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双子の姉妹の誕生日

 今日は、私と妹の渚の15才の誕生日
「なぎさ、おはよう。誕生日おめでとう」
「おはよう、あかり!誕生日おめでとう!」
「今は、夏休みで学校ないし、おでかけしよう」
 そう聞いてみると
「プリン・・・プリン買いたい!」

ハハ・・・なぎさらしいな〜、私も食べたいけど・・・ハハハ・・・お姉ちゃんも一緒だったらよかったな・・・・・


昼にプリンを買って、信号で青になり歩きだした。渚が
「早く食べたいな〜」
と、楽しそうに言った。その時、車が私と渚の方凄いスピードできた。ひかれる・・・・・・そう思ったがあまり痛くなかった。渚を見ると、体中から血が流れていた。
「なぎさ!なぎさ、返事して・・・なぎさ!」
プリンを買った店の定員が救急隊を呼んだ。
「あか・・・り」
渚の声が聞こえた。
「あかり・・・私、もっとあか・・・り、とプリン食べたい・・・・な」
「大丈夫だから、いくらでも食べたらいいから
お願いだから死なないで・・・!」
「あかり・・・・・・私、みんなと、いたい・・な、お姉ちゃんと食べたいな、・・・あかり・・・たん、じょう・・び・・・プレゼント」
血の着いた手で小さい猫のぬいぐるみを渡した。私がそのぬいぐるみを受け取ると、幸せそうな顔を眠っていた。

渚が亡きなった


それから11年後、私は、椚ヶ丘中学校の旧校舎で先生をしている。私は毎年、私たちの誕生日、渚の命日にお墓参りに来ている。

 あの店のプリンふたつ、蓋を開け、プリン1個とスプーンを墓に置いて、もうひとつを私はそこで食べた。
「おいしいよ・・・・・食べてみてね」
と、言った。食べ終えて

「じゃあね、渚」
と言って帰ろうとしている時あることに気づいた・・・墓の前のプリンが少し減っていた
「あれ・・・え、渚?」
と驚いていると

墓の横の木がカサカサと揺れた

その木を見ると、クスクスと渚が楽しそうに笑っているように感じた。


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