土屋信

詩作、読書、映画鑑賞 https://garnet1789.blog.fc2.com/

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最近の記事

blue note 1577

銀座の並木通りの近くで アンティークなカメラが 並ぶウインドウ ブラックやシルバーの金属の輝き ニコンFを探してライカレンズの 銀色の鏡胴に惹き込まれる 写真が好きなのか カメラが好きなのか? 頭を冷やすために レコード店のコルトレーンの ジャケットを眺める

    • 永い眠り2

      古い家に棲む影達は 持ち場を離れず 新しい住人を眺める 潰瘍の十字架は 横たわる者の 胸にあり 見えない入り口を 探して壁を叩く 別の世界がすぐ 隣り合っている だが交わることはない 秘密を共有して 永い眠りの 夢の中で目覚める

      • 無添加食品を健康がどうのこうので考える訳では無く、乳成分をコストカットで油を添加してラクトアイスとかマーガリンとかコーヒーフレッシュとか、要するに紛い物。味中心に考えてもナチュラルな物が良い。 ラ・ペルーシュが残り少ないから買って来なきゃ。

        • 永い眠り

          永い眠りと 眠りの間の目覚め 空なオルゴールの旋律 燃える星に照らされ 孤独な惑星は闇に輝き 鏡は影に自問する 過去の伏せられたカードの 答えが未来で明かされて 歌声が目覚めの空間に ただようとき

        blue note 1577

        • 永い眠り2

        • 無添加食品を健康がどうのこうので考える訳では無く、乳成分をコストカットで油を添加してラクトアイスとかマーガリンとかコーヒーフレッシュとか、要するに紛い物。味中心に考えてもナチュラルな物が良い。 ラ・ペルーシュが残り少ないから買って来なきゃ。

        • 永い眠り

          憂鬱の果実

          重い心を抱えて 飛んでいる 緑と灰色の山あいを 設定が分からない 宝石の時限爆弾  紅い海を吐き出す 重いルビーの心 風に靡く葦の川べり 憂鬱の果実は凍って砕け 生まれた紅い宝石が 限界の世界から 零れ落ちる

          憂鬱の果実

          心理的な呼吸

          血液の中を巡る 聴くたびに 読むたびに 君は違った場所で 呼吸する  地下のレコードのノイズ 活字の中からも 身振り手振りの息遣い ペンのインクが漏れて 染み付いた指で メモの文字を睨んでいる 諦めると後半から 最後の頁まで 決まってしまう 書くことでしか 心理的な呼吸が 出来ない

          心理的な呼吸

          毒かも知れない

          毒かも知れない 口に運ぶ前に考える 見えない素粒子が 漂って こんなふうに 気怠く 運ばれる 毒かも知れない 地平の微細な細胞の ひとかけら 汗をかいたグラスの 氷の琥珀のしずく 毒かも知れない 口にするもの 耳に 目にするすべてのもの 自分自身も 生きているから

          毒かも知れない

          トランジション

          不眠症の男が歩く夜の道 歴史の裏側の薄明かり 風に靡く樹々 深き淵に舞い降りる梟 割れる間際に昇る太陽 後はただ濃い 蒼のインクが汚す海 舞台が反転する間際 世界の相転移を瞑目する 内なる瞳が待ち望む 海が呼んで 枯れ草が緑に靡く あなたの中にだけ 奇跡の鳥が舞い降りる

          トランジション

          記憶の閨

          世界の何処かで その本は開かれている 公園のベンチで 薄闇の地下室で あるいは誰の手にも 触れられずひっそりと 闇のテーブルに 置かれている その頁が開かれる時 青白い指先と指先は 触れ合う 時空を越えて 元々一つだった記憶の閨に 仄かに灯る明かりの下で

          記憶の閨

          光跡

          茶の間の明かりに 揺めき舞い上る埃 目を凝らし追いかける 或いは映画館の 映写機の光跡に舞う塵埃  思念の糸を手繰り寄せ 壁の罅にそい染み付いた 流れを辿る・・ 数字とアルファベットの  パッチワークが 項垂れた花瓶の花の 周りに落ちて ヴェルレーヌの見出した 希望の一条の光・・

          風の谷

          緑に囲まれた窪地で 転がっている石ころが 青い空に落ちて 傘は開いたまま舞ってゆく 小鳥が二、三羽 はばたいて 本の誤字を摘んで 挿し絵の池に捨てる 少女は起き上がって 夢の場面を探して 視線を漂わせ 風の谷に舞う風に乗る

          月の雫のインク

          まじないや 思い込みを超えて 遙かに座標の 時計がうごく 自然の治癒力が バランスを取る 見えない星団が 星の雲海をよぎり オトラント城の 雲間から射す月の 光の雫で ペンを動かす黒騎士 頬に走る稲妻

          月の雫のインク

          綻び

          綻びが広がってゆく 感情の無い モンスターが生まれ 博士が配剤する フラスコが沸騰し 綻びは生成へと 変換してゆく 神でも悪魔でも無く それはモンスター 人類の小芝居を 笑っている 博士はモンスターの 生みの親 そして綻びを  為す術なく見つめる者

          忘れた歌

          名前を忘れた歌が 流れている 知らない顔が鏡の底の 真夜中に浮かんで 昏い星は消えてゆく 同衾の魔女が星屑に 包まれ流れてゆく 妖精は星間葬にされて 星々のわだつみに 耳澄ます 枯れた草花が押花の 燦きを纏って甦る

          忘れた歌

          蒼い夜の頁

          夜の焚火の 周りで踊る 神話は去って 闇の中に 呼び戻す聲 隠された秘蹟は アルコールの中に 燃え お前の目に宿る 星は砕けて 氷になり 琥珀のグラスに 浮かぶ 漆黒の蒼い夜の 頁が揺らいで 眼差しが開く 最後の頁

          蒼い夜の頁

          風の蹠

          裸足で泥濘を歩く 大地の息吹を感じ 風は素肌を撫でてゆく 森の洞あなの記憶 海辺の砂浜の足跡 古代を失った キーボードのゆらぎ 指先の歩みを 風の蹠でたどる 大地の言葉を聴き 囁き返す