【第2話】寿命の見える少年と幸薄少女、硝煙の香り。
ダースは俺にこう語った。
「ミレイお嬢様は『イ・リーガル』のトップ、J・D・スロート様の愛娘。日本人の母親との間に産まれた子供なの。赤羽というのは、母方の姓よ」
静かに、まるで赤子に聞かせるように。
「……順調にいけば、後々には『イ・リーガル』を束ねるはずだった。ところが、内部で派閥が出来てしまってね? 命を狙われたお嬢様は各国を転々として、最後にこの日本に逃げてきた」
俺は強く拳を握りしめる。
「今日のように、彼女は命を狙われ続ける。場合によっては事故にみせ