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動物の物語   第1話

ある若者がいた。かれは一種の特殊能力を持っていた。かれは動物と話ができ る、というか、動物が考えていることが全て把握できてしまうのだ。かれがそ の特種能力に初めて目覚めたのは、かれがまだ幼いようち園生のころだった。彼がある日公園に出かけたときーぴきのしろネコがダンボールの箱 の中に捨てられているのを発見した。それを見たかれは思わず「お前さみしそう だな、かわいそうに。」とつぶやいた。するとネコが、そうやねん、オレ捨てら れてかわいそうやろ。」とつぶやいてきた。かれは目を丸くして我が耳を疑った。 な、な、な、なんとっ!ネコが話するなんて有り得ない話ぞっ!!かれはおどろ きはしたものの、ネコのなんともさみしそうな表情を見ていると、たまらない気 持ちになって、思わず家へ連れて帰ってしまった。家に連れて帰ると案の定アレルギーで動物嫌いの母は烈火のごとく怒り狂った。しかしぼくは、このネコを見た時、 ネコが話かけて来たんだ。「俺ってかわいそうだろって。」そう言われるともう 放っておくことが出来なくてさ。思わず連れて帰つて来てしまったんだ。」と 言った。すると母はこの子はなにを訳の分からないことを言っているの!」とど なり、ますますいかりをあらわにした。僕がネコの方をチラリと見ると、ネコ は「お願いだからこれ以上捨てられるなんて残酷な運命をぼくに背負わせ ないで一つ。」と言って、目をウルウルさせながら、ぼくの方をじつと見つ めていた。ぼくはそれを見るとかわいそうになって思わず「絶対捨てるなんて出 来ないよつ!かわい そ一過ぎるつ。」とさけんだ。そしてお願いっ。次の飼い主が見つかるまでの間 でいいからこの家に置いてやってっ。!」と母に懇願した。すると母は「仕 方ないわね~。本当に次の飼い主が見つかるまでの間だけよっ。!」と言つてしぶ しぶながらも ok してくれた。ぼくは母に「ありがとうっ。ありがとうっ。とお礼 を言い、大喜びした。なぜなら母がアレルギーで動物が大キライなことをじゅうじゅう知っていたからだ。 

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