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都心でも長い間放置されたまま、草ぼうぼうの空地や郵便物が溢れかえっている空家があります。

これは所有者がお亡くなりになったあと、遠方の相続人が管理放棄しているか行方不明になっている場合が大半です。

現在、相続登記がされていないことなどによる「所有者不明土地」が、土地取引や活用の阻害要因になったり、土地建物が放置され近隣に悪影響を及ぼすなど様々な問題が生じて深刻化しています。
これを踏まえ、「相隣関係規定の見直し」や「所有者不明土地建物管理制度」など民法の一部が令和3年4月に改正されました。

相隣関係とは隣り合う土地所有者との関係です。

隣地から木の枝が越境している場合、切除するときは本来なら隣地所有者の承諾を得なければなりませんでしたが、新たなルールで、相当期間(2週間程)催促したにもかかわらず切除しないときには、自ら枝を切り取ることができる仕組みが整備されました。

また、隣地使用権の範囲が拡大され、以下の場合に隣地を使用することが認められました。①境界線付近で自らの建物その他の工作物の築造、収去、修繕をする場合。②境界標の調査又は境界に関する測量。③前記の越境している枝の切除。

その場合は勝手に作業するのは権利の乱用なので、事前に隣地所有者に対して通知しなければなりません。

 「所有者不明土地建物管理制度」は土地建物の所有者が調べてもわからない場合や、所有者が管理放棄し、それによって他人に被害を及ぼしている場合に、利害関係者が地方裁判所に申し立てることで、その土地建物の管理を行う管理人(弁護士・司法書士など)を選任してもらうことができる制度です。

これにより所有者不明空地の処分や、所有者が放置している空家のゴミの撤去、外壁の損壊補修等ができるようになります。

これらの改正は来年の令和5年4月1日から施行されました。
詳しいことは不動産コンサルティングマスターの吉田までご連絡ください。

また遺産分割に関する新たなルールや、相続登記に関する不動産登記法改正も施行されますので、次回の記事で紹介しますね。


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