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前回は法定後見制度の記事を書きましたが、今回は家族信託のことを分かりやすくご紹介いたしますね。

家族信託とは一言でいうと「財産の管理」を後継者に任せる信託契約行為です。

親子間を例にすると、財産の管理を任せる親を「委託者」、財産の管理を引き受ける子を「受託者」、財産からの給付・分配を受ける人を「受益者」と言って一般には親がなります。

信託免許を持たない受託者に任せるので民事信託(信託銀行等に任せる場合は商事信託として報酬が発生します。)と言い「家族信託」は俗称です。

親(父)が自宅とアパート1棟を所有していて子供に管理・処分を託するケースで説明しましょう。

まず、家族会議を開いて財産の管理・処分等を子に託することを家族間で決め、委託者を親、受託者を子、受益者を親とし、自宅とアパートの詳細を信託財産目録として明記した信託契約書を作成します。

信託契約書を基に公証役場で公正証書を作成して貰います。
ここから信託契約が始まります。

最後に司法書士に依頼し、法務局に公正証書副本を添付して、財産目録の不動産の所有権移転登記を申請します。

登記が完了すると登記簿に委託者(親)から受託者(子)に「信託」が原因としての所有権移転登記が(形式的に)記載されます。

<信託登記簿例>

また、信託目録も併記されますので、何の目的で信託されたか第三者に公示できます。

将来信託不動産を売却するときは受託者(子)が売主になります。

 親が将来認知症に罹り、不動産の売買、賃貸契約、建物新築や増築の請負契約などの、法律行為が制限されるリスクがなくなるとういうこのが、家族信託のよいよころです。

委託者兼受益者である父が亡くなった場合信託契約は終了させずに、親の妻(母)を第二受益者として指定することも可能です。これを受益者連続信託といいます。

最後に親が認知症と告知されてもあきらめないでください。
本人の意思の程度や家族を思いやる気持ちが明確であれば、家族信託制度は利用できます。

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