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栽培されなくなっていくイネ
ここのところ昼間は暑いのですが、以前のような耐えられない暑さではなくなってきました。
天気も晴れていたと思っていたら雲が覆い、雨が突然降ってきたりするので、それも暑さを和らげているようです。
今日でようやく全ての田んぼでイネの穂が出ました。
全て出揃うまであと1週間ぐらいかな、という感じです。
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最後に穂が出たイネは、昨年よりも1週間ほど遅く出穂しているみたいで、穂が出るまで心配でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1693055281315-TMSXioBY6I.png?width=800)
このイネは、この地方で昔から作られている香り米で、穂が熟して垂れてくる頃には籾が真っ黒になります。
子供の頃初めてこのイネを見た時は、黄金色のイネしか見たことがなかった私にとって珍しかったので、ずっとイネの穂を見ていました。
以前は藁を取るために育てている農家も多かったのですが、現在は私の住んでいる集落では私しか育てていません。
種籾は一昨年まで隣の集落で育てている農家さんが居て、分けていただきました。
現在は分けていただいた農家さんもご高齢で、このイネは育てていません。
このイネのお米は、それだけで炊いて食べるとあまり美味しいものではなく、一般のお米に1割ほど混ぜて炊くことで香りのするご飯になるというものです。
また、背が高いイネなので藁取り用に育てるもので、主食にするものではなく小さな田んぼに細々と作る程度のものでした。
他にもこの地域で作られてきた香り米は2種類あり、いずれも背が高いので藁取り用に栽培されてきました。
有名どころの「かばしこ」は今でも私の集落で作っている農家さんはありますが、もう1種類のイネはこの近辺では見ることができなくなりました。
稲藁を利用することも少なくなり、いくつもの種類のイネを育てると労力も増えるので、もち米を含めて複数種のイネを育てる農家さんもほとんど居なくなりました。
在来種と呼ばれるイネが消えていくのも、仕方のないことかもしれません。
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