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BlueALSAコンパイル作成法

ここではBlueALSAのコンパイル法についてまとめます。

これまで述べた通りBlueALSAは

従来のAndroid機器やMacなどを用いたBluetoothの音質をはるかに凌駕しており、

とても澄んでいて

高音の伸びが素晴しく、

低音の迫力がしっかりあって

音楽を生き生きと再生する方法

です。 

現時点でお手持ちのBluetoothヘッドホンに最適なコーデックを選択して再生

するにはBlueALSAを自分でコンパイルしてインストールしなければなりま

せん。


自分で作成いたしますと

AptXAptX-HDならびにAAC

のコーデックに対応できます。もちろんLDACsbcにも対応します。

今回はBlueALSAのコンパイル・インストール方法について一括します。


基本的に参考にすべきサイトは

arkqと称する方の作成した

のページです。この方を中心にしてBlueALSAが作成されました。

実際のコンパイルはこのページに加え、以下のページが優れています。

Adding additional‥

このページが実際的でとても参考になります。私は基本このページに従ってコンパイルしています。


インストールするベースのLinux OSは

Ubuntu系Debian系

です。ただし、それらのバージョンが関連しており、

Ubuntuだと21(現時点、実質23)以上、Debianだと7:bookworm以上となります。それ以前のものだと必要条件が整わないので基本的にコンパイルできないことが多いです。


それでは早速始めましょう。

最後に提示したAdding Additional‥のページに準じています。

そのページ上方の

Dependencies

のところから始めます。そこにあるように

bluez>5.0

が必要です。通常、上記OSであれば最初からこれがインストールされているのであまり考えなくてもいいでしょう。

ここでまず、コンパイルの道具や必要なライブラリーを整えておきましょう。以下をターミナルに入力してインストールしてください。

sudo apt install git automake build-essential libtool pkg-config python3-docutils cmake

sudo apt install libasound2-dev libbluetooth-dev libdbus-1-dev libglib2.0-dev libsbc-dev libsndfile1-dev libbluetooth-dev libsndfile1


そして

alsa-lib

ですが、これは自分で準備しなければなりません。通常のライブラリーであればsynapticを使ってインストールすればいいのですが、このalsa-libはsynapticでは出てきません。そうなるとネットからダウンロードするしかありません。

Ubuntuであれば

Debianであれば

にあります。そこのリンクをクリックして最適のファイルをダウンロードします。ダウンロードフォルダーに入った圧縮ファイルを展開してインストールします。まずリンクを辿ってパッケージをダウンロードします。例えばDebianであれば

http://deb.debian.org/debian/pool/main/a/alsa-lib/alsa-lib_1.1.8.orig.tar.bz2

をダウンロードします。このパッケージはUbuntuでも通常そのまま利用することができるのでこれでもいいでしょう。

ダウンロードが終わったらファイルを右クリックして出てきた一覧からファイル(あるいはファイルへのPath)をコピーします。Sparkly LinuxなどOSによってはダブルクリックすると自動的に展開してくれるものもあります。

コピーしたら、ターミナルを開いて

tar xvjf 今コピーしたものをshift+ctl+vでペースト

します。そしてエンターするとホームにalsa-libというフォルダーができます。そのフォルダーを右クリックして出てきた一覧からターミナルを開きます。そして

sudo ./configure

と入力します。ここでパスワードを聞いてきますので入力してください。一連の反応が終わったら

make

と入力。そして

sudo make install

でインストールが完了します。


次はsbcのインストールです。

http://deb.debian.org/debian/pool/main/s/sbc/sbc_2.0.orig.tar.gz

からダウンロードします。ディスクに保存したら、同じくダウンロードしたフォルダーを右クリックしてコピーします。そしてターミナルに

tar -zxvf ペースト

して展開します。ホームにsbcフォルダーが作成されますのでalsa-libと同様にして

sudo ./configure

make
sudo make install

でsbcをインストールします。



最初にaacのコーデックを作成します。ターミナルに

git clone https://github.com/mstorsjo/fdk-aac.git
cd fdk-aac

と入力してリソースをダウンロードします。次いで

autoreconf --install --force
mkdir build
cd build
../configure --prefix="/usr" --disable-shared

と入力します。それが問題なく終わったら

make
sudo make install

と入力すればfdk-aacの準備完了です。


次はAptX/AptX-HDです。

これをきちんと成功させるためにはffmpegのシステムをコンパイルインストールしておく必要があります。

のページに従ってffmpegをインストールします。

sudo apt -y install build-essential gcc g++ make libtool texinfo dpkg-dev pkg-config

これが終わったら

sudo apt update
sudo apt install nasm yasm curl -y

次いで

cd /tmp
rm -rf ffmpeg-4.3
curl -O https://ffmpeg.org/releases/ffmpeg-4.3.tar.gz
tar -xvzof ffmpeg-4.3.tar.gz
cd ffmpeg-4.3
./configure --enable-gpl --enable-shared --prefix=/usr/local
make
sudo make install

と入力してしばらく待ちます。10分以上かかるかもしれません。じっくり待ってください。途中でパスワードを聞いてきます。

全て完了したら、ターミナルに

sudo nano /etc/ld.so.conf

と入力して、出てきた1行の下にカーソルを移して

/usr/local/lib

の1行を追加してctl+Xで保存します。そして

sudo /sbin/ldconfig

と入力して完了です。


やっとAptX/AptX-HDの作成です。

git clone https://github.com/Arkq/openaptx.git
cd openaptx

次いで

mkdir build
cd build
cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=/usr -DENABLE_DOC=OFF -DWITH_FFMPEG=ON -DWITH_SNDFILE=ON ..

そして最後に

make
sudo make install

でインストール完了です。



次はLDACです。

git clone https://github.com/EHfive/ldacBT.git
cd ldacBT
git submodule update --init

でリソースをダウンロードします。それを

mkdir build
cd build
cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=/usr -DINSTALL_LIBDIR=/usr/lib -DLDAC_SOFT_FLOAT=OFF ..

で整えて、

make
sudo make install

でインストールします。

これで準備が整いました。



最後にいよいよBlueALSAをコンパイルします。

git clone https://github.com/Arkq/bluez-alsa.git
cd bluez-alsa

でリソースをダウンロード。次いで

autoreconf --install --force
mkdir build
cd build

でビルド。そしてコンフィグレーションを

../configure --disable-hcitop --with-alsaplugindir=/usr/lib/arm-linux-gnueabihf/alsa-lib --enable-aac --enable-aptx --enable-aptx-hd --enable-ldac --enable-cli

で行い、最後にインストールです。

make
sudo make install

エラーなく終了すれば再起動して完成です。

どうですか。ちゃんとコンパイル・インストールできたでしょうか。Linuxのバージョンによってはうまくできない場合もあります。頑張ってみてください。

2024/2/22
2024/3/1 一部修正



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