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ナスを種から栽培する方法

前回は「段取り力の強化 ナスの育苗に必要な資材」と題して必要面積にフォーカスを当てて実例を元に試算してみました。

今回はそのナスを種から育てるという言わば農家の夢でしょうか?
確かに、ナスを種から育てることは多くの農家にとって夢のような挑戦です。種から育てたナスが畑で成長し、収穫を迎える過程には、農家の情熱や努力が詰まっています。

種からの育苗は、栽培の最初のステップであり、農業の本質的な醍醐味を味わうことができるものです。種から芽が出て、苗が育ち、畑に定植されてから実をつけるまでの過程を見守ることは、農家にとって特別な感動や充実感をもたらします。

また、種から育てたナスは、自身の手で育て上げた作物という自負と誇りを持つことができます。その達成感や喜びは、他の方法では得られないものです。

しかし、種からの育苗は時間と労力を要するため、手間暇がかかる一方で失敗や苦労も伴うこともあります。気候や病気などの要素によって育苗がうまくいかないこともあるでしょう。

農家の夢としての種から育てることは、挑戦的でありながらも充実感や喜びをもたらすものです。その夢を追い求めることで、農業への情熱や探究心が深まり、成長していくことでしょう。

私の場合は育苗事業部を社内に発足させ、育苗を自社で行うことにより、輸送コストの高騰などに対応しながら粗利を向上させる仕組みを構築するというのは戦略的なアプローチをとっていました。

自社で育苗を行うことで、育苗会社に依頼する必要性がなくなり、輸送コストの削減や納期の管理が容易になるでしょう。また、社内で育苗を行うことで、品質管理や生産スケジュールの調整がしやすくなります。

さらに、育苗事業部を通じて研究を進めることで、育苗の効率化や品質向上に取り組むことができます。自社での研究によって、より適した育苗方法や施設の改善点を見つけ出し、生産性の向上や経済効果の最大化を図ることができるでしょう。

このような内製化の取り組みは、経営効率の向上や利益の最大化を目指す上で重要な戦略です。しかし、育苗事業部の立ち上げや研究には初期投資や労力の負担が伴います。計画的かつ綿密な準備と運営が求められます。

研究を進めながら、社内での育苗による粗利の向上を実現するためには、品質管理やスケジュール管理、効率的な施設の運用など、様々な要素を考慮に入れる必要があります。また、市場の需要やトレンドの変化にも敏感に対応することが重要です。

内製化による育苗事業部の立ち上げは、将来的には独自の生産体制を築くための重要なステップとなるでしょう。効率性や品質の面でのメリットを最大限に生かし、社内の成果を追求することで、競争力のある農業生産体制を構築していくことができるのです。

ちなみにスズテックのセルトレイ播種機は優れた機械です。

スズテックのセルトレイ播種機は、効率的かつ正確な播種作業を可能にする最新の技術を搭載しています。セルトレイと呼ばれる小さなコンテナに種を均等に配置することができ、一度に多くの苗を効率よく作ることができます。

この播種機を利用することで、作業効率が向上し、種まきの正確性も高まります。均一な苗の発芽と成長を促すことができ、育苗の成功率を高めることができるでしょう。

また、スズテックは農業機械メーカーとして信頼性が高く、品質の良さと耐久性を備えています。長期にわたって安定した種まき作業が行えるため、生産性の向上につながることでしょう。

購入した温室や播種機を適切に活用することで、効率的な育苗作業が可能となります。温室の管理や播種作業に関しては、操作方法や環境設定などの熟知が必要です。メーカーや専門家からのサポートを受けながら、最適な種まき条件や管理方法を学んでいくことが重要です。

これらの投資や機械の導入は、生産性や品質の向上、労力の軽減など、農業経営において大きなメリットをもたらすでしょう。計画的かつ効果的に活用し、自社の育苗事業の成功につなげてください。

購入苗を買う方が人件費的には安上がりとされる場合でも、育苗事業部を立ち上げることによる導入価値があったというのは素晴らしい良い取り組みになりました。産地化の取り組みや助成金の活用、社債の発行など、さまざまな手法を組み合わせて資金を確保し、金融機関に頼らずに準備できたのも大きな成果でした。

このあたりの手法の詳細は別のマガジンで紹介しています。きっと他の農業経営者や関心を持つ方々にとって貴重な情報となるでしょう。自身の経験や取り組みを通じて得た知識やノウハウを共有することは、農業業界の発展にも寄与したいと思います。

マガジンを通じて他の農業経営者や関心を持つ方々に役立つ情報を提供することで、さらなる交流や意見交換が生まれ、より良いアイデアや取り組みが広がることに期待したいと思います。


月齢に合わせた播種日

ナスの播種日を決める際には、定植日から逆算して月齢に合わせた計算を行うことが重要です。

一般的に、ナスの場合は定植日から72日前に播種を行うとされています。これは、ナスの生育サイクルに合わせて適切な苗の育成期間を確保するための指標です。

また、ナスの台木によって生育速度が異なることにも注意が必要です。例えば、トルバムやトナシムなどの品種では、穂木を播く前の約3週間前に播種を行う必要があります。このため、育苗の準備を早めに行う必要があります。

育苗準備を行う際には、播種日から定植日までの期間や台木の特性などを考慮し、計画的に作業を進めることが重要です。また、気候や地域の特性に合わせて適切な育苗環境を整えることも忘れずに行いましょう。

月のリズムを利用した栽培方法は、一部の農家や園芸家の間で実践されており、効果を感じる人もいます。特に潮汐の影響が植物の発芽や成長に与える可能性が注目されています。

ナスの場合、特に大潮から小潮に向かう「伸長期」に播種することで、種の発芽や細胞の伸長が促進されると考えられています。大潮に向かいだすと、植物は養水分の吸収や光合成などの生産活動を活発化させ、必要な養分を蓄積します。そして伸長期に入ると、蓄積された養分を利用して細胞が伸び、生長が進むと考えられています。

月のリズムを取り入れた栽培においては、仮説を立てて月齢や潮のリズムに合わせた肥培管理を行い、実際の観察を続けることが重要です。効果を体感するためには、継続的な試行と観察が必要となります。

ただし、月のリズムがすべての植物に同じような影響を与えるわけではありません。植物の種類や環境によっても異なる結果が出ることもあります。また、科学的な証明や解明が進んでいるわけではないため、結果には個人差や主観の要素が含まれる可能性もあります。

月のリズムを取り入れた栽培方法は、一つのアプローチとして考えることができますが、科学的な裏付けや確実な効果があるかどうかはまだ十分に解明されていない部分もあります。そのため、自身の経験や観察を通じて効果を評価し、自己責任のもとで取り組むことが重要です。

以上の情報を踏まえ、月のリズムを取り入れた栽培にチャレンジする際には、実践の結果をしっかりと観察・評価し、自身の栽培スタイルに取り入れるかどうか判断するようにしましょう。

次回はナスの育苗についてお伝えさせていただきたいと思います。

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