刑務所の話   第1話

ある真夜中コンビニの明かりがこうこうとついている。仲ではアフロヘアーの青年が慌ただしく働いていた。彼はもう一人の眼鏡の気に弱そうな青年と組んで働いていたのだが、その時間は丁度休憩時間だったので、彼一人で慌ただしく働いていたのだ。コンビニに運んでこられたパンを並べて品出しをしていた。そこに一人の青年が入って来た。彼は年齢は20代半ばくらい、定員の青年はコンビニのパンを並べながら何の気なく「いらしゃいませ~~。」と言った。入って来た青年はコンビニの中をいちべつしたかと思うと、急に懐からナイフを取り出して、アフロヘヤーの定員に突き付けた。「やい!痛い目に遭いたくなかったら大人しく金を出せ!」その青年の声はうわずっていて、少し震えていた。青年は定員はヒップホップをやっているような青年だったから自分の得にならないようなことは一切やらないだろうから、直ぐに現金を出してくるだろうと思い込んでいたのだ。その考えが甘かった。アフロヘヤヘヤーの定員は自分が強盗にあったと知るや否や、空手の構えをして来た。見たところ様になっている。きっと有段者なのだろう。俺はその瞬間「やばい!」と思った。殴られる前に逃げようと考える暇もなく、アフロヘヤーの定員は青年に上段突きと回し蹴りを食らわした。青年はその突きを食らった瞬間に目の前が真っ暗になり、気絶した。目が覚めると警察が来ていて、俺は手錠をされていた。「何たることだ!コンビニに強盗に入るつもりが逆に定員にのされてしまった。何てついていないんだ!」コンビニの付近は野次馬でごったがえしていた。出て行ってパトカーに乗せられる瞬間に見た女の人の僕を軽蔑する眼差しが忘れられなかった。僕は「なんということをしでかしてしまったのだろう。いくらお金が無いからといって人様の物を取ろうと考えるなんて。コンビニだからそのお金を持っている本人の姿は見えないからといって強盗に入ってしまった。捕まることが分かっていたら絶対に強盗なんかしないのに。どんなに後悔したとしてももう時は遅く、僕は前科者として警察に連行された。警察に着くと取り調べが始まった。「名前は?」「井上正26歳です。3年前まで都内の有名私立大学に通っていました。僕、両親がいないんです。大学1回生の頃に母が他界してしまって、母親は女で一つで僕を育ててくれました。僕は一年浪人して折角有名私立大学に合格できたので、絶対に卒業したかったから有り金は全部その時に学費を払うために使ってしまったんです。しかし卒業の年になっても就職の内定はもらえずに卒業後はずっとアルバイト生活が続きました。僕は大手の電機メーカーのデジタルカメラのライン作業をしていて、そこの職場は20代前半くらいの若い子ばかりが勤めていたので、僕としても非常に気に入っていたのですが、その勤めていたラインが3カ月前に急に無くなってしまって、僕は1年半勤めた工場を急に辞めなけばならなくなったのです。生活のためにできるだけ時給の良いバイトを探さなければと思っているうちに直ぐに時間が過ぎてしまって、そこに大家さんが来て言うのです。「家賃先月もまだ払っていないでしょう。今月も払えないようであれば家を出て行ってもらいますからね。」って僕はお金がなくて家を追い出され、自分が野宿している様を思い浮かべると、嫌で仕方なかった。野宿だけは絶対に嫌だ。一度ホームレスになったらそこから抜け出せないのではないか。それが怖くて仕方なかった。大家さんが家賃を取りに来る期日はもう目の前に迫っている。けれど僕には払うあてのお金が一銭もない。そこでコンビニであればその実際にお金を持っている人の姿は知らずに強盗に入れると思って、今回の事件を思いついたのです。もっと捕まった時のリスクを考えるべきだった。野宿だけは絶対に嫌だったので、大家さんが家賃を取りに来る前になんとかお金を用意せねばと思って犯行に及んだのです。自分でもなんてバカなことをしでかしてしまったんだろうと今になって思います。」と僕は僕と年齢の変わらない警察官に取り調べを受けながら情けなくて涙が出て来た。どんなに後から後悔したとしても僕の失敗は取り返せない。僕は一夜にして「前科者」となり刑務所に送られることになった。


note(ノート)というサイトものすごく面白くて感動できる漫画の原作となるような小説をいくつか連載させている
 向  ようじ
  と言います。
僕の物語を読んで連載させてもいいという漫画のプロデューサーの人は感想を mukaiyouji@gmail.com まで送って下さい。 作品を読んで気に入った
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