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気象予報士試験 気象業務法 法規 予報と警報 その3 Vol.8

気象業務法の気象予報士試験の過去問頻出条文の解説も長くなってしまいました。
昨日は、記事の冒頭に注意事項がいきなり表されてびっくりしました。何かしらのキーワードというかNGワードに引っかかったのかもしれません。本日は事前にプレビューして確認することにしました。

警報の制限
気象業務法第23条

気象庁以外の者は、気象、地象、津波、高潮、波浪及び洪水の警報をしてはならない。ただし、政令で定める場合は、この限りでない。

気象業務法施行令第10条
法第23条ただし書の政令で定める場合は、津波に関する気象庁の警報事項を適時に受けることができない状況にある地の市町村の長が津波警報をする場合とする。

予報及び警報の標識
気象業務法第24条

形象、色彩、灯光又は音響による標識によつて気象、地象、津波、高潮、波浪又は洪水についての予報事項又は警報事項を発表し、又は伝達する者は、国土交通省令で定める方法に従つてこれをしなければならない。

気象業務法施行規則第13条
法第24条の国土交通省令で定める方法は、「津波注意報」「津波警報」「津波特別警報」の場合に、「旗を用いるか、又は鐘音若しくはサイレン音による」とされています。

津波フラッグについては拙稿もご参照ください。

https://note.com/gentle_plover382/n/n0db53b898ec7


平成30年度第1回(第50回)学科一般知識 問15
(1)地方公共団体は、高潮の警報をしてはならない。⭕️
👉地方公共団体のうち市町村長が限定的に「津波警報」を発表する例外1つのみ。
また、題意の「高潮」警報は気象庁のみが発表できます。

(2)略
(3)気象庁が行う地面現象警報とは、大雨、大雪等による山崩れ、地滑り等の地面現象に関する警報をいい、その警報事項を気象警報に含めて発表している。⭕️
👉正しい記述です。このまま覚えましょう。

(4)略

気象庁長官以外の者が行える警報
指定河川の洪水警報:気象庁と国土交通省が共同発表
都道府県指定河川の洪水警報:気象庁と都道府県が共同発表
水防警報:河川管理者(国土交通大臣又は都道府県知事)
火災警報:市町村長
津波警報:市町村長(気象業務法施行令第10条の規定による緊急災害時の特例)


平成26年度第2回(第43回)学科一般知識 問15
国土交通大臣が気象庁長官と共同で行う洪水予報の正誤問題。
(1)この洪水予報では、指定された河川で洪水のおそれがあるときは、水位又は流量のいずれかを示して水防活動の利用に適合する予報及び警報をしなければならない。⭕️
👉記述の通りです。

(2)この洪水予報では、指定された河川が氾濫した後は、水位若しくは流量に加え、必要に応じて浸水区域とその水深を示して水防活動の利用に適合する予報及び警報をしなければならない。❌
👉氾濫した後なので、「必要に応じて」ではなく「又は」である。

(3)この洪水予報では、指定された河川が氾濫したときに浸水が想定される区域を予め指定し、浸水した場合に想定される水深を明らかにしておかなければならない。⭕️
👉正しい記述です。

(4)この洪水予報に関する通知を受けた都道府県知事は、市町村における水防を十分に果たすべき責任を有する市町村長及び同等の責務を有する機関の責任者に、その通知に係る事項を直ちに通知するよう努めなければならない。❌
👉直ちに通知しなければならない。(努力ではなく義務です)


国土交通省と共同で行う指定河川洪水予報(気象庁ウェブサイトによる説明文)
 2つ以上の都府県にわたる河川または流域面積の大きい河川で、洪水によって重大な損害が生ずるおそれのあるものについて、国土交通大臣が指定します。国土交通大臣が管理する全国109の水系すべてで指定河川洪水予報が実施されています。
都道府県と共同で行う指定河川洪水予報(気象庁ウェブサイトによる説明文)
 上記以外の河川で、洪水によって相当の被害が発生するおそれのあるものについて、気象庁と協議して都道府県知事が指定します。都道府県と共同で行う指定河川洪水予報は、平成13年7月の水防法および気象業務法の改正を受け、平成14年5月から始まりました。

指定河川洪水予報とは(気象庁ウェブサイトによる説明文)
 河川の増水や氾濫などに対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるように、気象庁は国土交通省または都道府県の機関と共同して、あらかじめ指定した河川について、区間を決めて水位または流量を示した洪水の予報を行っています。これを「指定河川洪水予報」と呼んでいます。 
 なお、これとは別に、指定河川洪水予報の発表対象ではない河川(水位周知河川、その他河川)も対象として気象庁が発表している洪水警報・注意報及び洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)があります。「気象警報・注意報」及び「洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)」のページもご参照ください。


気象庁ウェブサイトから


お疲れ様でした。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。


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