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久しぶりに効果量のお話を。

前回までは効果量とは何かについて記載してきました。
今回は,本書でよい指導はどのようなものかと捉えているのかを考えて,さらに具体的に考えていけるようにしたいと思います。


とても詳細に書かれているのですが,ざっくりと優れた指導とはどのようなものかとまとめてみたいと思います。

自己概念を高める指導である

自己概念とは自分をどう理解して,どう扱えるかというものだと考えます。
その自己概念を高める指導には4つの特徴がみられるそうです。

①直接体験
これはなんとなくイメージできますね。実際にやってみたことは自分に深く残ります。体験を通して学ぶものは大きいでしょう。

②いい感じの困難度の課題が構造化されている
簡単すぎても難しすぎてもだめな課題が,意図的に仕組まれているという状態ですね。学ぶ順番やタイミング,こちらからの問いかけなど,先生たちは一つの授業レベルや単元レベル,総合などでは年間レベルでも考えていますね。

③良質なフィードバック
ここでは「良質」という点には深く触れませんが,教師や友達からの他者からの評価と自己評価,どちらも含んだフィードバックです。効果的なフィードバックは「リフレクション」の考え方や,葛原先生の提唱する「心マトリクス」などがあげられそうです。

④修正する機会があること
学習方略や自己の分析,社会性の側面から見た自分などを振り返り,それを修正する機会が与えられているかどうかが重要です。教師側が一方的に価値観を与え,実行させるという流れだけでは,ある意味では考えられない指示待ち人間を量産させてしまうかもしれません。失敗して立ち直るチャンスが与えられないと,この機会はなかなかもらえないやつですね。

見通しの立つ指導である

これは子どもだけでなく,教師も同じです。子どもに見通しをもたせ,その活動を見ながら子ども自身が次の見通しを生み出している部分を見ながら教師も次の見通しを…というように,どちらか一方ではなく,子どもも教師もお互いが同じ方向を見ながら学習していくような雰囲気ができてくるといいですよね。
なかなか教えなきゃと思うこともあり難しいですが,それは下の内容を見ると解決すると思います!

浅い理解と深い理解が深い理解が偏っていない

ちょっと乱暴な言い方をすれば,教えたらわかってほしいような内容を「浅い理解」とします。足し算引き算ができるみたいなやつですね。でも,ただできるだけでなくその理屈はどうなっているのか,また他のものに転用できないのかというレベルまでになると「深い理解」と言えます。
学習評価の項目でいえば,知識・理解と思考・判断・表現みたいなものですね。研究や研修など行うと,~~が大事なので力を入れましょうみたいなことがややありますが,それはもちろんそうなのかもしれませんが,一番大事なのは「浅い理解」と「深い理解」の往還が見られることです。
どちらが劣っているとかではなく,どちらも上手に使いこないしたいんですね。
やはりそのためには,上記した見通しをもって活動できることと修正する機会があるということは大事に見えてきます。


本書ではこのように優れた指導を考えています。
これはいま求められている「協働的」「個別最適」といった考え方も随所に組み込まれているように思えます。

そう考えると,この「効果量」という考え方は,日本の教育に十分取り入れられる考え方だと感じています。

次回からは少し具体的に見ていきますが,それが誤解なく,自分の行動指針に寄与できればいいものだなあと思っているところです。


本日もお付き合いいただきありがとうございました。
誰かの「よりどころ」になりますように。

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