#163_ネガティブ感情を掘り下げる

事情があって、いくつかのセミナーの事務局をやっています。
今回は、あるオンラインセミナーの事務局をしたときの、ネガティブ感情と出会ったときのお話です。

講師の先生は、日頃からお世話になっている、恩のある方で、その人のために動くことに何の苦痛も感じない、そう思っていました。
でも今日、なぜか、その思いを覆すような情動が沸き起こり、その感情を自分ではうまく処理できませんでした。
なぜだかわからなかったので、今読んでいる書籍を頼りに、その思いを掘り下げていきたいと思います。

わたしが事務局をしているセミナーは、有料セミナーです。
わたしも含めたメンバーで告知を頑張るほど、収入は多くなります。
わたしは講師の方に恩がありますから、この収入の一部をいただくことは当然考えていませんでした。

このような事務局の仕事をすると、わたしはよく仕事振りを褒められます。
丁寧でありがたい。
ここまでやってくれるとは。
わたしの中では当然です。
対価としてのお金をいただいているセミナーだからです。

事務局の仕事はすべて、本業の合間に行っています。
本業もなかなか忙しい仕事ですので、結構ギリギリの生活です。
家族があり、子どもも2人いるので、自分が自由にできる時間は限られています。
僅かな隙間時間に、事務局の仕事をするわけです。

今回のセミナーは連続セミナー、一回限りか複数回受講するかで、金額が異なります。
入金の確認は個別で、人によって金額とメール内容にずれがないように、一つずつ確認して返信していました。
知り合いの方や、以前少しだけ関わった方もいるので、それらの情報もfacebookで確認したりメールを見返したりしながら、一人一人丁寧に返信します。

セミナー当日は大盛況でした。
セミナー中は、参加者の人数の確認とチャットでの対応、特に質問は絶対に逃さないように目を見開いて確認していました。

近くには子どもがいました。
ママっ子な彼女は、絶えずわたしに話しかけてきます。
対応しながら聞いていたわたしは、次第に湧き起こるイライラを抑えながら相槌を打っていました。
子どもは悪くないのに。

わたしは不器用なのです。
一時に一事のことしかできません。

そんな状況でしたから、セミナーの内容はあまり頭に入ってこず、ファシリもうまくできませんでした。

さらに誤算だったのは、当初想定した3倍近くの方が申し込んでくださったことです。
嬉しい誤算なのですが、人によってコースも入金額も異なりますから、当然仕事は煩雑になります。

もう一つの誤算は、一つ目のセミナー後のアーカイブ配信期間(2週間限定)も、参加者を受け入れ続けたことによる追加の参加者対応です。
PayPayでの入金をお願いしていたのですが、PayPayを使っていない方もいて、「LINE Payでお願たい」「銀行振込にしてくれないか」との依頼メールがありました。

アーカイブ配信の期日は決まっているので、申し込んでお金も振り込んでいるのにURLが届かなかったら、セミナーへの不満につながると判断したわたし。
できる限り迅速な対応をしなければという感情で、自己を追い込んでしまいました。

振込額が申込と異なる
キャリーメール(パソコンではなく携帯会社のメール)のアドレスなので資料が送れない
お申し込みがあったのに振り込みがなくURLが送れない
このような細かな対応もすべて、わたしが1人で担いました。

運の悪いことに、この作業が一番忙しいセミナー翌日は、義実家に1日伺うことになっており、パソコンを触れない環境でした。
参加者からの連絡対応は、スマホのみ。
小さな画面ではうまく情報が整理できず、イライラが溜まっていきました。参加費はすべて、講師の方に送りました。
わたしは一銭もいただいていません。

でも正直なところ、この事務作業量でこれだけの額が収入として得られているのに、わたしの仕事は全てボランティアなのか、、、というモヤモヤがあることは否めませんでした。

そこに追い打ちをかけることになった、講師の方からの連絡。
昨日の参加者のご感想を、告知内容に合わせて選んでくれないか、というものでした。
普段なら何でことのない簡単なお願いだったのですが、諸々の細かな対応に疲れ切っていたわたし。
「何でお金をもらってないわたしが、そんなことまでやらなければならないのか」という、ブラックな感情にのまれてしまいました。
そこで見た、講師の方のタイムライン。
そこには、今もご自身の研究を深めている様子が綴られています。

リフレクションシートを見てみました。
そこには、深い学びに誘ってくださった、講師の方への感謝の言葉が綴られていました。
わたしが一生かけても、いただけないような賛辞の言葉です。
学ぶ喜びに溢れる参加者のかたの言葉。
正直、羨ましくてたまりませんでした。
わたしへの感謝の言葉も、僅かながら述べられていたのに。

「わたしが本当にやりたいのは事務局じゃない」
「本当はわたしも、自分の授業をもっとよくして、研究を深めたいのに」
「メール対応とか金額の確認とか、こんなことはなりたい自分に繋がる道じゃない」

そんなことを考えてしまいました。
そして、あろうことか、その感情を他者にぶつけてしまったのです。

今、わたしは深く反省しています。
ネガティブな感情を抑えられず、他者にぶつけてしまった自分の不甲斐なさと向き合っています。

講師の方が今までしてくださったこと。
わたしに対する温かい配慮。
それらを無碍にするような感情を抱いていました。
わたしの至らなさをわたしはまだ、受け容れきれていなかったことに気づきました。
まだわたしには、万能感があったのか。
そう感じています。

今日からまた、できることを少しずつ、真摯に取り組もうと思います。
己の未熟さと不甲斐なさに向き合い、できていないことを認め、確かな一歩を踏み出します。

この場はその一歩を踏み出すための、懺悔の場です。
目指す自分に近づくために
頂は遥かかなたにあれど
一歩ずつ、一歩ずつ。

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