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【コラム】フードコンサルの仕事。これからのリアル店舗の位置づけ。

割引あり

フード・コンサルタントとファンド事業の組み合わせについて、今回は特集いたします。その内容はビジネススキームも関連するため、途中から有料記事となります。フード業界に興味のある方や事業展開に関心がある方にとって、必見の情報です。お楽しみに~。


言葉では伝わりにくい品質 「おいしい」を体験してもらう

今回、ご依頼いただいているお店は福島県にある老舗の割烹料理を提供して、地元では「祝い事があればそこに行く」と言われるほどの名店です。その歴史は長く、数世代にわたって地元の人々や訪れる旅行者に愛されてきました。

ここでは、伝統的な日本料理の真髄が味わえ、その美味しさは口コミで広まり、多くの人々に知られる存在となっています。地元の新鮮な食材を使用し、職人の技術が光る料理は、訪れる人々に極上の味わいと贅沢なひとときを提供しています。

老舗の風格と現代の洗練が共存するこの店舗は、福島の料理文化を象徴し、訪れる人々に特別な体験を提供しています。

料理への情熱が息づく

この老舗割烹料理店の魅力は、料理への情熱とこだわりにあります。料理長が毎日のように厨房で奏でるのは、食材への深い愛情と熟練の技術が交錯する料理のシンフォニーです。地元の新鮮な食材は、厳選され、四季折々の旬の食材が料理に取り入れられます。

それだけでなく、職人の手仕事による包み込むような美しい盛り付けや、伝統的な調理法と現代のテクニックが見事に融合し、食事は単なる食事以上の体験へと昇華されます。

ここで提供される料理は、食べる人に感動を与え、思い出に残る瞬間を創り出します。料理人たちは、一皿一皿に自身の料理への情熱を込め、その情熱が料理を通じて訪れる人々に伝わることを願っています。食事は単なる食べ物ではなく、心のふるさとや文化を感じさせる特別なひととき。ここで提供される料理には、その思いが込められています。

当料理店に寄せられた手紙も紹介したい。

地元のお客様からの感想

こちらの老舗割烹料理店に足を運ぶと、地元の人々の温かさと料理への愛情が伝わってきます。数々のお客様から寄せられる感想には、お店の魅力が凝縮されています。

「ここに来ると、まるで家に帰ってきたような気分になります。料理はもちろん、スタッフの心遣いが本当に素晴らしいです。」

「地元の食材を使った料理は鮮度が抜群で、味わい深いです。特に季節ごとのコース料理が楽しみです。」

「ここでの食事は、家族や友人との特別なひとときにぴったりです。何度来ても飽きないおいしさが魅力です。」

地元のお客様からの感想は、この料理店が地域社会にどれだけ愛されているかを示しています。料理の美味しさだけでなく、居心地の良さやほっこりする雰囲気が、多くの人々に支持されています。それが、この料理店の特別な魅力の一部なのが分かっていただけると思います。

しかし、福島県ということで御想像されていた読者も多いと思いますが、東日本大震災後、この料理店は建物の改築と風評被害に見舞われました。

それでも立ち向かい、地元コミュニティからの支持を受けながら再び営業を始め、美味しい料理で人々を魅了しました。しかし、新型コロナウイルスの流行により、再び売上に苦しむことになりました。

この難局に立ち向かうため、仕出し弁当事業の強化を試みました。売上の回復のため、この店は新たな戦略に打って出ました。それが仕出し弁当事業の強化だったのです。地元のお客様に美味しい料理を届け、安全な食事を提供しています。

しかし、この施策の成功のためにはさらなる改善が必要です。特に、新型コロナウイルス感染症対策に関する努力が不可欠です。お店自体の安全性、食材の取り扱い、配達の効率性など、さまざまな側面で改良を施しました。

原材料費の高騰に迫られる対応

売上は順調に回復したかに思いましたが、ここにきて原材料の高騰などで売価に転嫁しきれないところもあり、これ以上は続けられないと悲鳴をあげたくなるような状況でご相談をいただきました。

そこでこの料理店に対して、売上回復のために新たな戦略を展開しました。それは、仕出し弁当事業の更なる強化と「グローサラント型」の店舗へのリニューアルです。この2軸の施策により、地元だけではなく、市外県外のお客様にも美味しい料理を手軽に提供し、安全な食事を提供することを目指すことにしたのです。

しかし、この施策の成功にはさらなる改善が不可欠です。以下は、その実現のためのルールとアプローチを設定しました。

顧客ニーズの徹底理解
こうした新たな取り組みの成功には、顧客のニーズを的確に理解することが不可欠です。例えば、地元の仕事帰りに手軽に利用できるランチメニュー、家族向けのお得なセットメニュー、特別なイベントや祝日に対応する特別な仕出しメニューなど、顧客が求めるものを把握するために顧客リストから連絡を行いヒアリングを実施しました。

効果的なプロモーション
このお店の隣町は人口の多いエリアなので、これまで機会ロスを生み出していた可能性もあります。そこで仕出し弁当事業を市外にまで広めるために、効果的なプロモーションが必要だと考えました。そこで、SNSを活用して美味しい料理の写真を投稿し、口コミを促進する施策も実施しました。また、地元のイベントやコミュニティ活動に積極的に参加するなど、認知度を高める努力をしました。

品質と安全性の確保
仕出し弁当事業の成功は品質と安全性にかかっています。食材の品質管理や衛生規定への厳格な遵守が必要です。手前みその話で恐縮ですが、私たちの運営する飲食店で軌道に乗った店舗では、食材供給元との信頼関係を築くことと安全な食事の提供を徹底しています。この活動を水平展開するために地元の生産者とのアライアンス構築を展開しました。

効率的なデリバリーシステム
仕出し弁当を提供する場合、効率的なデリバリーシステムが不可欠です。配達スタッフの訓練や、デリバリー用の車両の整備など、スムーズな配達プロセスを確立するためには、かなりの時間とコストがかかることが予想されます。そこで、商工会経由から紹介を受けて地元業者とアライアンスを組み、配送する仕組みを構築しました。

これらのアプローチを通じて、仕出し弁当事業を成功させるための土台を築くことができました。地元コミュニティと協力して、売上の回復を実現することが地域創生にもつながると信じております。

彼らの声を聞き、ニーズに合わせたサービスを提供し、協力して売上を回復させる手助けをしてもらいましょう。また、SNSや地元メディアを活用して、お店の情報を広めることも重要です。

この料理店は過去に困難な状況を乗り越えてきました。新たな挑戦に立ち向かい、改善を進めることで、再び成功に向かうでしょう。地元コミュニティの愛とサポートを背に、明るい未来に向けて一歩ずつ前進しましょう。

予算の制約もあって、このプロジェクトは少人数で展開していました。ただし、PR活動においては、大手広告代理店であるD社のプロモーションの専門家も協力しています。これにより、効果的なプロモーション戦略の実現を目指しました。

このプロジェクトの特徴は、資源と予算を最適に活用し、PR活動における専門的な知識を取り入れている点です。D社のプロモーションの専門家は、広告、マーケティング、ブランディングなどの分野で幅広い経験を持つプロフェッショナルです。そのため、彼らの協力を得ることで、プロジェクトの成功に向けた強力な支援が期待されます。

また、このプロジェクトにおいて予算の効率的な活用が重要なポイントです。予算制約下で最大の成果を上げるために、PR部分におけるリソースの割り当てや広告キャンペーンの計画を戦略的に検討しました。

次にお店が地域の中核を担う存在であることから、新しいコンセプトとして「グローサラント型」の店舗へのリニューアルを提案しました。このコンセプトは、お店が地域のアンテナショップとしての役割を果たすことを目的とします。このリニューアルには、費用の掛かる改装は不要で、既存の設備や空間を最大限に活用することがポイントです。

「グローサラント型」の店舗へのリニューアルの特徴

グローサラントとは、グロサリー(食料品)とレストランを掛け合わせた造語で、これまでの飲食スペースに加えて、この料亭で供される食材の直接販売、地域の情報発信という形にしていこうというものです。

「グローサラント型」を店舗に導入するメリットには以下のような特徴があります。

地域の特産品の取り扱い拡充

お店の魅力を一層引き立てるために、地域の特産品や手作り品の取り扱いを積極的に拡充しましょう。これは地元の生産者やアーティストと連携し、地域経済を支える役割を果たします。

例えば地元で生産される食材や工芸品、アート作品など、特産品を多彩に取り入れます。例えば、地元の農家から新鮮な野菜や果物を仕入れ、お店のメニューに取り入れることで、地域の農業をサポートし、美味しい料理を提供します。

また、地域のアーティストやクリエイターの作品を店内に展示・販売します。これにより、地元のアートシーンを活性化させ、アーティストの活動を支援します。また、展示イベントを開催して、地域住民や観光客がアートに触れる機会を提供します。

次に地域のフェスティバルやイベントに協賛し、お店のロゴや名前を提供していきます。これにより、地域コミュニティとの連帯感を高め、地域のイベントに貢献することができます。

大切なことが、地元の農産物や食品を提供する生産者と緊密なパートナーシップを築くことです。例えば、地元の農家と直接契約を結び、安定した供給を確保します。これにより、生産者に安定的な収入を提供し、お店に新鮮で質の高い食材を供給します。

このように地域の特産品やアートを取り入れることで、お店は地域社会と一体となり、地元の経済や文化に貢献する存在となります。また、お店の差別化や顧客の満足度向上にも寄与します。この取り組みを通じて、地域と共に成長しましょう。

地域の特産品とアートが織りなす繁栄の街『ポートランド』

この取り組みにはヒントとなったモデルが存在します。アメリカのポートランドの事例は、地域の特産品とアートを活用して地域経済を活性化させる成功事例として有名です。これらの取り組みは、地域社会との連携を強化し、差別化を図るための優れた方法です。あなたのお店でも、地域の魅力を引き立て、成長に貢献する新たなアイデアを模索しましょう。

以下のリンクで地方創生とは何かということについてレポートしています。筆者が地方創生事業の一環でファンドマネージャーとして、ときには産地開発のバイヤーとして、全国を巡った旅行記になります 地域ごとに特色のある食文化に興味があって全国各地を放浪します。

地域情報の発信拠点

地域情報の発信拠点としての重要性は計り知れません。ここでは、地域の観光スポットやイベント情報、地域の歴史や文化に関する情報を提供する役割について深堀りしてみたいと思います。

地域情報の発信拠点は、観光客や地元の住民にとって、地域の宝庫を発見する窓口となります。観光スポットの情報や特産品、地元のイベント情報を提供することで、人々は新たな発見をし、地域への関心を高めるでしょう。

こいうした地域情報の発信は、地域経済にも大きな影響を与えます。観光客が地域を訪れる際に、地元の飲食店や観光施設を利用する機会が増え、地域経済が活性化します。また、地域特産品の紹介や販売促進も行うことで、地元生産者への支援が固まります。

また、地域情報の発信拠点は、地域の誇りとアイデンティティを高める役割も果たします。地元の歴史や文化に関する情報を提供することで、住民は自身の地域に誇りを持ち、文化の継承を支援します。これは、地域社会の一体感を醸成する要因となります。

例えば、ある地域の情報発信拠点が、地元のフェスティバルを積極的に紹介し、イベントの魅力を伝えました。その結果、多くの観光客が訪れ、地元のホテルや飲食店に利益をもたらしました。また、地域住民もイベントに参加し、地域への誇りを高めました。

地域情報の発信拠点は、地域全体の発展に欠かせない存在です。地域の魅力を最大限に引き出し、地域社会に貢献する重要な役割を果たすことが期待されます。

地域コミュニティの拠点

地域の住民が集まり、交流できる場所として活用されます。イベントスペースやコミュニティ活動の場として提供し、地域社会の活性化に貢献します。

地域コミュニティの拠点としての役割は非常に重要です。これは、地域の住民が一堂に会し、交流し、協力し合う場所として機能します。地域社会の活性化に貢献することが期待されています。

この拠点では、地域のコミュニティ活動を支援し、さまざまなイベントやプログラムを提供します。地元の住民が自分たちの興味や関心に合った活動に参加しやすくするための施設やリソースを提供します。たとえば、ワークショップ、講座、文化イベント、スポーツ活動などが挙げられます。

地域コミュニティの拠点は、地域社会の結びつきを強化する重要な要素です。住民が顔見知りとなり、協力関係を築く場所として、地域の調和と発展に寄与します。地域内での連帯感を高め、問題解決や共同プロジェクトの推進にも役立ちます。

この拠点は、文化と芸術を発信し、地域の芸術家や文化団体に支援を提供する場所でもあります。地域の芸術や文化の振興を通じて、地域のアイデンティティを高め、多様性を尊重する場としても機能します。

例えば、地域の小さな町で、この拠点をコミュニティセンターとして運営しています。そこでは、週末に地元の農産物市を開催し、地元の農家が農産物を販売できる場を提供しています。また、週に一度、子供たちのためのアートワークショップが開催され、地域の子供たちがクリエイティブな活動に参加しています。

このように、地域コミュニティの拠点は、地域社会の結束を高め、地域の活性化に貢献する重要な存在となっています。

DMO(Destination Management Organization)とは何か?

DMO(Destination Management Organization)は、観光地域の持続可能な発展と観光業の成長を促進するための専門機関または組織です。DMOは特定の観光地域や地域全体を管理し、その観光資源を最大限に活用し、観光産業を支援する役割を果たします。以下に、DMOの主な役割と機能を説明します。

1. 観光地域の戦略的な計画と開発

DMOは、観光地域の発展戦略を策定し、実行する役割を果たします。これには、観光資源の開発、観光施設の整備、イベントの企画と実施などが含まれます。地域の観光産業の成長を促進するために、長期的な計画を策定し、実行します。

2. マーケティングとプロモーション

DMOは、観光地域を市場に宣伝し、観光客を吸引するためのマーケティングキャンペーンを実施します。これには、ウェブサイトの運営、ソーシャルメディアの活用、広告キャンペーン、観光パンフレットの制作などが含まれます。観光地域の魅力を伝え、観光客の興味を引きます。

3. 資源の保護と持続可能性

DMOは、観光地域の自然環境や文化遺産を保護し、持続可能な観光を推進する役割を果たします。観光が地域に与える影響を評価し、適切な環境保護策を実施します。持続可能な観光は、地域の資源を将来の世代に残すために重要です。

4. 地域経済への貢献

DMOは、観光業が地域経済に与える影響を調査し、地元の企業や労働力に利益をもたらすように努力します。観光業は雇用を創出し、地域の収益を増加させることがあります。DMOは地域経済の健全な成長をサポートします。

5. 観光業者との連携

DMOは観光業者、ホテル、レストラン、ツアーオペレーターなどの観光関連企業と協力し、観光産業の発展を促進します。連携を通じて、観光サービスの品質向上や効率化を図ります。

まとめ

DMOは、観光地域の発展と観光業の成長をサポートする重要な組織です。観光資源の開発、マーケティング、持続可能性の推進、地域経済への貢献など、多岐にわたる役割を果たし、観光地域の魅力を向上させ、観光客の増加を促進します。地域社会と観光業者との連携を通じて、持続可能な観光産業の育成に寄与します。

地域への貢献度の向上

地域の中核としての役割を果たすことで、お店の地域への貢献度が向上します。地元の課題に対して協力し、地域の発展に寄与します。

このような「グローサラント型」の店舗へのリニューアルは、お店の地域への関与を深め、地域社会にとって不可欠な存在となります。そして、費用をかけずに既存のリソースを最大限に活かすアプローチとして、成功の道を切り開くことができるでしょう。

従来の飲食スペースは、割烹料理を提供する店として相応しい料理をプレゼンテーションし、食料品売り場での購買意欲を喚起する場にします。と考えるのも、こちらの割烹料理店が提供する食材の良さを、お客さまに理解していただくには、少し説明が必要であると思うからです。

「食べたら美味かった」では、今の時代なかなか誘客に結び付きません。

店舗のある場所が、海のものも山のものも、近くもなく遠くもなく言った状態で、国内のみならず、特産品といった武器もない中で勝負するには「目利き」を売りにします。

県外からの食材も貪欲に取り入れて豊富で良質な食材を提供します。価格だけで他と比べられてしまうと、ハレの日以外には食べに行く機会がないイメージを持たれがち。ここの意識を変えていく必要があるのです。

もちろん、一般の定食屋さんとは違いますから、そこと勝負するのではありません。地域の中核をなすお店としての顔を前面に押し出し、商社機能も併せ持たせて、地域食材を直接買い付けして中間マージンを抑え、加工品などは自社で開発してしまいます。

品質と味を見ていただければコストパフォーマンスは高い。こういった展開にしていかなければ地方の町で大きな割烹料理というものは存在が難しい状況です。
最後に、お店のメニューの一部や特別なサービスを紹介しましょう。読者が来店する際に楽しみになるような要素をアピールします。

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