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ナスの芽かきと主枝の選択から平面四本仕立て

前回は「ナスの定植から前半戦の戦略 温度管理」と題して、温度管理が作物へ与える影響は大きい中で温度管理についての考え方をご紹介させていただきたいと思います。

通常、ナスの栽培では三本仕立てが一般的ですが、貴法人では試験的に平面四本仕立てを取り入れ、その成果が非常に良かったため、全面的な導入に踏み切ることになりました。この取り組みにより、収量や作業の効率性において大きな成果を上げることができました。

従来の三本仕立てに比べて、四本仕立てではさらに植株密度を高め、生育面積を最大限に活用することができます。これにより、一定のスペースでより多くのナスを栽培することが可能となり、収量の増加が期待できます。また、四本仕立てでは植株の分散性が高くなり、日照や風通しの改善にも繋がります。

さらに、四本仕立てでは収穫作業がしやすく、効率的に行うことができます。ナスの実が均等に配置され、収穫しやすい位置に育つため、作業効率が向上します。また、四本仕立てにおいては実の重みが均等に分散されるため、個々の実の品質も向上する傾向があります。

これらの理由から、貴法人では四本仕立てをナスの栽培方法として採用し、大規模な栽培に取り組んでいます。その結果、高い収量と効率的な作業が実現し、好成績を収めることができました。今後もこの栽培方法を継続して活用し、さらなる生産性の向上を目指していく予定です。


ナスの定植から前半戦の戦略

ナスの定植後、芽かきと主枝の選択は重要な作業です。一般的に、本葉が8〜9枚ほど成長し、花がつく頃が適切なタイミングとされています。

この時、第二主枝となる強い枝が伸びてくるのは、直下の葉脈からです。そこで、基本的にはその下の脈芽を取り除くようにします。これによって、第二主枝の成長を促し、より健全な樹形を形成することができます。

芽かきと主枝の選択は、株のバランスを整えるために重要です。不要な芽を取り除くことで、栄養や水分の供給を主要な枝に集中させることができます。また、主枝の選択によって、ナスの樹形や収量にも影響を与えます。健康で強い主枝を選ぶことで、より多くの花や実を付けることができます。

以上のような戦略を用いることで、ナスの成長を効果的に促進し、健全な樹形を形成することができます。定植から前半戦までの適切な管理を行いながら、良好な収量を目指しましょう。

ナスの四本仕立てでは、さらに二本の枝を主枝として選びます。これによって、より多くの実を収穫できる効果が期待できます。

主枝の選択は、第一主枝と第二主枝から行います。通常、第一主枝は最も力強く成長している枝を選びます。そして、その下の第二主枝も同様に選びます。これによって、四本の主枝が形成されます。

四本仕立てでは、各主枝に均等に実をつけるために、主枝同士の距離を適切に保つことが重要です。適切な間隔を保つことで、枝同士が競合することなく充分な光と栄養を受け取ることができます。

また、四本仕立てでは、各主枝の脇芽の調整も行います。不要な脇芽を取り除くことで、主枝の成長を促し、実の形成を助けます。

四本仕立ては収量の向上や収穫のしやすさをもたらす手法です。適切な主枝の選択と管理を行いながら、ナスの四本仕立てを取り組んでみてください。良い結果を得られることでしょう。

樹勢が強く、作業を複数人で行っている場合は、管理能力に余裕がありますので、さらなる工夫が可能です。

その場合、主枝の最初の分岐の下に補助枝を2本程度確保し、利用することもできます。これによって、より多くの実を収穫することができますので、ぜひ試してみてください。

ただし、補助枝から生える脇芽については、原則として一つの実のみ収穫することとします。これによって、実の品質や大きさを確保することができます。

ナスの四本仕立てにおいて、主枝と補助枝を適切に管理し、実の収量を最大化させることが重要です。管理の注意を払いながら、効果的な枝の形成と収穫方法を実践してください。

四本仕立てのナス栽培においては、通常の管理と同様に摘心を行いますが、注意点があります。

花の先端から一枚の葉を残しながら摘心を行うことは変わりませんが、花の下に生える脇芽はすべて取り除くようにします。これによって、主枝の成長を促進し、エネルギーを実に集中させることができます。また、脇芽の成長を抑えることで、ナスの生育や収量に対する影響を最小限に抑えることができます。

定期的な摘心作業を通じて、ナスの植物のバランスを保ちながら、より健全な成長と豊かな収穫を目指しましょう。

正確な管理と手入れが、ナスの健康的な成長と高品質な実の収穫につながります。栽培においては、この注意点を頭に入れながら作業を行ってください。成功をお祈りしています。

四本仕立てのナス栽培では、主枝として育てる予備枝を残すことも一つの手法です。

予備枝は、通常の四本主枝が成長して誘引テープに到達するまで残しておくことをおすすめします。これによって、追加の枝が形成され、より多くの花や実を育てることができます。

予備枝は主枝と同じように管理し、摘心や脇芽の処理を行います。成長が適切な段階に達したら、誘引テープに誘導することで株全体をバランスよく育てることができます。

予備枝の利用によって、ナスの生育と収量を最大化することができます。ただし、過密状態にならないように注意し、枝同士が絡み合わないように適切な間隔を保つことも重要です。

四本仕立てにおける予備枝の活用は、栽培の柔軟性と収穫量の増加に寄与します。ぜひ試してみてください。成功を祈っています。

四本仕立てにおける予備枝の利用にはいくつかのデメリットが存在します。以下に挙げられるポイントをご説明します。

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