炎上と罪と贖罪と。
僕が盗作をしたのは小学5年生の時だ。
喉の奥に刺さった小骨のように。
未だに僕の心に小さく刺さったままになっている。
大抵、スマブラ界隈の炎上は小さい。
一週間もすれば鎮火して、一月もすれば誰が起こしたか名前が曖昧になり、
半年もすれば大抵のことが忘れ去られる。
曖昧模糊、もこもこで、ふわふわで、ふけば飛んで消えていく。
ただ、今回起こった事件はそうでもなさそうだ。
プロゲーマーと大型大会運営スタッフによる、プロゲーマーへのいじめ。
その告発。
非常に残念だし、個人的には、全てがしょーもない、大の大人が何やってんだ、といった気持ちだ。(自分のインターネットでの非常に子供じみた活動、内容の無い活動、すべてを棚に上げないといけないのが心苦しい。)
ここでは事件の詳細とか、誰が悪いとか、そういったことは扱わない。
たぶん、インターネットヒーローが説明したり、フォローしたり、なんとかしてくれるだろうことを祈っている。(加藤純一最強!!!加藤純一最強!!!!)
じゃあなんでnoteアカウントなんて立ち上げて長文をつらつらかき始めたのかというと、だ。
『これって、どこが終着点になるんだろう。』
僕自身、ずっと考えていたことだ。
罪って、どこで終わるんだろう。
どこで、赦(ゆる)されるんだろう。
僕は小学5年生の時、盗作をした。
未だに覚えている。
夏休みの宿題だ。
習字で一筆、作品を書き上げるというものだった。
当時僕は相当にプレッシャーを感じていた。
母親は若い時に習字の大会で大きな賞の受賞経歴があり、美しい字を小さな誇りにしていた。
僕にとっては不都合なことに、父親もなかなかに達筆で、
将来に役立つからと、僕と弟は習字教室に通わされていた。
弟の文字は、美しかった。
教室に通うたびに、5級4級3級とメキメキ昇級していった。
それにくらべて、僕の字はというと、お世辞にも美しいといえないどころか、控えめにいうと、爆散した塩昆布のような有様だった。
「お兄ちゃんでしょ?」
お兄ちゃんなのに。
僕は焦っていた。
夏休みの課題。
半年近くは教室の後ろに張り出されるだろう。
「何か賞を取るまでは行かないまでも、それなりの作品を作らないと……。」
浅はかにも、そう思った。
盗作は簡単だった。
まず過去に優秀賞を取った作品の写真を用意した。
コンビニで良いように拡大した。
後はトレースするだけだ。
サイズを規定の半紙に合わせる作業をいれても数十円でできた。
『飛ぶ』
そう書き上げて名前を入れた。
完璧だった。
飛ぶ、とはいわないまでも、心は軽くなっていた。
盗作は簡単だったが、露見するのはもっと簡単だった。
提出して数日後、担任の先生に呼び出された。
「えびくん、これ、盗作だよね?」
マキコ先生はめちゃくちゃ怖かった。
怒るとヒステリック気味に叫ぶのだ。
僕はシラを切った。
「なんのことか、わかりません。」
マキコ先生は言った。
「いいや、間違いなく、写しです。」
「飛ぶに対して、釜塚ABふらいの名前が下手すぎる。」
こんなしょうもない小説じみたものを読んでいただいて申し訳ない。
本題はここからだ。
おとなになった今。
僕は赦されてるんだろうか。
赦されていない場合、いつ赦されるのか、どうして今まで赦されなかったのか。
既に赦されてる場合、いつ赦されたのだろうか。
とどのつまり、僕が今回のスマブラ界隈の炎上について、日頃のしょーもない炎上全般について疑問に感じていることはこれだ。
誤送金された4630万円を使い込んだ男。
スシローの醤油ペロペロした男。
いろんな奴がいる。
もっと言えば、画面の前の君だって、汚れ一つ無い、シミ一つ無い身体なのか?
信号無視はしたことないか?
虫を殺したことは?
罪に気づいてないのが一番の罪では?
僕は、いつ、赦されるんだ。
僕はお世辞にも良い人間ではない。
悪党というほど、大物でもない。
ネット掲示板をAA荒ししたこと。
自分でギルドを立ち上げて置きながらフェードアウトしたこと。
好きな女の子を傷つけたこと。
ファンザだけでは飽き足らず、ドチャクソエロい動画を無料で見たこと。
一周目の世界を救えなかったこと。
画面の前の君とは恋人だったけど、記憶を取り戻せなかったこと。
悪党というほど、大物ではないとか抜かしたけど、それなりにカスな人間なこと。
僕は刑事罰を受ければいいのか?
書道トレースした僕はもう今後一生筆を握ってはいけないのか?
文字を書いたらいけない?
そこまでの話じゃないやろwwwって君は思うでしょ?
いや、過去の失敗って時々思い出して死にたくなるんだよ、マジで。
いつ赦されるの、教えてくださいよほんと。
結局のところ、誰もがそれなりに汚れてて、赦されたいって思うなら。
個人の解釈以外は何も無いんじゃないのか?
ごめんね。
って言われたら、赦す人も赦さない人もどちらもいていいと思う。
ただ、赦さないことを強要するのは寂しいなとえびちゃんは思う。
だって、僕はハチャメチャにスーパーウルトラハイパーミラクルロマンチックに赦されたい甘えん坊将軍だから。
バブバブ。
おしまい。
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