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気象予報士試験 受験対策 法規編 消防法 Vol.17

気象予報士試験で出題される法令部門もいよいよ大詰め。気象業務法、水防法、災害対策基本法を見てきました。実は消防法からも出題されています。消防法は危険物の国家資格などでも必要とされます。実生活にも影響の大きい身近な法律です。
気象予報士試験でも市町村長が行う「火災警報」に関する規定について出題されています。具体的な法規制などはどのようになっているのか、気象予報士試験の過去問から消防法を見ていきましょう。
消防法は多くの規定がありますが、気象予報士試験で出題されている項目について限定的に紹介します。

まずは消防法とはどのような目的で制定されているのか第一条を見てみましょう。

第1条 この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。

火災の予防のほか、「火災又は地震等の災害による被害の軽減」が目的なのですね。

消防法第22条に気象庁の関連組織の長が出てきます。具体的には次のとおりです。
太字で書かれているところは、気象予報士試験に出題されたことがある条文です。
第22条 気象庁長官、管区気象台長、沖縄気象台長、地方気象台長又は測候所長は、気象の状況が火災の予防上危険であると認めるときは、その状況を直ちにその地を管轄する都道府県知事に通報しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の通報を受けたときは、直ちにこれを市町村長に通報しなければならない。
3 市町村長は、前項の通報を受けたとき又は気象の状況が火災の予防上危険であると認めるときは、火災に関する警報を発することができる。
4 前項の規定による警報が発せられたときは、警報が解除されるまでの間、その市町村の区域内に在る者は、市町村条例で定める火の使用の制限に従わなければならない。
第23条 市町村長は、火災の警戒上特に必要があると認めるときは、期間を限つて、一定区域内におけるたき火又は喫煙の制限をすることができる。

空気が乾燥して何日も乾燥注意報が発表されている状態に火災警報が市町村長からなされることになりますね。
火災警報の発令は市町村長が行います。「発令」です。気象警報・注意報は「発表」です。
木材の乾燥の程度を表す指数である「実効湿度」や最低湿度、平均風速、最大風速を勘案して警報の発令について検討されます。
東京消防庁の発令基準がウェブにありましたので引用します。
気象状況が次のいずれかの基準に該当し火災発生及び延焼拡大の危険が極めて大であると認める場合に発令する。
①実効湿度が50%以下、最小湿度25%以下になる見込みのとき。
②平均風速が13m以上の風が吹く見込みのとき。
③実効湿度が60%以下であって、最小湿度が30%以下となり、平均風速10m以上の風が吹く見込みのとき。

では過去問を。
令和4年度第1回(第58回) 学科一般知識 問15
消防法で定められる火災気象通報等についての穴埋め語句選択問題でした。
 気象庁長官、管区気象台長、沖縄気象台長、地方気象台長又は測候所長は、気象の状況が火災の予防上危険であると認めるときは、その状況を直ちにその地を管轄する都道府県知事に通報しなければならない。この通報を受けた___①___は、直ちにこれを___②___に通報しなければならない。
___②___は、___①___からの通報を受けたとき又は気象の状況が火災の予防上危険であると認めるときは、火災に関する___③___を発することができる。
火災に関する___③___が発せられたときは、該当する区域にある者は、条例で定める___④___に従わなければならない。

①都道府県知事   ②市町村長    ③警報     ④火の使用の制限
👉消防法の条文の通りです。

平成28年度第1回(第46回) 学科一般知識 問15
正誤問題 太字部分の正誤
(1)気象庁長官、気象台長又は測候所長が、気象の状況が火災予防上危険であると認め、その状況を都道府県知事に通報し、この通報を市町村長が知事から受けたとき、市町村長は火災に関する警報を発することができる。⭕️
👉 消防法第22条の通りです。

以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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