準に用いることとなった「表面雨量指数」は存在しないので、注意が必要です

気象庁ウェブサイトから引用

土砂キキクル  1kmメッシュ毎に5段階の色分け表示(黒、紫、赤、黄、白)。
        10分毎に更新。大雨による土砂災害発生の危険度を表示。
        避難にかかる時間を考慮し土壌雨量指数の2時間先までの予測値を用いて危険度を表示。下図は以前、実技試験にでたことがあります。初めて見た時は、これはなんだろうと????

気象庁ウェブサイトから引用


浸水キキクル  1kmメッシュ毎に5段階の色分け表示(黒、紫、赤、黄、白)。
        10分毎に更新。短時間強雨による浸水害発生の危険度を表示。
表面雨量指数の実況値や1時間先までの予測値を用いて危険度を表示。
       大雨特別警報(浸水害)との関連では、同特別警報は過去の多大な被害をもたらした現象に相当する表面雨量シスの基準値に到達する1km格子が概ね30個以上まとまって出現すると予想されかつ激しい雨がさらに降り続くと予想されるときに発表されるため、浸水キキクルの表示とズレる場合があります。


洪水キキクル  中小河川の洪水災害発生の危険度を5段階で色分け表示。
流域雨量指数等の実況値や3時間先までの予測値を使用。
        中小河川で複合基準を持っている場合はより危険度の高い方を使用。

指定河川洪水予報は
次のリンクから閲覧できます。https://www.jma.go.jp/bosai/flood/

過去問
令和4年度第2回(第59回)学科専門知識 問13
太字部分の正誤問題
(1)危険度分布とは、土砂災害、浸水害、洪水害発生の危険度を地図上で5段階に色分けして表示したもので、災害リスクの高まりを示す「指数」等と過去の災害に基づき設定した「基準」を用いて、危険度を判定している。なお、洪水害に関しては、指定河川洪水予報の発表状況も併せて表示している。⭕️
👉正しい記述です。

(2)危険度分布の「危険」(色分けでは紫)は、危険な場所からの避難が必要とされる警戒レベル4に相当する。市町村からの避難指示等の発令に留意するとともに、避難指示等が発令されていなくても住民自ら避難の判断をすることが求められている。⭕️
👉紫は全員避難。その前段階の橙は高齢者等避難。

(3)危険度分布の危険度の判定には、災害発生の危険度を確実に把握するため、「指数」等の予測値は用いず、実況値を用いている。
👉2時間先までの予測値も用いています。


令和4年度第1回(第58回) 学科専門知識 問14

令和3年度第2回(第57回)学科専門知識 問14
太字部分の正誤問題
(1)流域雨量指数とは、河川の上流域に降った雨により、対象地点の洪水リスクがどの程度高まるかを把握するための指標で、洪水警報の「危険度分布」に用いられている
⭕️
👉正しい記述です。

(2)流域雨量指数は、降った雨が地表面や地中を通って河川に流れ出す量をタンクモデルで計算し、河川を流下する量を運動方程式を用いて計算したもので、降った雨が時間をかけて河川に流れ出し、対象地点に流下するまでの時間差を表現することができる。⭕️
👉正しい記述です。

(3)現在の洪水警報・洪水注意報の発表基準の気象要素には、流域雨量指数が用いられており、雨量は用いられていない。基準値は過去の洪水災害発生時の流域雨量指数の値をもとに設定されており、流域雨量指数の実況値や予測値とこの基準値を比較することにより、洪水リスクの高まりを把握することができる。⭕️
👉正しい記述です。

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