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アグリハック露地ナス栽培なら5カ月で700万円

前回は「今年こそチャレンジして欲しい露地ナス栽培」で「露地ナスのすゝめ」と題してナスの栽培の魅力を語りました。

今回は、魅力に溢れる露地栽培のナスの一年間の特徴についてご説明いたします。

通常、ナスは一年生の作物ですが、東南アジアなどでは多年草として育てることも可能です。そのため、適切な環境条件が整えば、ナスは巨木として成長することができます。

ナスを露地栽培で育てる場合、一年の間に様々な成長段階を経験することができます。以下に、一年のナス栽培の特徴をご紹介いたします。

種まき・苗作り
冬から春にかけて、種まきを行い苗を作ります。暖かい環境下で育てられた苗は、健康的で頑強な成長を促します。

定植・成長期
春から夏にかけて、苗を露地に定植します。ナスは暖かい気候を好み、日光をたっぷり浴びながら成長します。適切な水やりと栄養補給により、植物は着実に成長していきます。

花・果実の形成
成長期後半から夏にかけて、ナスの花が咲き始め、果実が形成されます。花の受粉が行われることで、実が成長し、色づいていきます。

収穫期
夏から秋にかけて、収穫期を迎えます。ナスの果実は収穫時に適切な大きさと色合いになります。収穫は定期的に行い、収穫後も新たな花と果実の成長を促します。

一年間を通じて、ナスの栽培は植物の成長と収穫の喜びを体験することができます。自然の力を活用しながら、美味しいナスを収穫する喜びは格別です。露地ナス栽培の一年を通じて、その魅力に触れてみてください。

夏秋ナスの栽培スケジュールをつかもう!

また、ナスの栽培においては、季節の流れを無視することは不可能です。ナスづくりは毎年繰り返されますが、季節の移り変わりや生育の進み具合によって農家は一喜一憂します。

冬の土づくりから始まり、苗づくりや仮支柱作りなどの準備期間も非常に重要です。これらの準備作業は、ナスの成長や収穫に直結するため、適切なタイミングと手順を守る必要があります。

アグリハックとは、各作物の栽培において細部まで分解し、作業を最適化して再構築することです。この手法を取り入れることで、より効率的な栽培が可能となります。

ナスの栽培においても、アグリハックの考え方を取り入れることで、季節や生育の変化に柔軟に対応しながら、より効果的な土づくりや苗づくり、仮支柱作りなどの準備作業を行うことができます。

経験や知識を活かしながら、ナスの栽培におけるアグリハックの手法を用いて、より効率的で生産性の高い栽培を実現していきましょう。

ナスの定植直後は、露地栽培の場合、まだまだ低温な日が続くため、ナスの生育が遅く進むことに不安を感じることがあります。しかし、最初の花が咲き、結実して果実が肥大を始めると、少しずつ安心感が生まれます。

それでも、気を抜くことはできません。特に5月や6月には雹や強風などの天候による被害を受ける可能性があります。このような困難を乗り越えることが、「ナス作りが難しい」と言われる難易度の違いかもしれません。

たとえ少しくらいの被害を受けたとしても、くじけることはありません。ナスは強靭な植物であり、ほとんどの場合、回復力を持っています。枝が本格的に伸びてくると、ナスの枝を誘引することができ、少し安心感を抱くことができます。

ナスの栽培は試練がありますが、立ち直る力を持っています。困難を乗り越え、枝が伸びてくることで成長を感じることができます。その過程で、ナスへの愛着も深まります。このような経験を通じて、ナス作りの喜びを感じていただければ幸いです。

そして、七月に近づくと気温が上昇し、ナスの果実の伸長が速まります。美しい濃紫紺に輝くナスが畝に沿ってずらりと実り始める様子に感動します。

私の栽培パターンでは、夏から秋にかけてのナス栽培は露地で行います。そのため、天候の影響を直接受けることになります。栽培方法はナスの生理に合わせて調整されていますが、炎天下での作業は危険が伴います。

ナスの収穫最盛期には、まだナスの果実の温度が上昇していない早朝から収穫を開始します。涼しいうちにナスを収穫し終え、選果や調整を行った後、夕方になると少し涼しくなり、管理作業を行うような生活パターンになります。

このように、ナスの栽培では収穫時に適した温度や環境を考慮し、収穫から出荷までの作業を適切に調整しています。ナスの栽培者として、朝の清涼な時間帯での収穫や夕方の涼しい時間帯での管理作業を通じて、ナスに対する丁寧な取り組みを行っているのです。

慣れないうちは体調を整えることが大変だと感じるかもしれませんが、夕方からの管理作業は軽作業であり、水を流すなどの簡単な作業ですので、心配する必要はありません。

夏秋のナス栽培は、市場出荷をしない場合でも、高単価の作物となります。農家にとっては、一人当たりの負担の少ない管理面積でも、年間700万円以上の売上を上げることができます。

後ほど、粗利についても詳しく紹介していきますが、収入の約半分が手残りとなり、約5ヶ月弱で十分な収益を得ることができます。経済的には非常に魅力的な数字と言えるでしょう。

体力的な負担に関しては、管理面積の大きさによりますが、夏の高温下での収穫や整枝、摘葉作業は体力を要するものです。しかし、すぐに慣れると思います。

ただし、熱中症などのリスクには注意が必要です。水分と塩分の摂取には十分に気をつけてください。また、管理作業を手を抜くと収量や品質に明確な差が現れることにも注意が必要です。このような要素がナスの栽培をより興味深いものにしています。

アグリハックにおいては、弱めの切り戻しをしながら収穫を進めますが、秋の気配とともにナスの生育が緩慢になり、収穫量も減少していきます。

この時期は、次年度の改善に向けて対策を練る重要な時期です。言葉にあるように、「鉄は熱いうちに叩け」という言葉があります。過去の反省点を振り返り、来年の栽培に向けて改善策を考えることが重要です。

どんな仕事においても、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を回すことは重要です。計画を立て、実行し、結果を確認し、必要な修正や改善を行います。

この基本的なフレームワークを忠実に回すことによって、来年の収穫量に影響を与えることができます。過去の経験と学びを活かしながら、改善点を見つけ、次の栽培サイクルに反映させることが重要です。

アグリハックの考え方とPDCAサイクルを組み合わせながら、効果的なナスの栽培を追求し、次年度の収穫量を向上させることを目指しましょう。

それではまたお会いしましょう!

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