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〇六十花甲子と守護神法 その5(とても変わった宿命を活かす)

守護神法の高度な見方になります。

北瀬海弘光(大相撲力士)
1948.7.2男性
 戊戊戊
午子午子
未 己
 癸丁癸
 
  2 己未
12庚申
22辛酉
32壬戌
42癸亥
52甲子
62乙丑
*

守護神について


陰占宿命:午月の戊土は夏の山です。
山は木を育てるのが役目です。
なので甲木が必要です。
そして甲木を育てる水と火も必要です。
夏の季節なので特に水が必要です。
それで、この守護神は、
『調候の守護神→壬水甲木丙火。
宿命には癸・丁(月支のみ)があります。
調候の忌神は土性です。
調和の守護神→木性が必要です。
ただし宿命にはこれらは陰陽も含めて一つもありません。
完全格および一点破格にはなりません。
(朱学院ソフトから一部転載)

この宿命は、戊土が三つもありますから守護神は調候ではなくて調和でとります。
調和の守護神は、木性になります。
しかし、その木性がひとつもありません。
多い土性を洩らすこともできません。
それで、
この場合は、最初の守護神に戻って壬水癸水を探します。
壬水がないので癸水を探します。
癸水が、二つありますから、日干に近いほうの子水の中の癸水をとります。
これで、なんとか守護神を決めました。しかし、これをどうやって活かすかになります。

六十花甲子の戊子


六十花甲子でみたら、日干支戊子の場合は、日干戊土と干合された蔵干の癸水が冲動で壊されたら結婚運がよろしくないと。
それで、結婚は一度ではすまないかもしれませんよとみていました。
それがこの宿命で癸水を守護神にしてしまったら、人物なら父か妻だけどどうやってみるか? 疑問に思われるのでしょう。
こういうのでも守護神を活かす事は必要です。
たとえば、両親が健在だったか?あるいは、本人が結婚したのかしないのかとか、そういった状況によっては宿命の消化のしやすさが違ってきます。
ですが、今回このかたの配偶者や両親の情報がないので、具体的に論じることができません。

普通に見ると、下格だから忌神をさきに消化されたらよろしいですよ。
なんですが、算命学をある程度勉強された方なら、この宿命は片寄っていて、とても変わった宿命だと判断できると思います。
以下この宿命の特徴を一通り列記します。
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陰占陽占の特徴


【陽占の特徴】
  |貫索|天報
司禄|玉堂|司禄
天報|貫索|天将

純濁法:純
身強・身弱:身強
循環法:(一部)玉堂→貫索・貫索
局法:芳順局 叉財局
左右対称

【陰占の特徴】
宿命天中殺:生月中殺
位相法:日干支と月干支が納音
日干支と年干支が律音
月干支と年干支が納音
日支と月支が冲動
月支と年支が冲動
格法:子午双包格 土性天干一気格
異常性法:納音(日干支と月干支)、納音(月干支と年干支)、立地相剋、干支異常戊子戊子、中殺異常
主気論:洩気型
本能格法:守備本能格 
初動法:初動天中殺、初動準納音、初動干支双破、忌神帝王、二重納音

【説明】


この宿命の特徴は、いくつも掲げられますが、一瞥してもっとも際立つのが「二重納音」
これは「二重冲動」でもあります。
冲動で見ていくと子午双包格になります。
これは、安住できない宿命です。
なので、こういうのは世の中が動乱だと宿命が発揮されます。
波乱とか修羅場とか動乱に強いので、それだと普通に力が出せます。
でないと、自分が動乱になるとかで問題児になったり事故とかの災難に遭ったりします。

それから、人体図では、「天報星が二つ」。
天報星は一つあるだけで変化の多い人生ですから、二つあると更に波乱になります。
これは、天報星が器用に通ずる意味からして大相撲の世界では、技の工夫ととることも可能です。

それから、「生月中殺」です。
その中にいる人物として当てはめたら母かきょうだいになるので、その方からはなるべく早い時期に離れた方が無難ですよ!というのが一般的な助言として考えられます。

幸いにも例題のこの方は、力士ですから早くから家を出ています。
経歴をご覧になってください。
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【北瀬海弘光の経歴】


北瀬海 弘光(きたせうみ ひろみつ、1948年7月2日 - )は、北海道出身の元大相撲力士。最高位は東関脇(1976年7月場所)。現役時代の体格は身長175cm、体重115kg。
略歴
出羽海部屋付きの九重(元横綱・千代の山)の勧誘を受けて1964年7月場所、初土俵を踏む。1969年9月場所に新十両を果たした。

小兵(こひょう)であるために十両では苦戦が続いたが、1971年11月場所、十両優勝を果たして上昇気流に乗り、1972年3月場所、新入幕を飾った。

1976年3月場所、前頭11枚目で勝ち進み、11日目にこの場所優勝した横綱輪島から金星を獲得し12勝3敗で殊勲賞を受賞。翌場所、新小結では10勝5敗で連続の殊勲賞、7月場所には関脇に昇進した。その後、1977年5月場所に左足首を負傷したこともあって幕内下位と十両を往復するようになり、1979年5月場所中に引退した。
引退後は2013年7月に65歳を迎えて停年(定年)退職するまで、年寄君ヶ濱として九重部屋や八角部屋で後進の指導に当たった。 (Wiki.より抜粋編集)
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このかたのお仕事は、大相撲の世界です。
こういう変わった宿命は、守護神を活かすのは必要ですが、それとは別にとにかく変わった生き方をしないとダメです。
それは、人がやらないことをしないとダメです。
できれば、日本で初めてですとかといった生き方があってます。
サラリーマンですと、これはとても消化しにくいです。
その点、職業としての大相撲は、かなり変わった世界です。

律音納音があります。
そして天干が同じ干です。
一貫性があります。
(天干一気格)
星に直すと、貫索星、そして主星が石門星。
貫索石門はきょうだい友人の星です。
ということは、好きな友人ばかり付き合っていては消化できません。
苦手な人ととか嫌いな人でも一生懸命に付き合って苦労して忌神を消化します。
いろんな人を受け入られれば消化できます。
(◎六十花甲子と守護神法 その3参照 )

また、月支が両側から剋されてます。
この月支が挟み撃ちにあっている宿命です(立地相剋)。 
月支は自分の場所とか家系の場所ですから、家系に逆らうような生き方になります。
家系の居場所がないので結局は家系を改革するのが一番です。
これこそ、変わった生き方新しいことを目指すのが一番です。
具体的には、家系ができなかったことをやるのが良いです。
このかたの家系の中では、力士は彼が初めてだと思います。
それで宿命が動乱の人生なので土俵での戦いを動乱とみるなら十分活かせます。
人体図に車騎牽牛が無くてもです。
ただプロの世界としてはこの方の体格ですと、大相撲の世界で天将星を活かすには十分とは言えません。

新弟子の資格は、満15才以上で体格は173㎝以上、75㎏以上です。
しかし、十両ともなるとその平均身長は、185㎝、体重は156,9㎏(2023年5月3日時点)となります。
十両でもこの体格が平均なので、横綱を目指すのにはかなり厳しいと言えます。

実際、相撲界では小兵として苦労されたと記されてありますから、辛抱強くそうとう頑張ったんだと思います。

ここで、少し深掘りですが、このかたの経歴からして以下のような解釈もあり得ます。
元横綱千代の山の勧誘を受けて
1964/7甲辰16才初土俵を踏む。
1969/9己酉21才新十両
1972/3壬子23才新入幕
1976/3丙辰27才殊勲賞
1976/7丙辰28才関脇(本人の最高位)
1977/5丁巳28才左足負傷(主星透干の年)
1979/5己未28才場所中引退(初動大運天中殺の干支)
その後、九重部屋や八角部屋にて約35年間後進の指導に当たる。(二度運の消化)
2013/7癸巳65才定年退職

これは、関脇の年でピーク。
翌年負傷とありますが、小兵の力士として十分やり遂げた(本心発露)。
それで天中殺の年に悔いなく引退できた。
だから、それまでの甲斐あって定年まで15年の倍以上の約35年間、後進の指導の仕事をもらえたわけです。

戊子は、「教育者に向く」でしたが、日干戊土だけでも同じような意味合いがあります。

★日干戊土の人の活かし方:


戊土は、自然界にたとえれば、山や山岳です。
それで、日干戊土のかたの役目はというと、山は土性ですから木性を育てることです。
何もないと動物も暮らしていけないし、土も豊かになりません。
森だったら、自然界で役立つ山になります。
それで、木を育ててあげる。
宿命に木性が無いからと言って木を育てられないわけでは無いです。
なので、
自分の事しか考えられない人ではいけないです。
周りの人を助けてあげる人になることです。
それが、戊土の人にとっては普通です。

土が豊かになる。
森が豊かになる。
それで、山が豊かになる。
そして、自分が豊かになる。
それが自分の為になるんです。
自分の価値が高まります。

だからといって、お節介になってはいけません。
では、どういう助け方をするかというと、山だから、自分からは動けません。
受け身でいることでしかないです。
とはいうものの、何もしないというわけではありません。
選り好みができないという受け身なんです。
自分からは動けないので自分の所にやってきたものを受け入れるんです。
日干戊土のかたは、現実に与えられた役目を果たすことです。
それで、寄ってくる人を受け入れることが基本です。

そして、
戊土は、自然界の中でも特に雄大な存在です。
十干の中でも存在感が大きいから、生き方を簡単に変えてはいけませんよと占えます。
目先の利益に振り回されないことです。
山は大きい存在です。
山が大きいならば、立派な森ができるのにはどうしても年数がかかります。
日干が戊土の人は、大器晩成のつもりで生きていくことになります。

このことから、イヤな人も気の合う人も受け入れ仲間意識の強い相撲部屋でまとめていく(土性天干一気と納音律音)のは合っていると思います。
また、指導的立場としてなら、このかたの天将星も活かせたと思います。
日干戊土も活かしていたといえます。
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*

ちなみに、
上格の宿命の人で星を消化しないようでは上格の宿命ではありません。
同様な考え方で、下格の宿命の人で星を消化しているのなら下格では無くなります。
なので、
たいへん変わった宿命のかたでも、苦労の多い時期があったとしても、それを受けいれて活かせていくのなら、その方にとっては充実した人生になるかと思います。

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